† 四の罪――現世(うつしよ)の邂逅(捌)
当の本人は、騒ぐだけ騒いだら眠ってしまっている。本当に子どものような寝顔だ。
「つらいのは覚悟の上です。かならずや乗りきってみせます!」
「俺も稽古よろしくお願いします!」
俺たちを確かめるように交互に見比べると、隊長ははじめて、嬉しそうな顔で笑った。
「今日は二人とも模擬戦で疲れたろうから早く寝なさい。明日は朝からしごきまくるよー」
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ただでさえ、重苦しい空気に満ちている地下室。空間そのもの以上に、そこにいる人間がその禍々しさを増幅させているかのようだ。
「やはり彼女はここに来ましたか。ククッ……あれほどの大物も小娘が呼び出してしまえるとは、相も変わらず悪魔と相性がよろしい場で」
栗毛の美青年が嘲笑を響かせる。中性的な面立ちをしていながら、そのオーラは暗い天井に負けじと、どす黒い。
「あれをただの小娘とぬかすのなら、お前の目に失望だ」
闇の中より、決して低くはないが、その漆黒でも塗り潰せぬ鋼の如き芯を持った声が加わる。
「これはこれは、失礼いたしました……ところで、元帥殿はわたくしの存在に気づいておられるのでしょうかね。どう思われますか――最強の妖屠様は」
道化は目を細め、暗がりに問いかけた。
このサブタイトルにいちいち旧字でナンバリング付くのは、陰陽座や椎名林檎の影響です。
バジリスクのOPから入ったニワカですが、内容と合った古語風の歌詞に惹き込まれたのを憶えています。
ちなみに、文系のくせして古文の成績は赤点でした。




