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† 四の罪――現世(うつしよ)の邂逅(参)

 眠っているものだと思っていた三条の部屋に、突如として空気の乱れが生じた。

「夜歩きには目をつぶるとして、上司と同僚にあいさつもしないとは、感心できないなあ」

「んだよ、素通りしてやがったのかよ」

 疲れているとはいえ、急な来訪者に気を取られて見逃していたなんて、これが御用改めだったら、俺は呆気なく斬り捨てられていたことだろう。

「素通り、じゃないよね。帰宅するのに気配を消すなんて、ちょっと早めのクリスマスプレゼントでもくれる気かい、サンタさん。ま、自分はともかく、あまりに濃すぎる連れの気配までは誤魔化せてなかったね」

「なんだ、男でも連れ込んでんのか」

「そ、そういうのじゃ……!」

「じゃ、どういうのかな? この数分間で、こたつの上にあったおじさんのおやつがなくなったんだけどー」

「ああ、あのちっさい空薬莢みたいなチョコか」

「ぼ、ぼくじゃないもん!」

「じゃあ誰かがやった、と。まあやましいことがねーなら開けてもいいっしょ」

「疑わしきは罰す、それがチーム多聞丸の掟。ま、信雄くんも言ってることだし、着替え中だったとしてもおじさんはいっさいの責任を負いません」

 それを言うなら掟じゃなくて風潮では、と是正させる暇も与えずに、今ふと思いついた設定を適用するこの百八十センチ超えの中年男性は、軽やかにスキップして、ドアノブに手をかけた。

「いやいや、エロ関連の問題何でも俺のせいにすんのマジやめ――って……え?」

 昼間ボコボコにされ過ぎて、座敷童でも視えるようになったのだろうか。少女らしさの欠片もない最低限の家具が整然と並ぶだけの寝室に、三条に抱きかかえられて眠る、小さな女の子のような何者かが増えていた。



 冬なのに蚊に刺される……私が前世で何をしたというんでしょうか?

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