† 一の罪――堕天使斯く顕現す(陸)
嫌悪感と共に自慢話を見つめていた店員たちにも、数体が群がっていた。厨房の奥より一人が虚ろな目でフラフラと立ち上がったと思った刹那、矢の如く伸びた片腕が俺の喉元に迫る。
「……出すもんが違うんじゃねーの?」
突き付けられた巨大なかぎ爪を人差し指と中指だけで挟み、俺はクレームをつけた。
「俺のアイスティー、どうなっちゃってるわけ」
コンコン、とテーブルを叩いて意思表示していたフォークを逆手に持ち変え、目の前の腕を一刺し。
「ヴゴゴ……ヴヴアァ…………」
苦悶の呻きに導かれるようにして、店内中から漆黒の鎌首が顔を出す。
「まとめて来んならちょうどいい――あんたら全員、闇に還してやるよ」
鈍色に輝く刀を手に、俺は席を立った。
ビル街を駆ける三人の狩人と、大量の妖たち。
「くっそ、こいつら……!」
怪魔はこんな早さで増えない――なにか仕込まれていたようだ。
「もう限界です!」
槍に変化させたデスペルタルで薙ぎ払いながら、三条が叫ぶ。確かに、結界を張りながらの戦いでは厳しい。が、六本木のど真ん中で解除すれば、人目についてしまう。高速道路の照明灯に降り立って、近い順に屠っているものの、こちらも埒が明かない。
「緑川くん、三人じゃ無理だ! いったん退いて増援を」
俺はアダマースに拾われて以降、多聞さんの命に背いたことはなかった。しかし、ここで逃げれば、加勢を得て戻るまでの間に、何人の一般人が犠牲になるだろう。
(……また止められないのか、俺は――また目の前で起きている悲劇を止められないのか? あの時みたいに、理不尽な暴力になす術もなく終わるのか……?)
「……撤退だと言って――」
「そりゃ俺だってまだ若いんだし、他人のために命なんてかけたかねーよ。でも、それでも――目の前で理不尽に命が奪われてくのを見んのは、もっと苦しい気がしてなんねーんだよ!」
「緑川……くん?」
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ソシャゲは艦これぐらいしかやったこと無いけど、型月厨なんで釣られるwww




