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異世界建築無双《BLUE COLORS》〜BIMとCADが使える俺、美少女領主に雇われ、伝説の職人たちを率いて理想の街を爆速で竣工させる〜  作者: beens
第8章:辺境領地凱旋編

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第5話:大地を滑る領地! 超重量級「魔導リニアレール」の敷設

「一ノ瀬様! 発電所の出力が定格の400%に到達、このままでは地熱プラントが自壊しますわ! 余剰電力をすべて領地底部の『浮上式駆動システム』へ転送。……やりますわよ、領地の『お引越し』ですわ!」

 エレナの叫びと共に、領主の館の地下から、かつて聖が密かに仕込んでおいた巨大な魔導回路が脈動を始めた。地熱発電で得た莫大なエネルギーを、物理的な「移動」へと変換する。だが、数万トンにおよぶ大地を動かすには、普通の地面では摩擦でバラバラになってしまう。

「ベルタ、領地の外周に沿って、世界最大の『H形鋼エイチがたこう』を敷き詰めろ! 摩擦をゼロにするために、スライムのスポットをレールの潤滑剤として配置する。フィア、進路上の障害物をすべて排除しろ。今日、この領地は『動く要塞』へと進化する!」

 まず、移動させる土地そのものを基盤から切り離し、持ち上げる必要がある。

「ベルタ、領地の境界線に沿って『鋼管杭』を打ち込み、地下に巨大な『受けスラブ』を構築しろ! 建物が崩れないように、魔法で土壌を一時的にセラミック化して固めるんだ!」

「任せな! 大地ごと持ち上げるなんて、土木屋冥利に尽きるね!」

 ベルタが魔法で土を焼き固め、領地全体を支える巨大な「ソリ」のような底盤を作り上げた。

 次に、領地が滑るための軌道レールを敷く。

「このレールはただの鉄じゃない。余剰電力を流して磁場を発生させる『電磁軌道』だ! エレナ、極性を制御して、領地を数センチだけ浮かせろ(磁気浮上)。摩擦係数を極限まで下げるんだ!」

領地を動かすのに必要な力 F は、摩擦係数 μと垂直抗力 N によって決まる。

F=μN

浮上させることで μをほぼゼロに近づければ、巨大な領地も指一本(の電力)で動かせるようになる。

「スポット、お前の出番だ! レールと底盤の間に潜り込んで、魔法の粘液を分泌しろ! 世界一滑る『流体潤滑りゅうたいじゅんかつ』を形成するぞ!」

 プルプルと震えながら、スポットがレールの隙間に広がっていく。その上を、数万トンの大地が静かに、そして滑らかに動き出した。

ゴゴゴゴ……という地鳴りとともに、領主の館、商店街、そして畑までもが、ゆっくりと北へ向かって移動を始めた。

「動いた……! 本当に領地が動いてるわ!」

リアナが窓の外を見て、驚きに目を見開く。風景がゆっくりと後ろへ流れていく。

「フィア、前方の勾配を確認しろ! エレナ、出力調整。時速5キロで巡航するぞ! これで、敵が攻めてきても『場所を変える』だけで回避できる。究極の防衛外構の完成だ!」


「所長、移動は順調だけど……。領地が動いたせいで、今まで隠れていた『古代の地下迷宮』の入り口が、移動した後の地面からポッカリ現れちゃったわ! 中からお宝の匂いと、強力な守護者の気配がプンプンするよ!」

フィアが空から、領地が元あった場所を指差して叫ぶ。


今回の建築・土木用語解説

• アンダーピニング: 建物の基礎を補強したり、新しい基礎を下に作り直したりする工法。沈下修正や、今回のように「土地ごと動かす」際の必須技術。

• スラブ: 床や基盤となる分厚いコンクリート板のこと。

• 摩擦係数: 物体が滑る時の「抵抗」の度合い。これが低いほど、小さな力で重いものを動かせる。

• 磁気浮上: 磁力の反発を使って物体を浮かせる技術。リニアモーターカーなどに使われる。

• 流体潤滑: 2つの面の間に液体(オイルやスポットの粘液)を介在させ、直接の接触を避けて滑りを良くすること。

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