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異世界建築無双《BLUE COLORS》〜BIMとCADが使える俺、美少女領主に雇われ、伝説の職人たちを率いて理想の街を爆速で竣工させる〜  作者: beens
第6章:月面開拓編

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第6話:クレーターを跳ねろ!「月面高速道路」と磁気舗装工事

「……一ノ瀬様、あの光の点はここから約500キロ先、最大級のクレーターである『タイコ・クレーター』のふち付近にありますわ。しかし、そこまでの路面は細かなレゴリスが膝まで積もり、岩が乱立する最悪のオフロードです」

エレナが投影したホログラム地図は、月面の過酷さを物語っていた。月面バギーで無理やり走破することも可能だが、調査団の安全と資材の輸送効率を考えれば、安定した「道」が必要だ。

「よし、ただの道じゃない。月面の低重力を味方につけた、『磁気浮上アシスト・ハイウェイ』を敷設するぞ。ガッツ、資材の準備だ!」

「おうよボス! 500キロの突貫工事、気合入れていくぜ!」

 月面のレゴリスは非常に細かく、機械の可動部に入り込んで摩耗させる厄介な存在だ。まずはこの砂を「道路の土台」に変える必要がある。

「ガッツ! 重機に搭載した『魔導マイクロ波放射器』を最大出力で照射しろ。レゴリスを焼き固めて、ガラス状の舗装路盤を形成するんだ!」

「了解だ! コンクリートを運ぶ手間が省けるのはいいが、焼き加減が難しいぜ!」

俺たちは、月面の砂をその場で加熱・溶融させて固める『オンサイト・シンタリング(現地焼結)工法』を採用した。これにより、資材を地上から運ぶことなく、強固な路面を高速で作り上げていく。

 次に進路に立ち塞がるのは、深さ数百メートルの小クレーターたちだ。いちいち避けていては時間がかかる。

「フィラ! 橋の支柱となるアンカーをクレーターの対岸に打ち込んでくれ。重力が1/6なら、地上では不可能なほど長い『超長大スパン・トラス橋』が架けられる」

「任せて! この軽量合金なら、あたしたちだけでも空中で組み立てられるよ!」

俺たちは、高強度で軽量な魔導アルミ合金を使用したトラス構造(三角形を組み合わせた骨組み)の橋を次々と架けていった。低重力下では構造物自体の重さが無視できるため、細い部材でも驚くほどの距離を無支柱で跨ぐことができる。

 月面の最も危険な点は、摩擦が効きにくい路面でバギーがスピンし、低重力でそのまま「舞い上がって」しまうことだ。

「エレナ、舗装路面の内部に魔導コイルを埋め込め。バギーの底面に取り付けた磁石と反発・吸引させることで、車体を路面に押し付ける『ダウンフォース制御』を行うぞ」

「名案ですわ! これなら時速200キロでクレーターの縁を曲がっても、コースアウトの心配はありませんわね!」

路面と車体の間に常に一定の磁気的な「粘り」を持たせることで、真空・低重力の月面でも、地上の高速道路以上の安定走行を可能にした。

 数日の不眠不休の工事の末、月面の静寂を切り裂く一本の「銀色の道」が完成した。

バギーの車輪が巻き上げるはずの砂煙もなく、俺たちは滑るようにタイコ・クレーターへと向かって加速した。

「……見えた。あの光だ」

高速道路の終着点。クレーターの縁にそびえ立っていたのは、月面基地セレーネとは明らかに異なる意匠の、黒い鏡面で覆われた「巨大なピラミッド」だった。その頂点から、今もなお規則的な光が宇宙へと放たれている。


「一ノ瀬 聖。お前が作った道が、ついに『歴史の裏側』に繋がったようだな」

バギーの助手席で、守護長カイルが槍を握り締め、緊張の面持ちで呟いた。


今回の建築・土木用語解説

路盤ろばん: 道路の舗装の下にある、荷重を支えるための土台となる層。

• マイクロ波加熱(焼結): 月面のレゴリスにマイクロ波を当て、加熱して岩のように固める技術。

• トラス構造: 三角形を基本単位として組まれた骨組み。軽くて非常に強いのが特徴で、橋や屋根によく使われる。

• ダウンフォース: 走行中の車を路面に押し付ける力。月面では重力が弱いため、これを人工的に作ることが安全に直結する。

• スパン: 橋の支柱と支柱の間の距離。これが長いほど、高度な設計と材料が必要になる。

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