備えろ敵に、迎えよ適宜に
はいはいーひっさしぶりにー投稿するのー、小説をー。通信速度制限とかで長らく書けてなかったのよね
ー。手なわけでご笑覧あれ、少し不気味な未来のお話。
理想が再現された。
現実は霞んでしまった。
相反する。ただ、それだけで。
世はデジタル化されてきた。文字をデータに収め、量を数値化し、人々に楽をもたらしては堕落させた。
それでもなお、有り余った技術は神の頂きへ上り詰めたと言っても過言ではない。
もし世界を創造した存在を神と呼ぶなら、同じく世界を創造しうる技術を持った我々は神と同義ではないか。
こうした技術は瞬く間に民衆へと広まり、過去に見ない経済好景気を産んだ。
これは、そんな世界で暮らす数少ないスラムの少年ことアルフェ・ノーラ。とある信念を胸に、アルフェはこの世を生きる。そんな、そんな物語。
=☆☆=☆☆=☆☆=
ビルは見る所全てにそそり立ち、夜空に照らされてなお明るさを絶やすことがない。
ただし例外もある。その中の一角としてあげられる場所とは、経済の波に押し流され倒産し放棄されたビル群跡地。過去の経済中枢だった悲しき場所が、今や行き場のない人々の集うスラム街となり変わっていた。
その街の中心部には、目立って高いビルが建っていた。それこそ、電気が止まり階段しか移動する術が残されていない様な場所で、人気を感じさせる光が見えた。
「アーリーコア……接続、プロセス……インストール」
欄列するコードとモニター、キーボードがそれぞれ乱雑に並べられていた。そこでは、ブツブツと口にしながらこれらを操作する人影がある。
場所も相まって、怪しいほかない。
なのに、拭えぬ違和感がある。操作する手は痩せこけてこそいるが、それでもなお小さく見え。背は丸く沿ってはいるが、それでもなお小柄に思えた。
つまるところ、彼は年の満たぬ少年であった。名をアルフェ・ノーラ。人にはアルフェかアルと呼ばれている。
「経過は……45%……あ、容量不足。まだ足りんのか!」
そんな言葉を叫び、弱々しい拳が宙を舞う。何かしらうまく行かず態度に出てしまうのは、感情を制御できていない証拠。やはり子供と言って相違ないよだ。
「これから、また……スクラップ集め。最近じゃぁ、ケータイも捨てられない。レアメタルも手に入らない。つらい」
見上げる天井は亀裂が入り、今にでも崩れてしまうかもしれない。窓の外では明るい街が見えるも、ここは暗い。
アルフェの表情もまた暗く、それでいて壊れてしまいそうな危うさも感じさせる。こんなにも過酷な環境の中で、なぜこんな子供が暮らす羽目になったのか。
そんな彼の身に差し込む眩い光。ただし、それは決して希望を見出す事のできない、肌を刺すような赤い光。
「………………客?」
突如赤く点滅したモニターに映し出されるは、近くにあるこれまた廃れたビル郡であり、その屋上で繰り広げられるは過酷な逃走劇。そのうち、追いかける存在は人ではない異型の形をしていた。
「こいつらは、たしかアストラル社のとこのモデルか。てことは追われてる人、何かやらかした……って、はず」
アルフェは立ち上がり、階段を使って屋上に駆け上がる。道中、どこから取り出したのかボロ臭いマントを羽織り、その手に大きなライフルが握られる。
さらに、意味深な言葉を口ずさむ。
「地理へアクセス……座標表示……勢力分布……排除プログラムをレットへ移行。対象をマーク」
階段を登りきり屋上へたどり着くや、目標へ迷わず銃口を向けた。その際、アルフェの周りに複数モニターが出現し、先程赤く点滅していた、あの映像も表示される。
「装填……ブレイクコマンド……選択バージョン:02」
そのライフルからは音もなく光もなく、先にキラーと定めた目標を一つ撃ち抜いた。
「クリア……次弾装填……」
一体、また一体と目標を撃ち抜いていく。このまま、蹂躙していくかと思いきや、攻撃が一つかわされた。
「……もう対策された」
キラーの眼光は赤く、その光がモニター越しにこちらへ向けられた。すると群れが二つに別れ、その片割れが今いるビルの屋上に迫りくる。
「あー、もう当たんない。改造モデルだったか。となると、最新型のK型。通称鬼だったかな」
使い物にならないライフを捨て、モニターを操作する。弾丸による迎撃は諦め、持ちょ楽な方法で仕留める気だ。
「トラップ、ナンバー4。全方位展開」
アルフェは呟やいた。その直後、鬼が数体、衝撃波を放って切断された。残った者は立ち止まるが、それも意に返さずまた切断される。
動けば切断、止まれど切断。奴らに血は通わぬが、かなり酷い散り様と言えようか。
「…………あ、一体抜けた」
狙撃にトラップと、あらゆる攻撃をかいくぐり。残る一体が、ついにこの屋上へとたどり着いたようだ。
近づかれればなおのこと、その姿が鮮明に見える。それは二メートルほどあるだろう黒い体に鋭利な角と一つ目の赤い目が目立つ。その姿はまさしく鬼。
「想像以上の性能だな」
ここまで追い詰められたというのに、アルフェの表情には変化が見られない。むしろキラーから目を離さず、その間器用に、モニターを操作し続けていた。
「………………バトルベース、起動」
未だトラップを警戒してか、キラーは動かなかったがそれもつかの間のこと。アルフェの呟きと共に、緊張した空気は打ち砕かれた。
鬼は鋭利な触手を伸ばして取り囲み、目から赤いレーザーも放った。近づかずとも確実に殺す、合理的な動きだろう。対するアルフェはまだ動かない。その様子から、勝負に結果は見え透いたものに思えた。
事実、勝負の決着は一瞬で終わりを迎えた。結果は、アルフェの勝利。周りを取り囲む攻撃を交わしたどころか、まるで過程が切り取られたかのような早い動きで、アルフェは勝ったのだ。
「終わりか? 終わりだな、よし終わった。追われてた奴らも、無事だな。向こうも向こうで、上手いこと迎撃してたようで」
倒れ込み、光となって消えゆく鬼を見送りながら、アルフェはモニター越しに状況を確認する。それでいて、ため息をついた。
「ヤブから棒に手を貸したのは自分だけど、来るよなコイツら。できれば帰ってほしいけど、来るよなー。絶対」
アルフェはもう一度、気の抜けたため息をついた。
「プロセス終了、警戒レベルを2に移行……あとは、様子見だな」
だれもが寝静まるだろうこの時間に、人知れず行われた戦闘。それでいて、この町の日常。
人が人知れず何かを創造し、理論上全てを得られるようになった世界で皆は何を望むのか。少なくとも、そんな世になれども奪い合いは無くならぬようだった。
これを人の愚かさと言えようか。だがそう思うのは、神でもない他ならぬ人自身である。
そんな現実に、自分に、嫌気が差せども少年アルフェは今日も生きる。その証拠にあくびが出る。
んー、せめてもう一話だけ同時に出そうとしたけどやめた。世界観は伝われど、不完全燃焼感に悶えた。書き貯めてるけどだめだ。
特に決まってないルールに従い、次回作までちゃんと待て!




