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最後に




なんで第22話からなんだ、おい!

第1話はどこじゃ、こら!!


恐らく、ここを開いた殆どの人間がそう思ったでしょう。

ただお約束通りの物語を順序良く書いても仕方ないのでね。




最初は勇者のパーティで誰が裏切ったら面白いか、という着想から始まったこの話。

結局は勇者が魔王軍に寝返るのが一番、絵面としては面白いってことで決まりました。

…個人的には、ありきたりとも思いましたが。


しかし話的には無理がない。

まず勇者はリスクが大きい訳のだから、転向することも無理ないだろう。


「勇者が民家の物盗んでる!」


とよくあるネタだが、勇者がみんなのために戦ってるのであれば、むしろ勇者の到来を知るや否や、住民はありったけの物資を持ってくるのが当然だろう。

酷いのが王様から貰ったアイテムよりずっと有用なアイテムが民家にあったり…。


「勇者が来ると魔王軍も攻めて来るー!」


などと勇者を支援するどころか被害に関して勇者に責任問題が起ったりする。


この物語の勇者、風間三五夜大先生はもともとよほど善人しかいない世界から転移してきたのでしょう。

で、この世界の人間に呆れて、相当数の人間を殺しちまえと考えたのである。

魔王に限らず悪い奴全員、やっつけるという頼もしい勇者だ。


しかし、何が正しく何が間違っているのかは政治や宗教の分野。


勇者が草の根活動レベルで魔王軍と戦っているウチは、善良な市民は何も口を出さない。

それがやれ銭を出せ、道具を出せ、となると嫌な顔をする。

挙句、今度は勇者がこいつは魔王軍と同じぐらい酷いよ!って王様や住民を殺し始める。


ひるがえって言えば、どれだけ勇者が都合の良い存在か。

それがこの物語の骨子となりました。


やや政治的な話題になっていったのだが、勇者がもし権力を握ったらという話になれば、自然と政治に触れてしまう。

この世界の人間は、無害で勤勉で真面目な勇者を信じたばかりに凶悪な独裁者を生んでしまった。


これはどちらが悪かったのか。


大手を振って誰もが勇者を温かく出迎え、銭は出す、寝床も食い物も出すし、女房も尻も貸す。

そんな環境が当たり前と信じていた勇者か。

あるいは知らん顔して勇者に全部、押し付けて、おまけに都合の良い勇者を信じた人間たちだったのか。


おそらくこの物語の場合、両方だろう。




設定だけというか、書かれていない部分を蛇足しておく。


風間三五夜は、日本とかアメリカとか中国のある我々の平行世界からルーヴグリン大陸とやらがある異世界に転移した。

この時、風間はごく普通の女子高生で、ごく普通ではない冒険をしたに違いないでしょう。


ルーヴグリン大陸は間違いなく高度に魔法が発達していたはずなので、その中でも風間はチートだった。

…という訳でもないのかも知れない。

彼女がルーヴグリン大陸で平均以上だったか否かは御想像にお任せします。

どちらにしてもあっちの世界の人たちは彼女の能力に関係なく親切だったことだけが間違いない事実だ。


そんなルーヴグリン大陸を平和にした勇者に次なる世界への門が開かれた。

間違いなく風間は次の世界でも親切に出迎えて貰えると期待していたと思われる。

しかし現実はそうではなかった。


おおよそ現地語も話せない日本の女子高生が海外旅行したぐらいの酷い目にはあったでしょう。

そこはそう、風間も元々は平行世界の人間だから、異世界とは違うと納得できたはず。

それでも侵略者と戦えば、自分に対する風向きが変わると信じたのであろう。


ところがどんどん嫌な部分が見えて来て、ついに彼女も決心が着いた。

何もかも破壊して、自分が責任をもってこの世界をやり直させるとそう考えた訳である。




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