最終話(第76話):雪上がりの朝。幼なじみから、一番大切な人へ
窓の外は昨夜の吹雪が嘘のように晴れ渡り、雪に反射した眩しい朝の光がカーテンの隙間から差し込んでいた。
目を覚ますと、俺の右腕の中には、薄手のもこもこしたルームウェア姿のまま、スースーと規則正しい寝息を立てる結衣がすっぽりと収まっていた。
昨夜の告白。そして、長かった「幼なじみ」という関係に終止符を打った夜の余韻が、二人を包む毛布の中にまだ色濃く残っている。
「んん……」
寝返りを打とうとしたのか、結衣が小さく身じろぎをした。
その瞬間、俺の胸板にピタリと密着したままの彼女の極上の果実が、無防備な動きに合わせてむにゅりと形を変え、生々しい質量と柔らかな弾力をダイレクトに伝えてきた。
もこもこの薄手生地は、昨夜からの寝返りで少しだけ乱れており、はだけた襟元からは、雪よりも白い素肌と深く落ち込む谷間がすぐ目の前に迫っている。
「……あ、湊。おはよ……」
ゆっくりと目を開けた結衣は、至近距離にある俺の顔を見ると、とろんとした寝起きの潤んだ瞳でふわりと微笑んだ。
「おはよう。……寒くなかったか?」
「うん。湊が、ずっとぎゅってしててくれたから」
言うなり、結衣は俺の首に腕を回し、さらに自分の身体を密着させてきた。
「うおっ……ちょ、結衣……」
ただでさえ逃げ場のない狭いベッドの中。彼女が甘えるように体重をかけてすり寄ってくるたびに、暴力的なまでの柔らかさが俺の胸でひしゃげ、朝の無防備な身体にダイレクトな熱を伝えてくる。
結衣の髪から漂う甘い匂いと、ルームウェア越しに混ざり合う素肌の体温。毛布の中の温度が、急激に上がっていくのがわかった。
「ねえ、湊」
結衣は俺の胸に顎を乗せ、上目遣いでじっと見つめてくる。その頬は、照れくささからかほんのりと桜色に染まっていた。
「昨日の夜のこと……夢じゃないよね?」
「当たり前だろ。お前はもう、ただの幼なじみじゃない」
俺が彼女の頭を撫でながら答えると、結衣はパァッと顔を輝かせた。
「えへへ……そっか。私、本当に湊の彼女になれたんだ」
その言葉の響きに自分自身で耐えきれなくなったのか、結衣は「うわあああ」と小さく声を漏らし、真っ赤になった顔を再び俺の胸にぐりぐりと押し付けた。
「……恥ずかしいから、もうちょっとだけ、こうしてて……」
俺の腕の中でモゾモゾと身をよじるたび、柔らかな重みが容赦なく摩擦を生み、俺の理性を限界まで削っていく。
外は凍えるような雪景色なのに、この小さな毛布の中だけは、熱を出した時よりもずっと甘くて熱い空気に満ちていた。
長かった焦らしとハプニングの連続。その終着点は、ずっと一番近くにいたはずの彼女の、優しくて暴力的なまでの体温の中だった。
俺たちは互いの熱と鼓動を確かめ合うように、雪上がりの眩しい朝の光の中で、もう一度深く抱きしめ合った。(完)




