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逆襲の果てに
虎太郎の死は日本中を震撼させた。
英雄の死ということもあり、事故現場には山中であるにもかかわらず、献花台を覆いつくし小山ができるほどに花が供えられた。
葬儀は国葬となり、総理大臣をはじめとする政治家の重鎮や、虎殲滅作戦で共闘した自衛隊員など、多くの人が参列し別れを惜しんだ。
遺骨は自宅の庭、優子の隣に納められた。
これは、妻である凛の意向によるものだ。
廃屋は当の昔に建て替えられた。
これから子どもが生まれるということもあったし、皇帝討伐による報奨金が国から授与されたこともあって、新しく家を建てた。
今はそこに凛が住んでいる。
あれから四十年。
人々はすっかり過去の日本を取り戻した。
虎に襲われる心配はなくなり、怯えて暮らすこともなくなった。
皆が安心して日々を過ごしている。
今日も国会では、より良い日本を作るため、答弁が繰り広げられている。
「総理、こちらについて、どうお考えでしょうか?」
「菊池虎次郎、内閣総理大臣」と、議長が総理大臣に返答を促す。
男は立ち上がり、颯爽と歩き出す。
その背後には、黒色と黄色の縞模様が入った尻尾が揺れている。
「私は、この素晴らしい日本を――」




