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1 荒川の土手
JR行田駅を越えて真っ直ぐ清水町を抜けて行くと、やがて荒川の土手にぶつかる。
1998年の秋。
僕らはあの土手で、夕陽を見ていた。
目に染みて涙が出そうなくらい紅い夕陽だった。
その夕陽に向かって僕らは誓い合った。
10年後も、20年後もこの場所でまた夕陽を見ようと。
誰一人欠けることなく・・・
今思えば、同じ夢を見ていたはずの僕らには、もっとほかに誓い合うことがあるはずだった。
それを阻んだのは何だろう。
口に出すと壊れてしまいそうな夢。
本当は同じ夢を見てないかもしれないという不安。
ブルース・スプリングスティーンは言っている。
「あの頃、最悪だったのは、自分がどんなふうになりたいか、誰にも言う事ができなかったことなんだ。」
土手の上を鴻巣方面へ少し歩くと、「荒川決壊の跡碑」がある。
荒川がカスリーン台風の時、この地点で決壊したなんて、今では信じられない。
そのくらい荒川の河川敷は広い。
土手から川面は全く見えなくて、本当に川があるのか疑わしいくらいだ。
僕らがきつく手をつないで作った輪も、決して壊れないと思っていたのに。
あの日から数年で、僕らはつないだ手をほどいて、輪の中の夢をこぼしてしまった。
そして、2014年。
僕らは大事な仲間を1人失った。




