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ヒトとエルフの異世界黙示録  作者: 遊戯九尾
プロローグ

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1/6

開店の時

異世界黙示録シリーズの続編、ヒトとエルフの異世界黙示録! 公開始めました!

 ピピピピ……ピピピピ……。


 朝のアラーム音が、異世界間通信機器『Eフォン』から流される。ベッドを深々と被っていた者は、そのアラームを止めると、ベッドから起き上がった。その者は、セミロングの黒髪で、体つきも顔立ちも綺麗に整った女性だった。

 ベッドから降りて着替えをすると、ややおとなしめの色をしたローブへと着替える。

 ベッドのかたわらには二股の尻尾を持つ黒猫が眠っており、女性の物音で目が覚めると背伸びをしてにゃーと鳴いた。


「おはよう、クロ」

『おはようにゃ、ご主人……』


 当たり前のように黒猫が喋り、地面に降り立つと、一瞬体を光らせたら黒髪の猫耳の美少女へと変わる。


「んーーー! 朝ごはんの支度かにゃ?」

「うん、本当は私が作ってもいいけど、クロのご飯美味しいし」

「ご主人の料理だけは勘弁にゃ……分かったにゃ、クロが作ってくるから、ご主人はお師匠を起こしてくるにゃ」

「はーい」


 何かの恐怖に震える黒猫が、料理を作りに行くと、そうして女性は部屋を移動し、隣の部屋へ、そこでは静かな声で、誰かが眠っていた。


「師匠、師匠、起きてください」


 その者を揺らして起こそうとするが、目覚めはするも一向に起きようとしない。


「うぅ……あと十分」

「師匠、また夜中魔導書読み漁ったの? 覚えたってちっとも役に立たないのに」

「バカ言え、魔法を学べばそれだけ作れる道具も……あーだめ、眠い、あと五分だけ……」

「だーめ、起きてください」


 布団を剥ぎ取ると、下着姿の純白の肌をした美少女が横たわっていた。髪は綺麗な金色で、瞳も綺麗な緑色、そして最大の特徴は、横に長く伸びた耳であった。

 その容姿を例えるならば、ファンタジーものでよく聞く"エルフ"と呼ばれる種族だろう。


「師匠! 寝る時は服くらい着てくださいよ! 風邪引くよ⁉︎」

「面倒だから着ない……それよりほら、寒いからそこにある私のローブをとってくれ」

「はぁ……だったら服を着て寝ればいいのに」


 ローブを取ると、女性は自身の師匠と称されるエルフの少女にローブを渡す。エルフはモゾモゾとしながらローブを着ると、ほうっと息を吐いて長い髪を整える。


「おはようございます、師匠」

「おはよう、夏美」


 師匠と呼ばれるエルフと夏美と呼ばれる女性、その二人が部屋を出てキッチンに来ると、先ほどの黒猫がご飯を作っていた。


「起きたかにゃ? お師匠」

「起きたよ、全く夏美の奴、私から布団を引っ剥がしてきた、本当ならあと三時間は寝るつもりだったのに」

「流石に怒りますよ、そんなことしたら」


 三人は食事をしながらEフォンを見る。するとそこには、『勇者、異世界で暴走』と書かれた記事がニュースに載っていた。

 そうしているうちに、朝の紅茶と、ハムエッグサンドが出される。一同はそれをもぐもぐと食べながら、今日の事について話す。


「今日の仕事はなんだったか」

「六番街へ薬の配達、あとは売れ残った在庫の処分」

「はぁ、魔法具屋と言うのに、なんで近くのドラッグストアにシェアで負けるのか」

「またいつものように、ポーション試飲キャンペーンでもしましょうよ」


 ハムエッグサンドを食べ、紅茶を飲み終えると、一同は下の階へと降りる、そこには、中古品のレジと、殺風景なカウンター、棚には大量の魔法道具や薬品などが並び、奥の扉には薬品や道具製作の工房があった。


「さっ、本日も頑張って仕事しよう!」

「客が来るといいな」


 店先に出ると、クローズドの看板を裏返してオープンに変え、彼女たちのお店、『ミスリル魔法具店』と看板に書かれたお店は開店したのだった。

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