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15/15

15話

私はこの10年間、大人しく従順に過ごしてきたつもりだ。だけど未だに父親とは壁がある。10年もあったのに…。

妹は一時はお菓子の食べ過ぎで体型が気になるところだったが物語通りのほっそりとした体型になった。まあ思春期辺りでかなり気にしたのかダイエットをしていたから…。ふわっとした巻き髪を後ろにまとめた17歳ながらの大人っぽさと子供っぽさが相まった姿となった。


父親以外の態度は、

リリアはさすが主人公の人格の持ち主といったところ。ヒロインらしくみんなに優しく穏やかな性格だ。それは私にも平等である。

使用人らは深く私に干渉してこないが今まで穏やかに過ごしてきたお陰か皆普通に礼儀正しい。


そして物語のターニングポイント、エレノアの婚約者で後のリリアの恋人、アルベルト。

10歳の頃の初対面から数回程度顔合わせをしている。アルベルトがリリアの存在に気がついたのは私が18歳の頃の顔合わせだ。顔合わせと言っても進行を深めようとする食事会のようなものだが…。


それまでの顔合わせではヴァレンティア家がジョーンズ家へと出向いていた。まぁ嫁ぐのは私なので当然なのだが。そしたら急に気まぐれかジョーンズ公爵が


「たまにはヴァレンティア家の方にも行ってみるとしますよ」


と言い出した。そうして訪れたアルベルトは当時15歳のリリアに気づきロックオン。その日はリリアに視線が釘付けだったことを覚えている。


物語の中でリリアは段々とアルベルトに惹かれていく。告白シーンでは


『私はあなたに恋をしてしまいました、それは当然許されることではないと思っています、でもこの気持ちが溢れてしまって止まらないのです…アルベルト様』

『…!私もあなたが好きなんです、愛していますリリア、それに私はずっと昔からあなたに恋をしてしまいました』


とかそんな感じだった気がする、まぁWeb小説なんだしこんな感じでしょ。で、その昔からって言うのは2年前の話だったのね。


で今はまだリリアはアルベルトを知ってはいるが恋に落ちてはいない。アルベルトはリリアにゾッコン。で私は邪魔者。原作のエレノアは確かアルベルトに惚れてたのよね。だからリリアを虐めたのか。見事な三角関係ってやつ?ま、さらにエレノアは嫌われたんだけどね。


まぁ今もシンプルに嫌われている。初対面の時から全くをもって良い印象は持たれていないがリリアに恋に落ちたことでそれが加速している。てか今まで一度もまともに会話をしていないと思う。挨拶したって無視されるんだから。





「失礼致しますお姉様!」


リリアが私の部屋に入ってきた。いよいよここからは原作へと入っていく。


「あらおはようリリア、どうしたの?」

「おはようございます、お姉様お誕生日おめでとう!」

「ええありがとう」

「明日はいよいよジョーンズ家へと移り住む日ですわね!」


そう、この国は現実と違って20歳で結婚ができる。アルベルトの方は先に誕生日を迎えていて私が20歳になるのを待っている状態だった。なので今日正式に結婚した事になる。アルベルトの方は私が20歳になるのを超のぞんでないとおもうけどね。きっと今頃頭を抱えているわ。


「アルベルト様、とても優しくて素敵な御方でしたわ!あの人がお義兄様になって下さるなんて本当に嬉しいわ」


いいえ、兄ではなくて後の夫です、そう言いたいが我慢した。にしても自分と結婚する人には一言も喋らないくせにその妹とは喋ってるの?しかも優しいとか…。もうアピールし始めてる。


「ごめんなさいお邪魔して、荷造り大変だったらすぐ呼んでね」

「ええありがとう」


リリアはそう言い部屋を出ていった。にしてもいざ物語が始まると緊張する。私はエレノアじゃないので恋でリリアを貶めようなんて思っていない。ひたすら平和に過ごすそれのみだ。丁寧に過ごすつもりだけど父親のように上手くいかないかもしれないし、受け入れてくれるかもしれない。望みは薄いが…。


私の運命が掛かる、ここからが正念場だ。

皆様地震はお気をつけ下さい。

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