1話
「銀雪の国のリリア」
国一番の人気者のリリア・ヴァレンティアは姉の婚約者のアルベルトに恋をしてしまう…!
姉と政略結婚のアルベルトも段々とリリアに惹かれていく…。
しかし姉はそんなリリアの気持ちに勘づいたのか毎日物を壊されたり隠されたりと嫌がらせを受けていた。
そんなある日リリアの家の機密情報が漏洩…!
アルベルトとリリアは共に協力しながら調査をし、姉が犯人という証拠を掴んだ!
そして姉を国外追放してリリアとアルベルトは永遠に愛し合いながら幸せに暮らしました…。
目の前に映る子供は誰だろう。
サラッとした銀色のロングヘアーに子供とは思えない大人びた美しい顔立ち。
現実じゃ見慣れない服装、周りの景色。外は雪が降ってる、寒そうだな。
あ、でも知ってる人だな。
でもそれが自分だなんて夢にも思わなかった。
「お嬢様起きましたか?」
「えぇ、起きましたわ」
私は17歳のただの女子高生だ。純日本人だし髪の色は黒色。それに身長もそこまで高くは無いけど平均ぐらいある。だから普通なら目の前に移る子供は全くの他人だと思いたいだろう。
でも私はこの現実を受け入れるのにそう時間は掛からなかった。少なくともただの日本人の女子高生として目覚めることはもうないと分かっていたから。
「お父様、おはようございます」
「…」
「パパー!おはよう!」
「おお、今日も元気だな、よく眠れたか?」
「うんっ!」
父親に無視され、私の目の前で明らさまに妹を溺愛する景色も目に映すのは初めてでも、状況として知っている。
なぜならここは物語だからだ。
私は異世界転生者。前世は朝倉燈という名前のただの女子高生だ。前世の現実から逃げたくて自殺したら不運にも生前読んでいた小説に転生した。
飲み込みは早い方なので転生したという事はすぐに受け入れた。しかし逃げたくて死んだのにまた、しかも前世の記憶がある状態で生きなければいけないなんて。
私からすればそっちの事実の方に堪えた。
後は何のキャラクターに転生したのか。
そうだな…、このキャラクターは知っているけどこの姿は見た事ないっていうのかな…。
パパっと言えば物語が始まる10年前に転生した。
私が転生したのはこの物語の悪役令嬢「エレノア・ヴァレンティア」
の、10年前なのでエレノアの10歳の姿だ。
父親で公爵のアルメッドと異母妹のリリアの3人家族のようだ。前世で物語を読んでいたが、エレノアが10歳の時はもう母親がいないのか…。
私と変なところ被ってるな、言えば適役なのかも?
私はエレノアのそういうところも嫌いじゃないんだよね。私と色々似てるし。
さて、これからどうしよう、色々やる事があるんだよね、何せよ悪役令嬢だし。
ていうかさっき前世の記憶があるから嫌だって思ったけど、無きゃ困るしそこは良かったのかな。小説をよく読んでないと分からないもんね。もし知らなかったら私、
国外追放されるもの。




