66話:新しい領主
「ねえ、本当にここに残るの?」
「ああ。ここが一番快適だからな。王都に興味ないし。」
◇◇◇
尋問も終わってからしばらく経った。
うちの街を攻撃してきた部隊が壊滅したという情報は瞬く間に国中に広がった。
というか商人達に広めてもらった。
それを受けて、王都に残っていたクーデター派は、うちの街への攻撃に加わらなかった軍の中の国王派に捕らえられた。
その後、国王派に匿われていた王族が暫定的に国のトップに立ち、国内各地に逃げ隠れていた国王や他の王族も王都に戻った。
そして落ち着いたタイミングで国王派の軍がうちの街にやってきた。
捕らえた軍のメンバーのうち、クーデターの中心だった者は処刑、それ以外の従っていた者達は重労働から厳重注意までの色々な刑に処されるそうだ。
まぁ話を聞いてみて、下っ端は仕方なく従ってた感じだしな。
国王派の軍のトップはルビア、アイビー、コリウスとも顔見知りであり、ルビアを逃がしてくれた人であったらしい。
それであれば軍と一緒に王都に戻った方がいいんじゃないか、ということで現在に至る。
◇◇◇
「ユーマには色々と感謝しかないのよ。ちゃんと王都でもてなしたいし、褒賞ももらって欲しいのよ。」
「そういうのは興味ないし、それを言うなら俺もルビアにはお世話になったからな。
おあいこだよ。そんなことは気にせずに王都に戻れ。」
ムスッとした顔をしたルビアを乗せた馬車は、ゆっくりと北門から離れていく。
「寂しくなりますねー。本当に行かなくて良かったんですか?」
「王都なんて行ってみろ。忙しくて仕方ないだろ。
それよりも俺はここでのんびりしたいの。
メイプル、何か甘いお菓子が食べたいから用意してくれ。」
「お店のメニューから選んで下さい。ちゃんとお金はもらいますよー。」
ルビア達が考えていた普通の街としての体制に今日から移行していた。
国から暫定の領主も派遣されて、今日からはちゃんとお金を払っていかないといけない。
あれ?俺、お金持ってないな。
街を作ったのは俺だし、防衛も俺がやっているから、領主からお金もらえるよね?
あまりそこら辺をちゃんとルビアに確認してなかった。
まぁどうにかなるか。
◇◇◇
領主に確認すると、お金はちゃんともらえるようになっていた。
城壁による防衛担当としての収入、宿屋や商店、遊園地などの街の施設のオーナーとしての運営収入が入ってきた。
それもあって、今日ものんびりダラダラしながら過ごしている。
いやー、大地主ですわ。
俺は何もしなくてもお金が入ってくるなんて。
エモさん、いつもありがとね!これからもよろしくね!
「相変わらずですね。
まぁユーマがダラダラしても問題なく街は回っているようですし、あなたはそれでいいですよ。」
いつの間にか昼寝をしていたので、起きてダイニングに行くと見慣れた顔があった。
「えっ?なんでルビアがいるの?アイビーとコリウスまで。」
「戻ってきたんですよ。
いつまで待ってもユーマが王都に来ないから呼びに来ました。
というのは嘘で。
今日から私がこの街の領主になりました。
暫定の領主って言いましたよね?
ということで、今日からまたこの家でお世話になりますね。」
そう言ったルビアの笑顔は、とても晴れやかでキラキラしたものだった。
--- 完 ---
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
投稿を始めた時は書ききれるか不安でしたが、無事に最後まで書けて良かったです。
この続きを書くことは多分無いですが、作品の感想やこういう所が良かった、こういう所はもっとこうして欲しかった、という意見があれば、是非コメント下さい。
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