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82.アイテムボックス3

またたくさんの誤字報告有り難うございます。

 翌日、療養明けで元気モリモリの私は朝食作りに励んでいます。昨日は久々のお風呂&ふかふか枕(師匠の胸部装甲)で休みましたよ。


 朝食はいつも通り、ベコン卵に肉肉野菜野菜ゴロゴロスープに骨付き肉の焙りと白パンチズーです。師匠には2人前、カンナさんには3人前、ネイちゃんと私は普通の大人と同じ量です。


 私達は育ち盛りだから仕方ないとして、大食漢ですよね。まあ、たくさん食べてくれた方が作る方はうれしいからいいんですが体重大丈夫かな。お年頃のはずなのですが。


 さて、がつがつと食事中ですが、今日のスケジュール確認をしておきましょう。


「早速カンナさんの人体実験ですか? はぐはぐ」


 がぶりブチンと骨付き肉を食いちぎって咀嚼、ゴックン。


「もうやんのかよ。微妙にうれしくないんだけど」


「当然だな。レアスキルだぞ? 攫ってでも欲しい奴等がごまんといると言うのに失礼だな」


「実験は工房ですよね? カンナさんは拘束しますよね?」


「うそだろ? なんで拘束されんだよ!」


「お前が暴れたらどうにもならんだろう? 必要な部位以外は当然拘束する」


 うん、こっちの会話は完全無視でハグハグしているネイちゃん。出会った頃の様で凄い食欲です。昨日までの食事がどんなだったか想像できて目から汗が出そうだよ。


 一応今日は実験するので腹八分目でおかわりなしです。何時もはちゃんとおかわりありですよ?



     ◇     ◇     ◇



 処変わって工房です。ここなら魔法防御も完備、爆発耐性設備ですから安心です。椅子を工房に固定して補強に鋼材を入れます。


 その椅子に片手以外をしっかり拘束したカンナさんが座っています。今その床に魔方陣を構築しているところです。


「タエ。そこは防御術式を書き込みなさい。ネイ。そっちはそのまま繋いでいいぞ」


 3人がかりで大規模実験用の魔法陣を書き込んでいるところです。


「なんかすげぇー不安になって来たよ」


 カンナさんの気持ちもよく分かります。ここまでされると流石に不安になりますよね?


「よし。完成だ。手順を説明するぞ。いいか? カンナ」


「やっぱやめねぇか? あたし死んじゃったりしない?」


「心配ない。ポーション(高品質)、魔力ポーション(高品質)も十分な数を用意した。自分で飲むもよし、フォローにタエとネイもいる」


「なんか、トホホな感じだよ。もうしょうがねぇな。いいよレアスキル手に入れるためだ」


「ふふ。まずは私が時空間魔法の次元斬で空間を切り裂く。そこに魔力を流し込むんだ。そこからはお前次第だ。あちら側に自分の空間を構築してくれ」


「そんなのどうやんだよ……」


「大丈夫ですよ。カンナさん。私も出来ました。気合です」


「……」


 カンナさんが黙り込んじゃいましたがきっと集中しているのでしょう。さあ、レアスキル取得です。


「ではこれよりカンナのスキル習得実験を開始する。全員所定の位置に付け」


 師匠はカンナさんの少し前、空間固定された位置に次元斬を撃ち込む準備です。ネイちゃんはカンナさんの横で万が一の場合ポーションを飲ませるために待機。私はカンナさんの後です。万が一の場合カンナさんを緊急退避させるためです。


 当然カンナさんは魔法陣の中心に居ます。


「行くぞ、カンナ」


「おう」


 いよいよ実験開始です。師匠が何やらぶつぶつ呪文を唱え、次元斬を発動しました。カンナさんが間髪入れずに魔力の腕を伸ばし次元の切れ目に魔力を潜り込ませました。


「いいぞ。カンナ。どんな感触だ? 魔力は吸われるか?」


「何も手ごたえがねぇ。魔力も入れなきゃ吸われる事はないな」


 おっと。次元の裂け目が閉じちゃいます。すかさず2発目の次元斬が空間を広げます。ネイちゃんが持っていたポーションを魔力ポーションに持ち替えます。


「カンナさん。カンナさん。無事ですか? 術式起動してもいいですか?」


「くっ。タエ、落ち着け。絶対爆発術式は起動すんな!」


 そうです。私は緊急避難のための爆発術式を起動させるために居るのです。ワクワク。カンナさんが次元の裂け目に吸い込まれるのを絶対阻止してみせます。ワクワク。


 大丈夫。カンナさんなら爆発術式に巻き込まれても死んだりしません。安心して下さい。必ず起動してみせます。


「くっ。タエの目がマジだ。やべぇ。サリー! タエを落ち着かせろよ」


「心配ない。タエはやる気だ。そう諭しておいた。お前を助けるためだ。凄く綺麗に飛ぶと……」


「嫌な、子弟だな! ちくしょう。本当の人体実験かよ……。ネイ。魔力ポーションだ。一気に行く」


 ネイちゃんに魔力ポーションを飲ませて貰ったカンナさんが気合十分です。一気に魔力の奔流が流し込まれます。


 結局なにごともなくカンナさんが異次元に魔力を吸わせただけでした。爆発術式折角用意したのに……見たかったな~。


「カンナさんにはガッカリです。お約束が台無しです」


「お前はそんなにあたしが飛ぶのが見たかったのか?」


「一応安全性が確認できたので成功だろう」


「……次は誰?」


「……」


「え~と、スキルは1回やそこらじゃ習得出来ない事が多いからこのまま練習?」


「いや、ちげぇ~だろ。あたしは空間構築の勉強をしてからだ。安全性が確認出来たんだから、サリーでいいだろ?」


 当然そうなりますよね。まだ爆発術式は健在です。

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