表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/111

75.付与魔術4

誤字報告有り難うございます。

 翌朝早い時間に起きました。師匠が見張りで起きていたので、お茶を淹れてあげました。ふん。気合十分、食事の準備をしましょう。


 持ってきた白パンとクロワッサンにベコンとソーセッジ、付き合わせにキャベチのザワザワクラウトにポテチサラダ、コンスープで軽く食べました。


 全部市販品、ザワザワクラウトは本当にキャベチの酢漬けだった。ちょー酸っぱい。背中がぞわわぁ~としたよ。ザワザワとは良く言ったものだね。


 全部手持ちの調味料で味付けし直したよ。カンナさんなんかザワザワクラウト見た時凄く嫌そうにしてたけど一度洗って酢を落としてハーブ塩で味付けし直してるよ?


 嫌々チョロッと口に入れて味付けが違うのが分かるとバクバク食べてたけどね。味見をした身としてはその気持ち分かるよ。


 仮設テントを仕舞って北に向かって出発。この辺まで来るとザッパザッパと斬り捨てられない敵が多くなってくる。


 色々工夫やら支援やらをしながら斃してるんだよ。一応弓も撃ってる。刺さる、刺さるんだけど致命傷には程遠い感じ。


 やっとの思いで着いた風穴の森の手前。さて今度はどんなものを取るのか楽しみです。


「鉄砲豆のサヤと言うんですから今度は採取ですよね?」


「ああ、採取なんだが、危険な事は危険なんだぞ。十分注意すること」


「「は~い」」


 風穴の森に近づく前に師匠がシールドの魔法を全員に掛けた。ん? なんかシールドの魔法大きくなってないかな?


 前世でビニールのボールの中に入って海とか丘で転がる奴、あれに似てる。オニヤンマの時はもう少し体にフィットしていたような……。


 それは突然に来ました。ズガガガガガと言う激しい音とともに何かがシールドに直撃して来ます。風船に小さな弾が当たった様にシールドがミニョーンと内側に伸びてやっと貫通したと言う感じでポトッとシールド内に落ちます。


 いきなりの事で私とネイちゃんはパニックです。右往左往してしまいました。あっちに行ってズガガガガ、こっちに行ってズガガガガと撃たれまくっています。


 それがまたパニックを増長します。動けば動くほど狙い撃ちにされます。足元には敵の弾が次第に溜ってきてもう膝くらいまで来てしまいました。


「し、師匠~。ね、狙われてます。う、撃たれてます。助けて~」


 敵の狙いは正確です。スナイパーかって言うほどです。全然避けられません。だけどこれだけ打たれても怪我もしていないと次第に落ち着いてきます。


 後の方で師匠とカンナさんが大爆笑しています。師匠達も多少は撃たれていますが、ほんの少しです。


 完全に落ち着いてしまいました。ジトーっと師匠とカンナさんを見詰めてみます。もちろんネイちゃんも……まだワタワタしてました。


「ああ、すまん。すまん。笑かして貰った。くふ、くふふ。なに気にするな。最初はみんなやられるんだ。洗礼みたいなものだ」


「ぐふ。そ、そんだぞ~。ブ、ブフ。ここまで暴れたのは久しぶりに見たけどな」


 くぅ~。どうやらこれは新米冒険者の洗礼の様です。先輩冒険者はこうして楽しむのでしょう。


「まあ、どっちにしろこの豆攻撃をどうにかしないとサヤは手に入いらないからな。この柔らかシールドも私オリジナルなんだぞ。他に公開していないからな」


「あと、足元に溜ってる豆な~、依頼品だから回収しないといけないんだ。と言う事でもう一踊りしてくれ。ぐふ」


 なるほどです。豆はサヤに入っている分だけしか飛ばせない。全部受け止めてしまえばいいのか。豆も収穫できるもんね。賢い! そんな訳あるか~。事前に説明すればいいじゃないか。


 でも受け止めるしかないんだからやるけどさ。あっちにフラフラ、こっちにフラフラ。


「あいたっ。な、なんか痛いの飛んできますよ」


「ん? 私の柔らかシールドを突破するだと! ……レッドビーンズじゃないか。カンナ~、こっちだ。ネイもこっちだ。レッドビーンズを優先しろ」


「ありゃ、完熟豆のレッドが有ったんだ。いいぞ、いいぞ。これ美味いんだ」


 レッドビーンズは完熟した豆の様です。ちょっと痛いけど回収することにやぶさかではありません。でも普通の冒険者はどうやって回収するのでしょう。


「普通の冒険者か? スライム片手に受け止めるのさ。鉄砲豆を食らっても死ぬようなことは早々ないんだ」


 どうやらこの鉄砲豆は蔓科の植物性の魔物で動物に豆を撃ち込んで生殖範囲を広げるそうです。獲物が死んで苗床になってもいいし、落ちて根付いてもいいらしいです。


「新人は全身スライムだらけで突入させられるらしいぞ。くふふ」


「それに較べりゃ、おチビ達はマシだろう? ぶふふ」


 ……くっそ~。いつか弟子を取れる身になったらやってやる。いた、いたたた。レッドビーンズちょっと痛いよ。


 そろそろ気になって来たんだけど、豆が胸の辺りまできてます。豆で溺れそうですよ?


「よし。そろそろ、1回引くぞ。豆の回収だ」


 少し後ろに下がって鉄砲豆が飛んで来ない辺りで柔らかシールドを解除。豆の回収です。もちろん下には敷物を敷いてあります。


「レッドと普通の仕分もちゃんとしろよ。値段が違うからな」


 レッドビーンズは数が少ないのでそちらを寄り分けながら雑納袋に入れていきます。グリーンビーンズ大袋3と小袋のレッドになりました。


「まだ、大分足らないな。もっと奥まで行かないといけないかもしれん」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ