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73.付与魔術2

誤字報告有り難うございます。

 杖との攻防でグッタリしている私をよそに次はネイちゃんの番です。月光銀の杖を軽やかに振り回し、周囲に銀粉のようなきらめきを振り撒いて踊る様に術を完成させていきます。


 ずるいぞ。魔法優遇種族と思わなくも無い光景です。ちょと写真に撮っておきたいな。これは結構いい効果の物が出来そうと思わせてくれます。


 2人とも練成が終わってみれば、かなり良く出来ています。ネイちゃんは効果10%アップを叩き出しました。副次効果まではないものの十分でしょう。


 私? うん、10%出たよ? 副次効果? うん、あるよ。そっちまで気が回らなかったよ。杖にしてやられたよ。効果? なんだと思う? ……魅力的な靴+1。まあ、見た目は大事だよ。


 道理で魔力を持っていくと思ったよ。副次効果を付けようとしてたんだね。触媒なしで付けようとするんだから魔力を食う訳だね。


 はぁ~、もう少し言う事聞いてくれればいい杖なんだけど、いや、最高のパフォーマンスを出すようにすればいいんだけど、出過ぎなんだよ。過ぎたるは及ばざるがごとしだよ。


 自由にさせるどころかもっと出そうとしたらどうなるんだろう。程々に治まって良かった。抵抗した甲斐が有ったと言うもんだよ。


 この後1日に1つずつ付与魔術を付けていきました。小手は元々の効果を高める様に耐寒と耐熱10%アップ、鎧は耐衝撃、脛当ては硬化、額当てには自動盾をつけました。


 ふふ。額当てに付けた自動盾は、一回こっきりの使い捨てなんだけど命の危機に発動して無効化してくれるんだ。これだけはお高い触媒を使って作ったんだよ。師匠も大盤振る舞いだよ。


 ネイちゃんは額に汗して頑張ってた。もちろん私だって額に汗して抵抗したよ。自由にしてなるものかという意気込みでね。


 師匠には褒められたからいいんだけど、努力の方向性を間違えてる気がするよ。さて、やっと終わった。うん。いい装備になったと喜ぼう。


 と言う事で休憩だ~。ここの所、休憩時間を削って付与魔術ばっかりだったからもう限界。


「こら、どこへ行こうと言うんだい」


「「……」」


 あれ? 師匠が呼び止めるって言う事は……。


「え~、もう終わったんだから休憩にしましょうよ。ね、ネイちゃん」


 コクコクと頷くネイちゃん。どうやら私と同意見らしい。そうだろう、そうだろう。


「まだ終わってないだろう?」


 そう言って指さす先にあるのは、弓でした。おぉ、装備にばかり気がいっていたよ。武器か~。武器は盲点だった。とすると小太刀もですか~。


「武器の付与は面白いぞ。色々な事が出来るからな。その性能を高めてもいいし、魔法を撃てるようにしてもいい。でも今回は私が決めるぞ」


 おっと、もうなにを付与するか決めてあるんだ。なんだろう?


「弓には照準、小太刀には飛斬だ。どちらも弓術、刀術と気闘法を鍛えていけば、いずれ覚えるスキルだが先に使えてもいいだろう?」


 おお~、なんかカッコいい。使えてもいいと思います。


「いいです、いいです。じゃあ、早速」


「まあ、待て。流石に触媒の素材が無い。照準には鉄砲豆のサヤ、飛斬にはオニヤンマの翅がいる。もう分かっていると思うが獲りに行くぞ」


 なるほど。そう言う事ですか。師匠には必要のない素材ですもんね。ある方がおかしいのです。


 今日は準備に費やすそうです。おや? カンナさんも師匠も気合が入っていますね。冒険者ギルドでもちょっと雰囲気が違います。


「ウェンディー、北西にある池と北の奥にある風穴の森に行く。依頼はその間で熟せるものを頼む。予定は2泊3日だ」


「ちょ、ちょっと~。大丈夫なの? お弟子ちゃん達も連れて行くんでしょ。Fなのよ! お弟子ちゃん達」


「……まあ、なんとかなるだろう。もうDランクくらいの力は……ないかもしれないが、もう少しだ」


 えっ! なんか不穏な会話なんですけど。初心者講習終わったからEランクくらいにはなれるかなと思ってたけど。Dはまだなんじゃないかな?


「師匠、なんか不穏な会話でしたが、Dは流石に……」


「装備的にはDでもおかしくないんだぞ?」


 いや、装備は付けるだけだし、中身が大事じゃないかな~と思いますよ。中身はFのままなんだけど。


「基本は私とカンナでやる。身を守っていればいい。それくらいなら1、2ランク下でも何とかなるはずだ。……たぶん」


 おーい! たぶんって、たぶんで死んじゃったらどうするんですか! これはかなりヤバい所に連れていかれるんだな。そうだよね、素材が素材だし、喜んじゃったけど、かなりいいスキル付けようとしてるもんね。


 今回は準備もちゃんとしてた。野営の準備はもちろん、食糧・補助アイテム・回復アイテムも持って行く。私の作った特級ポーション、師匠の作った特級軟膏、そのほか毒消しポーションなどなど。


 マジックバッグに詰め込んでいった。もちろんギルドで借りたやつです。流石に師匠でも個人でマジックバッグは持ってない。


 今回はヤバそう。なので武器屋のおっちゃんに弓を元に戻してもらった。そう、強過ぎて引けなかった時の仕様だよ。これが本来のこの弓の力だからね。


 普通にまだ引けないんだけど、魔法で身体強化すれば何とか引ける。……と思う。もう雑魚狩りとか普通には使えないけど、いざという時のためだよ。


 武器屋のおっちゃんは心配そうだったけどね。だって普通に引けない弓なんだから。

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