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70.発光石の採掘

 みんなでツルハシを振るっています。何気に重労働です。なぜ美少女がツルハシをと思わないでもないですがお仕事です。


「うん。タエはいいのを掘り出すな」


 ええ、見えてますからタグが。あっちでトンテンカン。こっちでトンテンカンとツルハシを振るう度に程良い発光石がポロリと採れます。


 ネイちゃんも鉱脈を読んでガンガンやってますがもうちょい右だよ。と言いたいですが、内緒なので我慢です。時々師匠が指示を出してます。


 カンナさんはパワフルです。もう重機と言って差し支えないと思います。一撃が発破をかけてる様な勢いです。本当に爆発してないでしょうね?


 カンナさんだけは洞窟を奥へ奥へと堀り進めています。色々な鉱石がポロポロ出ますが気にせず掘ってます。拾うのはあとでみんなで拾います。


 唯一師匠だけがなにもせず、出口方向を睨んでいます。うん、見張りです。いきなり襲われるのは勘弁なのでどうしても必要なんです。


「あ~、限界です。師匠疲れました。ツルハシ重いです」


「まだ20個程しか採掘出来ていないぞ。まあ、少し休憩するか」


 3人で休憩に入ったところで師匠がツルハシを持って奥に行きます。カンナさんが崩したところからいいものを拾っています。鑑定が有るので的確に拾ってますよ。


「お茶、入りましたー。師匠~」


「おう~、今、行く」


 粗方拾い終わってから戻ってきました。ああ、良かった。あとで拾うのは面倒でした。疲れてるから特にそう思います。


「カンナ、ちと依頼分の鉱石が足らない。もう少し左の方を掘ってくれ」


「あいよ。はぁ~。なんであたしが今更鉱石掘りなんか……」


「何か言ったか? ん? 居候君」


「……何でもありません」


 ふふ。実はカンナさん宿屋も引き払って本格的に居候をし出しました。まあ、師匠が居候するなら宿代が無駄だって言ったからなんだけどね。


 今までは居候する気なんか全然なかったのにご飯が美味しいからってそのままになっちゃったんだよ。でもちゃんとお金とかも出してるし居候って程でも無いと思う。


「よし。もうひと頑張りだ。タエ、ネイ今度はお前達が見張りをしなさい」


 ! あれ? 私達じゃあ、なんか来ても防げませんよ。いいのでしょうか。


「何か来たら、直ぐに知らせなさい。それから戦わずに逃げて来る事。いいね」


「「はい」」


 ちょっと緊張する。お! 銀の助言ちゃんが何やら教えてくれてる。警戒の仕方かな? 感覚を研ぎ澄ませて気配を読むんだ。……そんなこと出来ないって。


 まるで分からないよ。やるって、やるから怒らないで。


「ネイちゃん、警戒のスキルあると良いよね? 気配を読むってどうしたら出来るんだろうね?」


「……精霊さんに教えて貰う?」


「それじゃあ、精霊さん任せだよ。自分で見つけないと」


 ネイちゃんと試行錯誤をしながら警戒しています。スキルはなかなか生えないけど、モンスターも現れませんでした。


 必要量より多めに採掘して終了です。もう大分遅くなったので、やっぱり野営する事になりそうです。光虫もまだ捕獲してませんから。


 仕掛けた罠を回収に向かいます。……ミミズは? 誰も言い出さないので気になっています。私も出来れば行きたくないので沈黙を守っています。


「カンナ……。ミミズはどこだ?」


「……やっぱり獲るのかよ。そこを右に行ったところだよ」


 ああ、やっぱり行くんだ。意外と律儀なんだよね師匠は。一度請けたからにはやり切るつもりらしいです。


 うぉ。これは気持ち悪いです直径2センメル、長さ30センメル。結構大きいです。口もあります。細かなヤスリの様な歯が生えてます。


 集団でウネウネしているところがまた気持ち悪いです。まさか手で獲るんですか? 冗談ですよね?


「私が凍らせるから雑納袋に回収してくれ」


「ちょ、ちょっと待って下さい。師匠、ど、どうやって回収するんですか?」


「……回収方法は各人に任せる。袋が一杯になるまで続けるのでダラダラしているといつまでも終わらないぞ」


 そんなー。うっ。全員で1袋じゃない! 各人で1袋! 厳しい、厳しいよ。たくさん居るからがっとやればすぐ終わるんだけど……。


 ……師匠汚い! 魔法で回収は汚すぎる。自分だけ。ああ、カンナさん、大剣で掬うのもありですか!


 ネイちゃんも固まっていますよ。これは嫌だよね。私達だけ手だよ。考えろ、考えるんだ私。……わーん。思い付かないよ。


 やりましたよ。ええ、やりましたとも。左手でガッと行ってムニョッてな感触を確認しましたよ。凍らせてあるので左手で回収しました。


 まあ、慣れですよこんなもの。子供はこんなの直ぐ慣れます。師匠の顔の前に持ち上げてやりましたよ。ひぃ~って言って逃げましたね。


 ネイちゃんも固まっていたのは最初だけでした。うん、泥遊びしてるのとそんなに変わらないよ。光虫も回収しましたが規定数に届かないのでもう一度仕掛けて夜中に再度回収です。


 一旦洞窟を出て、野営の準備をします。洞窟の前で野営です。焚火に竈、寝床を作って行きます。寝る時はマントを毛布代わりにして寝るのですが、私達はまだマントを持っていないのでカンナさんと師匠の懐に潜り込みます。


 夜の見張りは交互にやります。師匠とネイちゃん、私とカンナさんのペアです。私達はオマケです。きっと寝てても怒られません。

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