71.魔道具製作
野営の準備をした後、食事にします。今日はもうクタクタです。魔法もいっぱい使ったし、肉体労働までしました。
「先に休む。光虫を取りに行ったら交代にしよう」
そう言って焚火のそばで、ネイちゃんを抱っこしたままマントに包まってゴロンと寝てしまいました。ネイちゃんも疲れていたらしく直ぐに寝てしまいましたよ。
私だってかなり眠いです。でも頑張る。見張りですからね。カンナさんの横に座って焚火に当たりながら過ごします。結構暇です。お茶を淹れて、ジャーキーを取り出します。
「カンナさん食べますか? 試作品ですけど、ガリック醤油味です。乾燥そこそこで柔らかめに仕上げてみました。その分日持ちもしないですけど」
「うん。頂こう。ジャーキーは火で焙ると旨いんだよな。ひひひ」
軽く火で焙って齧ってみます。うん、思ったよりよい出来です。お茶お飲みながらジャーキーをしゃぶります。
「お! いけるね。美味しいよ。これ……干し肉の代わりには売れないけど、普通におつまみとして売れるんじゃないか? エール飲みたいな」
「塩胡椒バージョンも美味しいですよ。どうぞ」
「ああ、ピリッとして旨いな。どうしよう。本格的にエール飲みたくなってきた」
「あはは。お茶で我慢して下さい。戻ったら飲めばいいですよ。師匠の氷魔法で冷やして貰えば、一層美味しいですよ」
「ああ、堪らんな~。いつの間にジャーキーなんて作ってたんだ?」
「お肉パーティーの後ですよ。お肉が余ったので作ってみました」
2人でジャーキーを食べながら喋っていると後から気配がします。うぉ。とうとう警戒のスキル取得かと思いましたが、師匠とネイちゃんが起き出していました。
あれ? 焙ったのがまずかったかな。匂いだよね?
「くれ」
うん、問題ないよ? 寝なくて大丈夫かなと思いましたけど、1徹くらいどうってことないでしょう。ネイちゃんは心配ですけど。
もちろんお茶も淹れてあげました。ははは。やっぱりエール飲みたいって師匠も言い出しました。
結局みんなで起きていました。そのまま光虫の回収に向かう事になって、洞窟探検です。夜は結構怖いですね。一層暗く感じます。でも光虫が居る所は天井から月光が差し込んでいて、そこを光虫がフワフワ飛んでいました。
「わ~。きれいですね~。これを見られるのは役得かもしれません」
うん、でもこの後光虫からひかる部位を抉り取るんだよね。生きるって残酷だな。夜になって光虫も十分回収出来ましたので、クエスト完了です。
洞窟の前に戻って帰りまで休みます。もう無理です。ネイちゃんも無理でしょう。カンナさん、師匠。すいません。ぐー。
翌日は遅めの起床です。体が痛い。地面で寝るのは流石にキツイですね。予想通りでした。何か対策を取るか体を慣らさないと冒険者としてやっていけません。
帰路も採取&狩猟は続行です。まだマジックバッグに余裕がありますからね。お肉を中心に色々集めます。
「やっと着いた。早く冒険者ギルドに納品しちゃいましょう」
いつものように裏で解体と清算を済ませて、受付で完了報告です。
「今日は怪我をさせずに戻って来たわね。感心感心」
「あのな~、私達だって怪我をさせたくてさせてるわけじゃないんだぞ。ウェンディー」
いつも通りです。光虫と発光石は売らずに持ち帰って処理をしないといけません。急ぎましょう。素材が劣化します。
家に着いたら直ぐに処理開始です。光虫は特殊な薬液に浸けて日光に晒します。発光石はうらに魔法陣を刻み込んで月光に晒します。
翌日光虫から発光器官を取り出して、柔らかいうちにハンコで刻印し乾燥しておきます。発光石は形を整える必要があるので面倒です。
ノミとハンマーでカンカンして余分な石を取り除いて形を整えます。師匠はその間台座部分の製作です。電池代わりの小さい人工魔石も組み込みます。これは交換式ですね。
無くなったら魔力を充填したものと交換できるようになっています。ね、人工魔石を発光させるより良いでしょ? 再利用出来るんですもん。
だいたい人工魔石は電池代わりに使われます。ちゃんと充填屋さんが有ります。人工魔石を発光させると電池と発光体の2役をさせる事になるので劣化が激しく直ぐにダメになっちゃうんですよ。
私達の方は、作業終了です。師匠が台座を作れば嵌めこんで完成です。台座は面倒臭いんですけどね。もちろんゆっくりですけど台座も作りますよ? 練習ですから。
私達だけで作るといつ出来るか分からないので師匠がやってるんですよ。師匠がやっているのを見ながら真似て作るんです。
私達が1つ作る間に師匠は10個くらい作ります。初めてだから仕方ないですよね? その内上手く作れるようになりますよ。きっと。
カンナさんはエールを小樽で買いに行ってます。ジャーキーをつまみに飲むんだって。
よし。台座も完成です。台座の魔法陣と合わせて嵌め込んで、動作チェックです。うん、光りました。合格です。次々に完成品を作って行きます。いくつか発光しなかったものもありましたが原因はあとで探ります。
余分に作ってあるので、まずは納品分を完成させるのが優先です。はぁ~、やっと終わったよ。




