25.レアスキル
誤字脱字報告ありがごうございます。お礼を言う所とか無いのでここで失礼します。
ブクマ・評価有り難うございます。
冒険者ギルドを後にして、南側から東側、北は城壁沿いで素早く通り過ぎて、西側を中心に見てみよう。早速南の城門を目指して行きます。城門を出ると長閑な田園風景が広がっていました。
「南は安全そうだね。稼ぎ場所はあっちの森とかかな~。ちょっと近づいてみようか?」
ネイちゃんはいつも通りコクコクと頷いてくれます。お手手を繋いで街道を少し南下すると小さな森に出会えます。ここでいつもの黒の助言ちゃんを発動すると、うーん。
ほとんど素材はありませんでした。そうだよね。ここなら街の人でも採取に来れるもの。季節の初めとか取り合いになるけどそう言う時だけかな~採取できるのは。
「ダメみたい。東の方に行ってみよう」
畑の畔道を縫う様にして東を目指します。こっちはそこそこの森が広がっています。
「あ、一角ウサギがチョロッと居るね。ネイちゃん狙ってみる?」
ネイちゃんはちょっと小首を傾げて考えてから首を横に振ります。どうやらやらない様子。
「……ちょっと遠い」
そかそか。私もちょっと遠いかなと思ったからネイちゃんに振ったんだけどどうやら技量的にはどっこいどっこいらしい。
ここで何げなくネイちゃんに話しかけます。
「あのさ、ネイちゃん。あなたレアスキル持ちだよね?」
ネイちゃんがビクッと激しく反応しました。やっぱりそうか~。そうじゃなきゃあんなに厳重に逃げられない様にするはずないもんね。
「そっか~。あのね、ネイちゃんを奴隷から解放してあげるのは簡単なんだよ。だけどまた捕まったら今度は助けてあげられないからこのままにしてるんだ。だって奴隷を奴隷にする事は出来ないでしょ?」
「……」
「自分の身を自分で守れるようになるまで私の所にいればいいよ。でも自分の食い扶持は自分で稼ぐんだよ? お金はあるけど自分の稼ぎだけで生活するからね!」
「……ネイね、アイテムボックスもってる。レベル1だけど」
「うっそ! 超便利じゃん。今、何か入ってるの?」
ネイちゃんは首をフルフルと横に振って答えてくれました。
「じゃあさ、何か入れて見せてよ。ちょっと見てみたいかも」
コクっと頷くと手に持っていた弓がパッと消えました。ちょ、ちょっと待って。良く分からなかった。もう一回お願い。
今度はパッと弓が現れました。すご~い。これはみんな欲しがるよ。詳しく聞いてみると。レベル1なので1×1×1のボックスに1個だけ容量10ケロで生き物以外入れられるそうです。
じゃあ、レベル2になるとどうなるの? そうです2×2×2の8個で1か所20ケロまで入れられるようになるんだって。レベル10だと1000個だよ。んでマスタークラスになると無制限で入れられるって、先は長そうだけど夢が広がるな~。
1ケロは1キロだと思って下さい。取り敢えず採取用の袋を収納しておいて貰いました。雑談にしては驚異の告白でしたけど東側の探索は続けています。
こっちは村と大差ないようですね。ハーブを採取しておきましょう。女将さん’Sが何か恐ろしそうなので。そこそこの量を採取出来ました。もちろん採取袋に入れてネイちゃんが収納してくれました。
普通に持ってる時の半分くらいの重さだって時間も外と同じらしいよ。……それって手で持ってても同じじゃないかな~。レベル1だしね。
ちょっとお高い素材も少しだけ採れました。東側はこんなもので良いかな?
「じゃあ、城壁の近くに行って北側を素通りしようね」
城壁沿いを歩いて北側にやってきました。……ああ、お高い素材がある。でも城壁を離れるのはまだ怖いな~。仕方ない諦めよう。
そのまま北側を素通りして、やってきました本日のメイン採取地、狩猟場、西側です。おお、あるよ、あるよ。お高い素材。森の手前で既に結構あるね。
皆なんで採取しないで森に入って行くんだろう? まあ、いいや。採取しちゃいましょう。
「ネイちゃんそこ。そこに赤草あるから、そっちにもあるよ」
2人でまあまあ採れました。傷薬用の薬草(ズキ草)を少し集めようと思ったらネイちゃんが根っこごと抜いちゃった。葉っぱだけでいいのに、ん? タグの表示……根っ子も煎じると効果が上がるとな。
おばぁはそんな事言って無かった。でもおばぁって薬師じゃなくて錬金術師だっけ。それに高品質までしか粉末作れないんだよね。
まだ上に最高品質、特級とあるんだよ。うーむ。これは秘匿されている情報かな? バラすと拙い?
おばぁも知らない情報だよね。うん、黙っておこう。そんで利用しちゃおう。うふふ。情報が見えるってス・テ・キ。
「よし。こんなもんでいいや。あとは一角ウサギでも仕留めようか? お肉欲しいよね?」
ネイちゃんもコクコク頷いてくれるのでここからは狩りです。2人してそろそろと近付いて行きます。ネイちゃんが狙いを定めてヒュって矢を放ちました。
お見事。ゲットしましたよ。おお、おお。得意そうですよ。ならば私もいっちょうお見せしましょうか。ムギギ硬いな~。ヒュって矢を放つと獲物の上を飛んで行きました。
「……おや? そかそか。弓が変わったから威力が増してるんだ。失敗失敗。もう一度、今度は外さないから」
(告。……今)
ヒュって放ってゲット出来ました。これでお互いに1羽ずつです。今度は背中合わせに別々の方向の獲物を狙って……やった~ゲットしました~。
2羽の獲物を得ましたので今日は帰りましょう。
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