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24.宿屋

ブクマ・評価有り難うございます。

 翌朝、完全装備に村から持ってきた大荷物を持ち、金庫などはネイちゃんが背負ています。そんな出で立ちで階段を下りて行くと階下では既に女将さんが待っていました。


「やっと降りて来たね。そうそう、あたしはジュリエッタだよ。早速行こうか」


「あ、はい。タエです。この娘はネイちゃんです」


 なんだか問答無用で連れて行かれたのは冒険者ギルドにほど近い本当にちょっとお高そうな宿屋さん。


「マリー邪魔するよ。こっちおいで」


 声を掛けてそのまま宿屋の奥、厨に連れ込まれました。適当に荷物を下ろして待つとこの宿の女将さんらしい方が来ました。


「あら~。姉さんどうしたの? こんな早くから~」


「この宿の女将のマリーさ。こっちのちっこいのはタエとネイ。いい話を持って来たんだよ。何でもいいから肉料理だしてみな」


「もうなんなのよ~もう。アナタ肉料理ですってなんかできます~?」


 そして待つことしばし朝食用の小鳥の焙りが出てきました。ジュリエッタさんが目くばせするのでちょっと味見をしてからハーブ塩をふりふりと。


「マリー食ってみな。驚くから」


「もう~。姉さんは強引なんだから~。!!! あら~、おいしい」


「だろ? この子の調味料欲しくないかい? うちは購入する気なんだよ。アンタん所でも一口噛まないかい?」


 シェフも味見をしたみたいで大人達に囲まれて居心地が悪いです。


「乗るわ~。で、どうすればいいの~?」


「まずはこの子たちを確保したい。冒険者らしくてこっちで宿を探すらしい。100リンでシングル1つ確保できるかい?」


「……いいわ~。1つでいいのね? ものはいつなの?」


「ああ、1つでいいね? ものは要調査かららしいよ。この辺で採れるかによるからね。無い場合は配合を変えるらしい。そこは気長に見ておやりよ。長くかかりそうならうちからも支援するから」


「あ、はい。ネイちゃんと2人で1つでいいです」


「ほんとう~? 姉さんうちにだけ負担させないでよね~」


 とんとん拍子で話が決まっちゃいました。出来るかな~。ちょっと心配です。宿屋に荷物を置いて10日分の宿賃1000リンを支払いました。


 本当は300リンだそうです。ジュリエッタさんの所の宿賃に合わせてくれたらしいです。ジュリエッタさんの所の客層は行商さんがメインでマリーさんの所の客層はDランク以上の冒険者ですって。


 見習い・駆け出しを卒業したての冒険者層ですね。私達が泊まれるような所じゃないです。100リンでも正直自分達だけの稼ぎで賄えるのか心配です。まあ、調味料が売れれば心配ないですけど。


 マリーさんにカギを預けて早速初出勤です。ネイちゃんとお揃いの装備で冒険者ギルドに向かいます。


 コソッと冒険者ギルドに入って行くと物凄く混雑しています。朝は冒険者達が依頼を受けようと殺到するからでしょう。隅っこの方でその様子に圧倒されていると。


 強面のおっさんに目聡く見つかってしまいました。ズンズンとこっちに来るのでアワアワしている間に目の前です。


「やあ~嬢ちゃん達来たのか。おお、おお。お揃いの装備で額当ては色違いか! めんこいじゃねえか。どれどれ仕事探しに来たんだろ? よいっしょ」


 ひぃ~。ネイちゃんは速攻で私の陰に隠れていましたが、あっさりと抱え上げられてしまいました。さ~ら~わ~れ~る~。


「ぎ、ギルマス? お、降ろして、く、下さい」


 ギルマスの肩の上でパニックになりながら暴れていると。受付のお姉さんがさっそうと現れてくれました。


「ギルマス。子供が引きつけ起こす前に降ろしてあげて下さい」


「なんだと! 喜んではしゃいでるじゃねえか。高い高いは子供をあやす常識だろ?」


「顔が怖いんですからむやみに接触しようとするんじゃありません。その顔で子供好きとかどう言う性格してるんですか」


 下ろして貰った途端に受付のお姉さんの足にヒシと抱きつきました。もちろんネイちゃんも同じ行動ですよ。あのまま殺されるのかと思いましたけどどうやらそうじゃない様子。


「あなた達、お揃いの装備でかわいいわね。今日は仕事を探しに来たのかな?」


「いいえ。仕事をする前に周辺の地理を把握しようと思ってきました。エッグッ」


 泣いてなんかいません。エッグッ。


「あらあら感心ね。訳も分からず突っ込む奴らが多いのに。じゃあこっちで地図を見せてあげるわね」


 ギルマスが悲しそうに見ていますがそれどころじゃありませんでした。一刻も早くこの場から逃げたいです。トラウマになりそうですよ。


 これなら魔獣なんて怖くない気がします。気のせいですけど。


 受付のお姉さんが周辺の地図で説明してくれました。周りで魔獣、もといギルマスがウロウロしていますが気にしない様にしてます。


 この街は東西南北に門があり、北側と西側は未開地へと続いています。東側は私達がやって来た方で南側はず~と行くと王都です。


「じゃあ、今日は実地で周辺を歩いてみます。北側が最も危険でその次が西側でよね? 最も安全なのが南側と。了解しました。まずはグルっと街の周りを回って、西側の森の傍まで行ってみようと思います」


「そうね。本当は東側くらいが安全なんだけど稼ぎ的に西側くらいが良いわよね」


「はい。街からあまり離れないようにします。一角ウサギくらい居ますよね?」


「一角ウサギどころか一角ハウンドも出るわよ」


「……恐い奴ですか?」


「一角ウサギの1.5倍くらいの大きさで獰猛な犬よ。お肉も食べられるけど好んで食べる人はあまり居ないから稼ぎとしては一角ウサギの方が良いわね」

以下の様な物も書いています。

 異世界農業物語~異世界で農業始めましたーhttps://ncode.syosetu.com/n0558dz/

 異世界転生苦労譚~異世界だって甘くない~https://ncode.syosetu.com/n3637fl/

 エルフ賢者の子育て日記https://ncode.syosetu.com/n5068fk/

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