260517 Vネック
友人に無理やり連れてこられた婚活パーティーの会場で、壁の花になっていた私。
せめて元を取るために食べようと、まあ無理だろうことを目標に皿を取る。
そこでひとりの青年に話しかけられた。
冴えんな、というのが第一印象だ。ゆったりとしたジャケットとすらりとしたスラックスを組み合わせたキレカジの服装は悪くないんだけど、着せられている感がすごい。あと視線。胸見すぎ。谷を露出してるのはこっちだけど露骨すぎるぞ。
やっぱりこういう視線は苦手だ。友達は武器なんだからガンガン使っていけって言ってたけど、私からすればいい思い出がない。
適当にあしらおうとしたんだけど、ぐいぐい来るな。いや、婚活パーティーなんだし異性を探すつもりのない私の方がイレギュラーか。実はそのつもりありませんとかひでえ罠だ。
さてどうしようかと並んでいると、友人が近づいてきた。
どうやら私のことをサポートしてくれるらしい。とか思っていたら、しれっと自分をアピールしてやがる。
別にいいと思いつつ、そういうことされるのは腹立つな。
ちょっとむかついた反動で男性と会話を始める。
うん。やっぱり冴えないな。トークへたくそ。
中間でアプリに印象を入力するらしい。どうやら最低一人は入れないとダメらしく、話しかけてきた男性の名前を入力することに。ほかの参加者とか知らないし。
後半個室に呼ばれる
マッチングしたペアは個室でゆっくりとって感じだったらしい。やばいな。こうなると逃げ場がないぞ。
まずいな。さっき以上に酷い状況だ。男性はへたくそなトークで空回り。私は空気がひどいことになるのが嫌でちょっとだけフォローするけど、限度がある。
だけどあんまり必死な感じだったから、押し切られる形で連絡先を交換。
◆
いやー、よくそこから結婚までいったよね。
うん。まあなんだかんだ優しかったから。あとはまあ、年収?
現金な奴だな
ま、あいつも私の胸見て近づいてきたんだし、どっちもどっちでしょ。
本当は私のほうが稼いでるんだけどね、という言葉は胸の内にしまい、私は小さくほほ笑んだ。




