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学年で1番のイケメンに彼女を寝取られた。そしたら、イケメンの美少女友達が縁を切った  作者: 白金豪


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第120話 相談

 正体不明の男子と短い会話を交わした後、颯は真っ直ぐ帰宅した。




「「「おかえりなさい!! 」」」




 遥希達3人が玄関から歓迎の雰囲気で颯を出迎える。




「…ただいま」




 颯は遥希達3人の顔を目にすると自然と緊張感を抱く。告白の返事を想像し現実逃避の感情を覚える。




「お風呂が入ってるけど今から入る? 」




「う~ん。今は良いかな。後から入るよ」




 颯は瑞貴の勧めをやんわり拒否する。今は出来るだけ遥希達3人と同じ空間で時間を過ごしたくなかった。一瞬でも彼女達の顔を認識すると憂鬱な気持ちを持ってしまう。




「そうか。お風呂も颯の好きなタイミングで入れば良い。それと夕食も欲しい時になったら教えてくれ」




 颯の心境に配慮したのか。遥希が颯の1人になる時間が取得できるような誘導の言葉を掛ける。




「うん。そうして貰おうかな」




 颯は素早く履いた靴を脱ぐと、逃げるように玄関から階段に移動する。そのまま無言で階段を登る。




「あっ」




 瑞貴が名残惜し気に颯の後方の追跡を試みる。




「やめろ遥希。いま私達が無闇に颯に関わるべきではない。ここは空気を読め」




 遥希が後方から瑞貴の肩を掴み制止する。




「でも、うちは不安でしょうがないよ。颯君がどんな選択をするのかね。その不安を和らげるためにも颯君と近くに居たい自分が居る」




「瑞貴それは分かる。私も同じだ」




 遥希は瑞貴に同意するように強く首を縦に振る。




「だが選択は颯しか出来ない。そのために余計な接触は得策ではないと思うんだ。だから信じよう。私達が大好きな天音颯に」




 遥希は真剣な眼差しで瑞貴を諭す。




「みずっち。ここは耐えよう」




 愛海も説得するように瑞貴に声を掛ける。彼女も遥希と同じような眼差しを形成する。




「そうなんだ。遥希ちゃんも愛海ちゃんも、同じで不安なんだね。うん。分かった。うちは信じるよ。大好きな大好きな颯君をね」




 同類を発見して安心したのか。瑞貴は明るく顔を綻ばせた。






 一方、颯は自身の部屋に到着するなり勉強机に腰を下ろす。




 勉強机に待機させるスマホを手に取る。




 ミインを起動し、母親宛てに電話を掛ける。スマホを通じて電子音が颯の耳に振動するように届く。




 テテテテテン。




『もしもし。どうしたの颯ちゃん。もしかして何か有った? 』




「はや! ワンコールで出る普通」




『だって颯ちゃんからの電話なんて珍しいから。何事かと思って。母親は息子が心配で仕方ないのよ』




「そうなんだね。それは心配性がひどいこと」




 颯は母親と会話を交わし不思議と不安や焦燥が軽減する。母親の存在の大きさを少なからず感じた。




『それでどうしたの? 何か困ったことや悩みが有るからとかの電話? それとも緊急事態? 』




 母親は的確に颯の電話の意図を当てる。




「その通りだよ。困ったことが有って電話したんだよ」




『もしかして同棲中の3人から告白されたりした? 』




 母親の見事な的中に颯の心が揺れる。少なからず心の乱れが生じる。




「ど、どうして分かったの? 」




 颯は驚愕の余り無意識に母親に理由を尋ねる。




『なるほどね。ようやく告白されたわけね。それで3人の好意に気づいて困ってる感じ? 』




 母親は抉るように颯の心境を的確に当てる。




「…」




 あまりの正確性に空いた口が塞がらない颯。




『その反応は大当たりなようね。確かにその理由なら颯ちゃんがお母さんに電話してくる理由も大いに納得できるわ』




「…どうしてそこまで的確に分かるの? 」




 余りにも的確に颯の現状を的中させたため彼は胸中で恐怖感すら覚える。電話越しに会話を交わす母親がエスパーなどの超能力者だと錯覚してしまう。




『そうね~。母親だからかな。自分の分身みたいな物だから色々と分かってしまうのよ』




 母親は当たり前のように平然とした口調で答える。




「よく分かんない。母親だから子供の気持ちが手に取るように分かるってこと? 」




 颯は母親からの説明を脳内で解釈して言語化する。母親の言葉は完全には理解できず疑問が浮かんでいた。




『そうそう。そんな感じ。さすが颯ちゃん』




 自身の言葉が颯に理解されたのか嬉しかったのか。母親はご機嫌な口調で肯定する。




「そろそろ本題に入りたいんだけど。お母さんならどうする? 」




『どうするとは? 』




 母親が即座に颯に返答する。




「もし、お母さんが3人に告白された時はどのように返事をするのか聞きたい」




 颯は率直に吐露するように母親にアドバイスを求める。




『う~~ん。それは難しいわね。今まで3人に同時に告白された経験は無いのよね』




 母親は頭を悩ます口調で答える。




 颯はその口調を耳にして母親が腕組をして考える姿が容易に想像できた。




『ただ颯ちゃんが正しいと思う選択をすれば良いと思う。素直に自分自身の心に従うようにね』




「俺が正しいと思う…。それが分からないんだよ。何が正しい選択なのか見当もつかないよ」




 颯は母親に縋るように弱音を吐く。




『うんうん。それは分からないかもね。まだ颯ちゃん17歳だもん。それに正直言うとね。お母さんも何が正しいかは分からないよ』




「ええ!? そんなことって有るの? 」




『だって颯ちゃんが1つの選択をした未来は予測は出来るけど、実際にどうなるかまでは定かではないもの。未来は誰にも分からないから。だから颯ちゃんが下した選択が正しいかどうかも誰も分からないのよ』




「…」




 颯は最適な返す言葉が見つからない。母親の言葉には強い説得性が有り納得してしまった。それと同時に正解が無い事実により一層に困惑を覚えた。




『正解が無い事に困る気持ちは分かるわ。だからこそ自分が正しいと思う選択をお母さんはして欲しいの』




 母親の口調に気持ちが乗り口調が強く変化する。




「…うん」




 颯は追い詰められたように弱々しく返事を行う。




『お母さんから言えることは以上かな。後は颯ちゃん。それと回答はなるべく早くした方がいいわよ。引き延ばしても良いことないから』




 母親は不思議と正体不明の男子と同様のアドバイスを颯に送る。颯は正体不明の男子と母親のアドバイスに共通点を見出す。




『それともう1つ。瑞貴ちゃん達が大事にしている物や事を踏まえての選択が良いかもね』




 母親は最後にそれだけ残すと電話を切った。




「瑞貴ちゃん達にとって重要なこと? 」




 母親からの言葉に引っ掛かりを覚える颯。その引っ掛かりを解決するために再度、頭を悩ませた。

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