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魔王様、着手するってよ

魔王様側に戻ります。

魔王城を出立して数日。

我らは、魔界北西部……かつて調査隊が半壊し、それ以降長らく放棄されていた森林地帯へと到達していた。

濃密な魔気。 入り組んだ地形。 そして、生きているかの様に姿を変える森。

通称、“迷いの森”。

人界側であれば、討伐依頼どころか国家封鎖案件だろうな。

「……いやぁ、相変わらず空気重いっすねここ。」

炎将と共に同行していた補佐官……フラムスが、周囲を見回しながらぼやく。

「黄玉級の魔樹群生地帯ですからね。むしろ薄い方ですよ。」

続けてアクアス。

「以前の調査隊も、確か半数以上が帰還不能だった筈です。」

ガイアスが静かに付け加える。

「まぁ、今回は魔王様いるし。」

最後に、気の抜けた調子でガスティア。

……うむ。 実に安心感のある言葉だ。

「よし。」

我は森を見渡し、告げた。

「ここをキャンプ地……もとい、拠点とする!!」

数瞬。

森が、静まり返った。

「……あれ?」

ガスティアが首を傾げる。

直後。

ズズズズズズズズズ……!!

森全体が揺れた。

いや、正確には。

“森が逃げた”。

巨大な樹々が根を引き抜き。 トレント達が我先にと奥地へ退避し始めたのだ。

「おぉぉぉぉい!?」

フラムスが叫ぶ。

「迷いの森が移動してますけど!?」

「いやぁ……まぁ、魔王様ですし。」

アクアスが遠い目をする。

「納得しないでください!!」

その間にも、樹々は次々と退避していく。

結果。

数十分後には、見通しの良い平地が出来上がっていた。

「……開けたな。」

「開けましたねぇ……」

ガイアスが乾いた声で返す。

辺りには、退避の際に折れ落ちた枝葉や樹材が大量に散乱していた。

しかも、そのどれもが極上品だ。

「うわぁ……黄玉級素材の投げ捨てとか初めて見た……」

フラムスが頭を抱える。

「人界なら王侯貴族案件ですね。」

「加工性は……あ、待ってくださいこれ普通の工具通りません。」

「……よし。」

我は木材を見回し、頷いた。

「ログハウスを建てるぞ。」

「「「「はい?」」」」

何故そんな顔をする。

素材もある。 土地もある。

ならば建てるだろう。

「よーしおめーら、魔王様に迷惑かけるんじゃねーぞー?」

炎将が笑いながら言う。

補佐官一同は、揃って無言になった。

「「「「お前が言うか」」」」

「なんだァその反応!!」

実に賑やかである。

……とまぁ、少々予定外はあったものの。 無事、開拓は始まりそうで何よりだ。

さて。

まずは拠点作りから始めるとしよう。

………皆さん、最初からお疲れ様です。

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