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「魔王様、隠居するってよ。」

我は魔王である。


名前はない…と言う訳ではない。


今の我には、相応しくない名だ。


なぜなら…


「魔王様、話ってなんですか?」


「これでも私…私達雑務とか個人研究で忙しいんですが。」


「まぁーまぁー、そう固い事いわないでー。せっかくなんだから、聞くだけ聞いてみよーよ?ね?」


「……だな、聞くだけ聞いてやろうぜ。」


私が理由を話そうとした際に割って入ってきた者共を紹介しよう。

俗に言う、四天王だ。


まずは一人目。水将アクリア。

水属性を主に扱う魔族、その長とも言える存在だ。

力量としては4人の中でも半ばだろう。それでも、このメンツ以下からすれば十分な実力者なのだが。

人となり(?)…としては、生真面目だな。だが、多少の融通は聞く相手だ。


後…次に紹介する地将よりは柔軟な思考をしている。

真人間(?)枠だ。


次いで、地将アウシア。

地属性を主に扱う魔族の以下略。

力量は4人のなかでは最下…ではあるが、相手をあしらう才能を見るならば一番の手練れだろうな。

限に私も本命を話す前からあしらわれそうになっている。…せめて聞いて欲しいのだが。

それはさておき実力だ。

彼女がその気になれば一夜城を、ハリボテではなく堅牢なモノで建てる事ができるだろう。しかも独力で。

性格で言えば…THE☆堅物、と言った所だろうか。

だが彼女がいるお陰で、ここに4人を集める事ができた、と言っても過言じゃないだろう。後の二人が奔放過ぎるからな。

そしてアクリアと並んでの苦労人枠だ。


そして間延びした喋り方をした3人目。風将ウィンシス。

風属性魔族の筆頭だ。

個人的な見解だが、全力を見たことはない。私に気を遣っているのだろうか?いいや、そうは思えない…だが風属性故か、空気を読むことには長けている…その様な印象を持つからな…ゆえに実力に関しては、はっきりとは名言できない。

もしかしたら、空気を読む必要はない全力でブチ当たってこられたらどうなるのだろうか…と言ったところだ。

性格にしても実力にしても、風の様に奔放で、掴み所のない人物(?)だ。だが、我を慕い、従ってくれている事だけは確かだ。


そして最後。4人目 炎将ブレイシア。

炎属性魔族の筆頭にして、ここにいるメンツの中で一番血の気が多いヤツだ。

ちなみに、魔族には人間で言う性はないのだが…彼…いや、彼女はどちらかと言えば人間で言う女性に近い。

…しかし何故実力者が全員女性寄りなのだ。

いや、魔族に性別はないのだがな??

……気を取り直し、彼女の紹介だ。

炎の将、と言う通り彼女の気性は荒ぶりがちだ。血の気が多い、とでも言うのだろうか。だが、実力は折り紙つきで、一般魔族からの声を集めれば四天王の中でも随一だ、と言う声は上がるだろう。各員派閥があるようでダントツだ、とは言いきれんが。


……と、彼女らの説明はこの位にしておこうか。


「よくぞ募ってくれた、四将よ。お前達に、我の今後について話しておこうと思ってな。」


「まーた突拍子もない事だったりするんですか?」

ザクッ。

「そう言うのは事前に言っておいて下されば準備してお応えできるものを。」

グサッ。

水将、地将からのツッコミ。そりゃ当然だ。今から言うのは、たった今この場で初めて伝える事なのだが。


「ま…まぁ実行するのは明日からだ…と言う訳ではないので勘弁していただきたい。」

「私は別にーいーけどー」

「魔王様の提案事となりゃ、アタシだって無下に断る訳にはいかねぇよ。」

「…で、用件は?」

「さっきも言いましたが、私達は各々の事で忙しいのですから手短に。」


……ようやく言い出せるようになったか…


「用件は…」

「「「「用件は?」」」」


我は息を整え告げる。


「我は魔王を辞そうと思っている。」

「「は?」」

「あはっ、やっぱ魔王様についてると飽きないね♪」

「トンでもねぇにも程あるじゃねぇか」


奔放組からは面白そう、との総評はもらったが…

真面目組、拳に魔力込めるのやめてくれ?…いや拳に込めるのはやめてくれと言ったが装備に込めるのはやめてくれ??

と言うか話を最後まで聞いてから動いてくれないか?な??


「ちょっとー、魔王様の言い分聞いてあげようよー」

「だぜ。………理由によっちゃ、アタシもそっちについてやるから。」

「アクリア、話だけでも聞きましょう。」

「…そうね、話だけでも聞きましょうか。」


二人の説得により、真面目組も矛を納めてくれた。


「あぁ、説明させてももらおう。」


……全ての元凶。

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