↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/40

第40話 危ないブツ

Side:タイセイ


 さすが教都、モラルが高い。

 チンピラはいたが、道は綺麗だし、ぼったくりの店もなさそう。

 騒音や喧噪も少ない。

 昼間から酔っぱらってなどという人もいない。


 面白みに欠けるのが難点か。

 だが、異国情緒は満載だと思う。

 住んでみたいとは思わないけど。


 教会の関連グッズの数が多いな。

 その辺が他の街と違うようだ。

 さて、スマイル100円を稼がないと。

 何を売るのが良いかな。

 迷惑を掛けない品。

 となると、勇者関連グッズ。

 日本から仕入れる手もあるが、不思議な品の方が良いよな。

 安くて、迷惑を掛けない品。

 うーん、そんなの在ったか。

 究極的に安い物。


 1円の商品で知ってるのは切手。

 その他に何か在ったかな。


「サクラ、この世界で一番安くて、喜ばれる物は何だ?」

「それは銅貨に決まってます。お金ならなんにでも使えますから」

「お前、戦闘狂の癖に時たま鋭いな。【スマイル100円】、出でよ1円玉」


 マジ?

 1円玉がでてきたよ。

 効果はなんだろう。

 だいたい効果は金額に比例する。

 持ってみたが何も感じない。

 効果が解らないと売り出せない。

 しょぼい効果だったら、鑑定してもらっても大赤字だ。


 嘘じゃないから初代勇者の国のお金として売ろう。

 5円玉も良いな。

 そっちは高目に売ろう。

 ぼったくり価格の1円玉が銀貨1枚。

 5円玉が金貨1枚かな。


「サクラ、露店の手配を頼む」

「いた仕方ない。勇者殿の頼みとあっては」


 露店が瞬く間に完成。

 違法ではない。

 勇者の国のお金として売り出す。

 勇者教の神官がいるので飛ぶように売れる。


 偽物だと返品にくる人もいない。

 鑑定師に鑑定してもらっても本物だとでるだろう。

 もちろんみんな笑顔で買っていきウハウハ状態。

 教都ならではの商売だ。

 普通の街ではこんな物を買うのは信心深い人か、騙され易い人だけだ。


 サクラが横にいるっておかげもある。

 先代勇者とサクラにご褒美だな。


「サクラ、勇者神は何が欲しいって?」

「ビールとから揚げと枝豆をご所望です」


 それを買うと、瞬く間に消えた。


「これはサクラにだ。サクラ餅だ」

「私の名前の餅ですか?」

「日本ならでは菓子と言っても良い。かなり有名な和菓子だ」

「では頂きます。うはっ、塩漬けの葉が甘さと調和して何という美味。何と言うか体の調子が物凄く良いような」


 そういう効果か。

 安物だから、大した回復効果ではないだろうけど。


「はぁはぁ、勇者様の宝が売っていると聞きまして。出せ! 出さねば斬る!」


 物凄いグラマーな美人が突然現れたが、どちら様?

 1円と5円ぐらい別に出して良いけど、サクラが成敗して終わりそう。


「はむはむ。ごっくん。なんだ、ビワではないか」

「サクラ! お前を倒してでも縁結びの護符は手に入れる」


 えっ、縁結び。

 ああ、5円玉の効果はそれか。

 だけど値段的にそんなに大した効果はないだろう。


Side:ビワ


 勇者教の神官である私は常に警戒を怠らない。

 しかし、今日は厄日だ。

 訪れるカップルの数が多い。

 多過ぎる。

 ムカつく。

 なんで私には出会いがない。

 素敵な殿方と結ばれるなら勇者教の神官を辞めても良い。

 神官でこんなことを考えているのは私だけだろう。


「勇者様の護符に感謝しないと」

「そうだね、ハニー」


 なにっ!

 勇者様の護符。

 偽物を売り捌くけしからん奴がこの教都に存在するとは。


「その護符とやらを見せてくれないか」

「はい神官様」


 丸い穴の開いた硬貨に銀の鎖を通して、ネックレスにしてあった。

 むむっ、微弱だが神の波動。

 まさか本物。

 これは是が非でも手に入れねば。


 いそいで露店に駆け付けると、なにやら冴えない男が露店をやっていた。

 そして、私は今代の勇者様を脅してしまった。


「この罪は如何様にもして償います」

「そうか、じゃあ風呂に入ってもらおうかな」


「まさか、私の身体を所望ですか?」

「いやね。女忍者役がほしいんだよ。お風呂シーンからの悪人の懲らしめは外せないから。水着は支給するからやってくれない」


「浴衣を着たまま入ればよろしいので」

「それをマンジュウに覗かせて懲らしめる」


「ははは、最高ですな。このサクラ感服致しましたぞ」

「私もです。これは楽しそうです」


 マンジュウの成敗の仕方は決まった。

 後は覗こうとした時に熱湯を浴びせて、成敗しちまえば良い。

 そこにどうやって誘導するか考えないといけないが、サクラなら上手くやりそうだ。

 神官に伝手はあるから、マンジュウの腹心か手下に覗きスポットの場所と時間を教えればそれで引っ掛かりそうだ。


「では私は手筈を整えに」

「勇者様、まずは縁結びの護符を売って下さい」


 ビワに5円玉を渡し、水着も渡す。

 宿の部屋の扉がノックされた。


「どうぞ」

「失礼します」


 入ってきたのはビキニ水着姿のビワ。

 その時に俺は盛大に鼻血を噴き出した。

 不味い、これは出血多量で死ねる。

 やば過ぎる効果だ。


 慌てて目を瞑る。

 まさか水着が即死効果付きだとは思いもしなかった。

 高かったのは確かだが、ヤバ過ぎる。


「勇者様、大丈夫ですか」

「何かはおってくれ。それはやば過ぎる」


「着替えを手伝ってくれた女神官は何もなかったのですが」

「男性には必殺効果らしい。気をつけてくれ」

「はい」


 マンジュウの死因は鼻血による失血死と決まった。

 完全犯罪もいいところだ。

 これは悪用したらいけない。

 終わったら、ビワには封印するように言おう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。