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第39話 印籠チート

Side:タイセイ


「勇者様、そろそろ大神官のマンジュウが到着します」


 えっ、名前付けるにしてもマンジュウはないんじゃないか。

 笑いがこみ上げてきて、必死に落ち着けと心に言い聞かせた。


「ええと、報告が直前になったのはなんでだ?」

「勇者様を偽物だと告発したいようです。どうされます? 斬れと命令を頂ければ、そっこく斬り捨てますが。あいつの女神官を見る目つきを見ると、斬り捨てろと勇者神様が仰っているような気がするのです」


 サクラは剣を抜きたそうに柄に手を掛けた。

 とりあえず、どんな奴か見てからだな。

 さすがに、いまの段階で死刑宣告はできない。


「様子見だな」


 鐘や銅鑼の音が聞こえてきた。

 そして、金ぴかの輿が見えてくる。


 いや、これを見ただけで、有罪確定だな。

 輿が停まり、地面に下ろされ、中からでっぷり太って、肌が良く焼けた金色の神官服を着た奴が現れた。

 頭がツルツル。

 どこから見てもマンジュウだな。


「くっ、苦しい。ぷっ、駄目だ。我慢できない。わはははっ!」

「無礼者! この偽勇者が! この場で処刑してやりたいが、反対する者も少なからずいる。勇者教都にて、裁判を受けさせてやる。ありがたく思え」


 こいつは毒マンジュウだな。

 斬ったら中は真っ黒かな。


 ピンクのドアを出した。

 ドアを開けると向こうは勇者教都の門。


「サクラ、転移するぞ」

「お供します」

「待て。転移するなら、わしも連れて行け」


 嫌だよ。

 この桃は高いんだぞ。

 貴重なスマイル100円を毒マンジュウに使ったら勿体ない。


 桃を2個をピーラーで剥いて、1個はサクラに渡し、俺は桃にかぶりついた。

 一瞬で門の前に。


「ええと、毒マンジュウが来るまで暇だから、観光したい。案内よろしく」

「了解です。転移せずに、置いていかれたあ奴の顔をしばらく眺めていたかったですが、任務とあらば仕方ありませんな」

「お楽しみは最後に取っておくものだ。裁判で負かして、毒マンジュウを逆に訴えて、処刑してやろう」

「うひひひ、それはよいですな。楽しみになって参りました」


――――――――――――――――――――――――

スマイル100円、頂きました。

――――――――――――――――――――――――


 スマイル100円をこの街で大いに稼ぐとしよう。

 俺の評判を上げるのも重要だ。

 免罪符もあるし、負けても問題ない。

 まあ、勝てるけどな。


「ええと、強盗に遭いたいんだが」

「勇者教都にそんな奴はおりません」


「実験台が必要なんだけどな」

「カツアゲする程度の輩ならば」


「それでよしとしとこう」

「ご案内します」


 繁華街の路地の入口に連れて行かれた。

 勇者教都にも繁華街があるんだな。

 酒を飲んだり、息抜きする場所は必要だけど。


 路地の中は建物の壁で薄暗い。

 いかにもって感じだな。


「サクラはここで待機な。お前がいるとチンピラが顔を見ただけで、逃げて行く」

「仕方ありません」


 買って置いた葵の印籠、980円をサクラに渡してから、路地に足を踏み入れた。

 少し行くと、酒瓶を抱えた酔っ払いが寝てる。


「ここを行くと危ないぞ。忠告したから、銀貨1枚を恵んではくれないか」

「俺は真っ直ぐ行くが、銀貨1枚は恵んでやろう。金のためとはいえ、親切に忠告してくれたからな」


 銀貨1枚を投げた。


「ありがとうごぜえます。だんな。えへへ」


――――――――――――――――――――――――

スマイル100円、頂きました。

――――――――――――――――――――――――


 こちらこそ、スマイル100円をありがとうだ。

 そして、俺はいかにもチンピラって奴らに囲まれた。

 ピンクのドアを開けて、サクラを呼ぶ。


「すぐに行きます」


 俺は勇者の剣を抜いた。

 チンピラは何も出来ない。

 なぜならターン制だからね。

 俺より瞬発力が高ければ、攻撃できるけど。

 そうでない場合は俺の攻撃が終わるまで、行動はできない。


「何で、何もできない」

「魔法か?」

「くそっ」

「何の魔法か判らないと、対策が」


「こいつらをぶちのめせば、よろしいので?」

「殺すのはあんまりだから、殴るだけにしておけ。ただし攻撃を1回やると、向こうにターンになる」

「一撃で全員をぶちのめせということですな」

「そうだ」

「簡単です」

「もういいでしょう。サクラさん、やってお仕舞い」


 サクラは全員をひとまとめにして、大剣の鞘で殴った。

 全員が地べたに伏す。


「もう良いでしょう。さっき渡した奴を突き出してこう言うんだ。控えおろう。このお方をなんと心得る。こちらにおわすはは勇者様。頭が高い。控えおろう」

「控えおろう! このお方をなんと心得る! こちらにおわすはは勇者様! 頭が高い! 控えおろう!」


 チンピラ達が正座して、頭を下げた。


「ははぁ。くそっ、操られている」

「ははぁ。俺もだ」

「ははぁ。なんでだ?!」

「ははぁ。頭が上がらない」


 芝居小道具って説明があったから買ったが、ビンゴだな。


「ふむ、カツアゲの常習犯よ。余罪をことごとく調べて、処罰してやる。大人しく沙汰を待つが良い。これにて一件落着。かかかっ」

「楽しいですな」


――――――――――――――――――――――――

スマイル100円、頂きました。

――――――――――――――――――――――――


「裁判もこういう感じで行く」

「実に楽しみです。ふふふっ」


――――――――――――――――――――――――

スマイル100円、頂きました。

――――――――――――――――――――――――


 サクラに呼ばれた勇者教の神官達が、チンピラ達を連れて行くのを見届けてから、観光を再開した。

 後でカエデと、アヤメも連れて来よう。

 うっかりはどっちにやってもらうかな。

 忍者役が欲しいな。

 サクラ頼んで、誰か連れて来て貰おう。


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