第24話 ボールペンとホワイトボード・チート
Side:タイセイ
「ねぇ、文字を教えて」
孤児院でメグがそんな事を言ってきた。
教えるのは別に難しくない。
なぜか俺は文字が読める。
転移の特典なんだろうな。
この世界の文字は数字を入れて42文字。
とりわけ難しい事もない。
「よし、みんなを集めよう」
取り出したるは100円ショップのコピー用紙とボールペン。
なんと200円で紙が100枚とボールペンが10本。
一人あたり10枚の紙と1本のボールペンを配る。
孤児のみんなは笑顔。
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スマイル100円、頂きました。
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200円でスマイル100円が千円分入った。
全員で2千円ぐらい儲かった。
よし、ホワイトボードも買おう。
100円ショップのホワイトボードも買った。
「書いても消せるの?!」
「すげぇ!」
「ここに書くなら、落書きしても怒られない」
「これ、どういう仕組み?」
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スマイル100円、頂きました。
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ホワイトボードは大好評。
たくさんのスマイル100円を貰った。
ペン関係のスキルはインク無限のような気がする。
俺が使っているボールペンのインクが減ってないからな。
ホワイトボートのスキルは消した時の消去だな。
こんなに綺麗にホワイトボードは消えない。
特に100均のは少し品質が悪いのか。
消しても書いた痕が残ったりする。
孤児院の食堂は教室に生まれ変わる。
「アーはこう書く」
文字を一文字ずつ書いて読みながら教えていく。
みんな真剣な眼差しで字を書いている。
「ぐにゃぐにゃと曲がって変なの」
「上手く書けないんだ。お前こそなんだよ。上手く書けてないじゃないか」
「こらこら、喧嘩しない」
俺は仲裁した。
「そうよ。タイセイがせっかく教えてくれているんだから。ほらそこ、絵を描かない」
「メグ、自由にさせてやれよ。自分のペンが持てたのがとても嬉しいようだからさ」
「はい」
「少し休憩しよう。飴を出すから舐めると良い」
コピー用紙のスキルはまだ分からない。
危険なものでないのは確かだ。
飴で2千600円分のスマイル100円。
休憩を挟んで、追加の2千600円分のスマイル100円が入ってきた。
紙は一日で消費してしまうとしても、美味しいな。
学校に寄付出来れば、がっぽりと儲かりそうだ。
今のところ、伝手は無いが、考えておこう。
「メグはなんで急に文字を覚えたがったんだ?」
「ルーペの商売を始めたら字を読んでほしいという声が上がったの」
「代読のサービスか。良いんじゃないか。単語帳を出してやるよ」
サンプルに100円ショップの単語帳を出す。
メグはそれを見て。
「こっちの方が良い紙を使ってるわね。もったいない」
「コピー用紙を切って作れるな。そっちの方が安上がりか」
「どうせすぐボロボロになるんだから、安い物の方が良いわ」
文字を全部覚えきると、単語帳作りが始まった。
「うふふ、束ねるのに組みひもを使ったの。可愛いでしょ」
「俺は束ねるのに針金だ。やっぱ男は頑丈さだよ」
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スマイル100円、頂きました。
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単語帳作りでみんな笑顔。
スマイル100円がバンバン入る。
みんな楽しんでくれているようだ。
子供はすぐに笑うから、良いお客さんだ。
Side:メグ
字を教えてくれるように、タイセイにせがんだ。
快くタイセイはやってくれた。
文字を覚えるのは楽しい。
本が読めるようになればいいな。
でも、本は高いと聞く。
駄目よ、無駄遣いしちゃ。
タイセイを笑えないわ。
「ええとこの単語はゴブリン。こっちは100頭」
冒険者ギルドで実地訓練よ。
依頼票を読んで分からない単語を単語帳に書き込む。
後で院長や親切な人に教えてもらうの。
「なかなか面白い事を始めたな」
ギルドマスターが子供達のそばに来て言った。
「文字を読む訓練よ」
「ああして分からない単語をメモしていく訳か」
「ええ、表に単語。裏に説明よ」
「どれどれ。23頭。説明は両手の絵が二回と三本の指か」
「どう、考えているでしょ」
「こういうのはな。発音記号を書くと良い。暇だから教えてやるよ」
ギルドマスターから発音記号を教わった。
何ほどね。
表に単語。
裏に発音ね。
「ありがとう。みんなにも教えるね」
「ところでこの紙は上質だな。ギルドに納める様にタイセイに頼んでみてくれないか」
「ええ、聞いてみる」
やった、注文を取ったわ。
急いでタイセイのもとに行く。
「タイセイ、ギルドに紙を納入して欲しいんだって」
「そいつは困ったな。スマイル100円が取れるかどうか」
難し気なタイセイの顔。
私、何か失敗した。
「駄目なら断っても」
「泣きそうな目をしなくても良いさ。試しに寄付してみるよ」
「駄目よ。がっぽり稼ぐのよ」
「良いかい。商売は、売り手笑顔、買い手笑顔、世間笑顔、三方笑顔じゃないと駄目なんだ」
凄い言葉ね。
売った人も買った人も周りの人も皆が笑顔なのね。
「凄い。タイセイは商売の奥義を知っているのね」
「まっ、昔からある言葉をもじっただけどな」
タイセイはギルドに紙を寄付し始めた。
タイセイの紙はギルドで大人気になった。
ギルドマスターによればペンが引っかからないのだそう。
流石、タイセイの商品。
タイセイは『うほっ、案外儲かる』と言ってたけど、寄付したのよね。
変なタイセイ。




