表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/39

第21話 キャンディ・チート

Side:タイセイ


 孤児院にお邪魔している。

 なんせ孤児院はティシュペーパーでスマイル100円ラッシュだ。


「タイセイ、いらっしゃい。いつも寄付をありがとうございます」


――――――――――――――――――――――――

スマイル100円、頂きました。

――――――――――――――――――――――――


 メグが俺を見つけたのだろう寄って来て、笑顔。


「寄付するのが俺の仕事みたいなもんだから」

「強がり言わないで、品物を用意するにもお金が必要でしょう」


 スキルで出しているのを言っちゃおうかな。

 いや、勇者が居るなんて噂になったら困る。


「気にしなくても良いんだよ。金なんてもんは使ってこそ価値がある」

「無理しないでね」


「そうだ。やさしいメグにご褒美だ」


 俺はフルーツ味の飴を出してやった。


「美味しい。持久力+1だって。いっぱいあるけど皆にあげてきて良い?」


 やっぱり、笑顔。


――――――――――――――――――――――――

スマイル100円、頂きました。

――――――――――――――――――――――――


 飴のスキルは、持久力+1か。

 キャラメルのキャッチコピーがたしか、一粒食うとなん百メートルが走れるだったかな。

 まあ、良いや。

 そんなに害はない。


「ああ、みんなに持っていっていいよ」


 スマイル100円が続々と貯まっていく。

 200円もしない飴で4000円ぐらい儲かった。

 孤児院はコスパがいいな。

 こういう場所を回って歩くのもいいかも。


 メグが戻って来た。


「街の子供達とは遊ばないのかい?」

「仲のいい子は何人かいるわ」

「その子達にも飴を持っていってあげたらどうかな」

「そんなのずるい」


「何がずるいんだ?」

「彼女らは家も家族もいるのよ」


「妬んでるのかい?」

「ううん、そうじゃないけど。そうじゃないけど……。ええと、笑わない?」

「笑わないさ」

「タイセイがお父さんだったら良いなと思って。お父さんはよその子に、物を頻繁にあげたりしないでしょ」


 ああ、そうか。

 メグは俺を友達に取られると思ったのか。


「メグは特別だよ」

「どう特別なの?」

「この街に来て友達の第一号だ」

「そう、友達……」


 メグは落胆したようだ。

 元気づけるにはどうしたら良いだろう。


「メグはパートナーだ。俺の商品を最初に試してもらう」

「パートナー! 私、パートナーになる!」


――――――――――――――――――――――――

スマイル100円、頂きました。

――――――――――――――――――――――――


 メグの機嫌が直ったようだ。


「パートナーには色んな味の飴を試してもらう。大変だぞ」

「うん、頑張る」


 コーヒーキャンディ、キャラメル、黒飴、キシリトールキャンディ、ヨーグルト味のキャンディを出す。

 メグは飴を舐め始めた。


「凄く幸せ」


――――――――――――――――――――――――

スマイル100円、頂きました。

――――――――――――――――――――――――


「何で幸せなんだい?」

「えへへ、秘密」


――――――――――――――――――――――――

スマイル100円、頂きました。

――――――――――――――――――――――――


 幸せそうな笑顔を見ていると理由はどうでも良いと思えてきた。

 このスマイルラッシュが長く続けばいいな。


Side:メグ


 私がパートナー。

 パートナーという事はお嫁さんよね。

 家族よね。


 タイセイは色んな味の飴を出してきた。

 こんな色々な種類の品物をどこから仕入れているんだろう。

 きっとタイセイはやり手の商人なのね。

 その証拠に出してもらった飴はどれも美味しくて、人気商品になると思った。


 商品を見る目が凄い。

 くやしいけど、商品の上下がつけられない。


 どれも美味しくて笑みがこぼれる。

 駄目よこんなんじゃ。

 パートナーなんだから。


 飴を持って街に出る。

 よく遊ぶ子供達がいたので声を掛けた。


「孤児院にタイセイという大商人が来ているの。私と仲良くしてくれるみんなに、飴のお土産だって」

「変なの。大商人とメグは関係ないだろ」

「私はパートナーなのよ」

「そうなのか」


「私、お土産を早く食べたい」

「ちょっと押すなよ」

「仲良くね。食べたらタイセイに感謝するのよ」

「うん」


 遊び仲間達が飴をもらい笑顔になる。

 タイセイは喜んでくれるかな。

 笑顔になると分かるみたいだから。


「美味いな。果物が口の中でダンスしてる。えっ、ステータスが上がった」

「ほんと美味しいね。うん、果物の味で口の中がいっぱい。私もステータスが上がった」

「これってどこで売っているのかしら。べっこう飴なんて、これ食べたらもう満足できない」

「小遣いで買えるのなら欲しい」


「じゃじゃーん、注文書よ。それと印章」

「うわ、すげぇ。印章じゃないか」

「みんな印章を持てるのよ。ちなみに飴は一袋大銅貨1枚」


「少し手伝いをしたら買えるわ」

「そうね」


「欲しい人は注文書に印章を押してね」


 私は朱肉のふたを開けた。

 名簿の登録をしないと。

 名簿に印章を押して名前を書いてもらう。


 えっと、名前が読めない。

 そういう場合は、横に似顔絵を描くんだった。

 上手く描けないけど、私なら判別できる。

 自分で描いた絵を忘れたりしない。


 色使ってあるから、髪の毛の色と目の色だけでも判別可能。

 タイセイって賢い。

 この色のペンも不思議。

 インクを付けてないのに描ける。


 注文は少ないけど、私なら大金ね。

 大商人なら、はした金でしょうけど。


 でも、こんな美味しい物を大銅貨1枚で売って大丈夫かな。

 きっとタイセイには何か考えがあるんだわ。

 失敗したら、私がフォローしてあげないと。

 だってパートナーだから。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ