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3045  作者: みむめも
66/204

????/??/?? 良い子悪い子

 ボールから毛布を取り出し、運び、それを一人一人にかぶせる。その三つの作業を三個のアガートラムは延々と繰り返した。途中、毛布がなくなったのか、違うボールから取り出すようになったが、それでも結局、やっていることは全く変わらず、同じことであった。


 一番初めにセンが受け取り、アール、ロックがそれに続き、四番目となるが最初に並んだ女の子が毛布を受け取る番が来た。女の子は毛布を持ってゆらゆらと近づくアガートラムから逃げるように体を背ける動きを見せるが、逃げるより早く上から毛布を被せられた。


「キャッ!」 


 その子が小さな悲鳴を上げたが、アガートラムは気にすることなく女の子の傍を離れ作業に戻る。その隣、またその隣でも同じようなことが起きる。毛布を受け取った子供は互いに顔を見合わせて、特に何も変わりないことに安堵したのかほっとした表情を浮かべる。


 それが四、五人続いたあたりから、アガートラムの方に寄せる子供たちの目に少し変化が現れる。特に怪しいところはないと分かり始めて、色々と様々な動きを並んだ子供、並ばなかった子供が見せ始める。


 例えば、規則正しいサイクルで回るアガートラム忙しそうに目で追う子供、自分の前に並んだ子供の数を数えて、あと何週回れば自分のところに毛布が配られるのか何度も数える動きを見せる子供、受け取った毛布にくるまれた子供は空を浮かぶアガートラムをどこか憧れた表情で眺めている。そして、並ばなかった子供たちは受け取った毛布にくるまれた子供を恨めしそうに眺め、浮かぶアガートラムをじっと観察し、毛布を抱えたボールの方を見つめる。


 子供たち全員の目はアガートラムの方に向くようになった。


 何周したのだろうか、毛布を受け取っていない子供が残り三人となると子供に毛布を配ったアガートラムはボールの方に向かわずに私の前にやって来た。その次の子供に配ったアガートラムも、そして、最後の子供が毛布をアガートラムから受け取ると、その最後のアガートラムもやはり私の前に並んだ。


 当然のように子供たちの目は私の方に向いていた。


―並んだシードへの毛布の配布を終了しました。残りはどうしましょうか?

「え、いや、」


 全てのアガートラムが並んで、こちらを離れずに浮かんでいたアガートラムのいつもの声で今後どうするか聞かれる。


―すべてのシードに配布するために用意しましたが、並んでいないシードへの配布はどうしたらよいでしょうか?


 子供たち全員に配れと私は言った。毛布は並んだ子供に配るとアガートラムは言い、そして、並んだ子供にはすべて配った。さて、残りはどうしますか。アガートラムの質問にどう答えようか考える。


 意地を張って並ばなかった子供たちの目がこちらをじっと睨みつけるように突き刺さる。

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