アルレイシア学院
初投稿です。
誤字などもあるかもしれませんが、ご了承ください。
「…やっちまったなー…」
ある街の広場の中央で白い光の粒子のようなものが浮かび、白と黒の剣を左右の手にもった少年が中心に立っている。
「なんなのよこれ…」
金髪の少女がつぶやくように言った。
当たり前だ、先ほどまで広場にいっぱいだった敵が、瞬く間に光の粒子へと変わったのだから。
これからどうなんだろ俺…
別に迷ったわけじゃない。ただ現在地がいまいちわかっていないだけだ。
…はい、迷いました。だってこんな大雑把な地図と言えるのか分からない紙きれを渡されたところでたどり着けるわけないだろ!
どこまで行けども緑ばかりの道を進みながら、黒髪の少年は心の中で叫んだ。
野営の準備しようかな…
今日中の到着は諦め、野営できそうな場所を探していると、青白い光が見えた。
ん?なんだ?
近づいていくとそこには、小さな魔法陣がありそこから青白い光が発せられている。
なぜこんなところに?と不思議に思っていると、正面から1人の少女が現れた。
少女もこちらに気付いたらしく、しばらく顔を見あって、同時に
「「あー!!」」
お互いにあの時の人だと気付いたらしく驚いたような声をあげた。
あの時はよく見れなかったが、あらためて近くで見てみると、金色の髪はポニーテールにしていて、眼は赤く、身体は少し小さいだろうか。しかし、正直言ってかなり可愛い。こんな子も戦っているのだと思うと心が痛い。
「あなたあの時の人でしょ?こんなところで何してるのよ」
見惚れていたら少女の声で現実に引き戻され、道に迷ったと言うかどうか言いよどんでいると、
「わかった!道に迷ったんでしょ?それでこの魔法陣を見つけて不思議に思ってた。どう?違う?」
かなりと言うかまるでそのままだ。もう言い訳はできないと思い正直に言う。
「そうなんだ、この森広くて道に迷っちまって。それでこの魔法陣はどういうものなんだ?」
魔法陣には様々なものがある。武器が現れたり、触れたとこから灰になってしまうものもある。だからうかつには触ることはできないのだ。
「大丈夫よ、ただの転送魔法陣だから」
といって彼女は魔法陣に近づき
「あなたも行くでしょ?」
そう言って手を差し伸べてくる。
「あぁ、行くよ」
そして彼女の手を取ると、身体が宙に浮くような不思議な感覚がし、思わず目を閉じてしまった。
「さぁ着いたわよ!」
目を開けるとそこには城とでも言うべき巨大すぎる建物があった。
この世界には悪魔と呼ばれる人を襲う敵が存在する。その正体は謎だらけだ。どうやって生まれるのかすら謎である。人はそれに対抗するために天使と呼ばれる存在と契約を交わし、力を得ることで悪魔に対抗してきた。
しかし、天使と契約を交わすことができる者はごくわずかしか存在せず、しかもそのすべてが女の子なのだ。
だから世界連盟は契約の才能をやどすものを集め、このアルレイシア学院で悪魔に対抗するための力を学ばせている。
ではなぜこんなところに俺みたいな男がいるのか。それは
「ところで、なんであなたは天使と契約することができてるの?」
…まぁこうゆうことだ。
そう、俺はなぜか男なのに天使と契約を交わすことができてしまう。理由なんてわからない。できたんだから。
「まぁいいわ。それは後でまた聞くことにするから。ほら着いたわよ」
「ありがとう。おかげで助かった。」
とうとう着いてしまった。できれば来たくなかったというのが本音。
「いいのよ。…じゃあ私はこれで」
そう言って彼女は行ってしまった。
あ、名前くらい聞いとけばよかった
しかしもう彼女の金色の髪は見えず、さすがに後を追う事まではしようと思わなかった。
そして問題の扉に手をかけ、意を決して嫌な予感しかしない学院長室に入った。
「久しぶりだなハヤト。ずいぶんと遅かったじゃないか?」
灰色の髪をした、大人びた雰囲気の女性が窓の外を見ながらこちらに話しかけてくる。
「あのなぁ…あんな雑な地図じゃたどり着けるわけないだろ!」
「いいじゃないか、たどり着けているのだから」
そう言って、ふっと笑う。
その言葉や笑い方に少しイラっとする。
「ベアトリス!あんたのそう言ういい加減なところが嫌なんだよ!」
「落ち着け。お前には2つほど大事な話があるんだから」
軽く流されてしまった。昔から変わってねぇ…
「まず1つ目はお前が天使と契約できることについて、皆さんの前で披露してしまったからなー?問題になった件だ。」
そうあの後、俺が天使と契約できることがバレたため問題になった。なにせ女性しか契約できないはずなのに、男が契約できてしまったのだから大変だ。それで処分が決まるまで王都でお世話になっており、処分が決まったのでこうして学院まで来たという事だ。
「…で?どうなったんだ?」
「おとがめなしだ」
「…は?」
え?なんもないの?まぁ嬉しいけどそれだけなのか?
やはり何かあるのではと疑い気味になってしまう。
「よかったじゃないか、まぁ別に悪い事はしていないのだから当たり前だがな。」
確かに悪い事はしていない。当たり前といえば当たり前なのだ。少しほっとする。
「そして2つ目は…。ハヤト、お前にはこの学院で生活してもらう」
…ん?え?いまこの人なんて言いました?この学院で生活しろと?この女の子だらけのこの学院で?
「嫌です」
「なぜだ?なにが不満だ?この学院には女の子ばっかりだぞ?あわよくばハーレムという事にも…」
「それが困るんだよぉ!!女の子が嫌いなわけじゃないけど、それはまずいだろ!?てか学院長のあんたがそんなこと言っていいのかよ!?俺は嫌だぞ!帰るからな!」
そうして学院長室から出ようとする俺に後ろからベアトリスが話しかける。
「ハヤト、よく考えてみろ。いまお前が戻ったところでどうする?お前は皆に天使と契約しているとバレてしまっている。今まで通りの生活ができると思っているのか?」
…無理だ。できるわけがない。このままここを出ても生きていくことが困難になってしまう事をベアトリスの言葉で認識した。
「…手続きは…必要なのか?」
「安心しろ。もう済ませてある。」
こいつ最初からこうなる事をわかって…!
もう諦めたほうが良さそうだ。
…それに女の子ばかりに戦わせるのは気が引けるというのが本音だからだ。
こうして俺の学院生活が始まった訳だが、上手くやっていけるのだろうか…
「そうそう、今は部屋に空きがなくてな、お前の寝る場所がないからな、誰かの部屋に住まわせてもらえ」
もうダメかもしれない…
最後まで読んでくださってありがとうございました。




