プロローグ
2000年前に封印されていた邪神が復活した。
それ以降、世界各地には魔物が出現し、人々の生活は魔物によって脅かされている。
街と街を繋ぐ街道に魔物が群れで現れたと通報があり、王国騎士団が討伐に向かった。
自分はその討伐隊の隊長に任命された。
今はその討伐が終わり帰路の途中だ。
「隊長、報告です。この先の森で少年が1人、ゴブリンに襲われている模様。」
「少年か……盗賊の類いではなさそうか?」
「はい。一応確認しましたが、周りに人がいる痕跡はありません。」
盗賊がわざと少年や少女に魔物をけしかけて、それを救おうとした人を背後から襲い金品を強奪する事がある。
それかと思ったが、近くに人のいる痕跡が無いのなら森で迷った人が襲われているだけだろう。
「しょうがない、みんな討伐後で疲れているだろうが、その少年を助けに行くぞ。」
「「「はい!!」」」
部下達はみんな頼もしく返事をしてくれた。
急いで森に向かうと、報告通り、少年がゴブリンに追いかけられていた。
「よし、助けるぞ!!」
ゴブリンに向かい突撃して行った。
王国騎士団にかかればゴブリンの群れ程度は道端の石ころ同然であっさりと蹂躙した。
「少年、大丈夫か?」
少年はフラフラしながらこちらに向かってきた。
そして
「あ、ありがとう…ござます………」
そう言いながら少年は倒れてしまった。
「お、おい、大丈夫か!?」
慌てて少年を抱き上げが、大きな怪我はなさそうだった。
おそらく、極度の疲労と緊張からの解放で気を失ったようだった。
とりあえずホッとしたが、ふと少年の右手の甲を見ると痣があった。
「この痣は……」
その痣をみて思わず驚いた。何故なら、記憶違いでなければこの痣は光の紋章と呼ばれる痣だからだ。
光の紋章を持つ者は世界を救う英雄になると言われている。その痣が本物で、その言い伝えが本当なら………
「救世主?光の英雄……なのか?」
「隊長、その少年どうしますか?王国まで連れていきますか?」
「あ、あぁ、そうしよう。」
本当に光の英雄なら王国でまず保護すべきだろう。違ったなら、自分の故郷に帰ってもらえば良いだけだ。
そう思い少年を担ぎ上げ王国へ向かった。
この少年が後々に自分の未来を暗くする存在だとは思わずに………