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碧い月へ  作者: フレーズ
29/36

最後の砦

愛とは求めるものじゃない


相手に与えるものだ


何かを期待した時点で


それは愛とは言えなくなる


そう考えると私の気持ちは


愛とは違うのかも知れない


ただひたすら思い続けた


初恋とは違って


いつも何かを待っている


電話だったり


メールだったり


優しい言葉だったり


温もりだったり


強く願うことは


その時々で違っていたりするけど


貴方からの何かを


いつも期待して待っている


昨日はメールだった


電話なんて贅沢は言わないから


メールだけは欲しかった


だって


私を思い出してくれたってことだもの


本当は誕生日なんてどうでもいいの


この歳で嬉しいはずないんだから


ただね


貴方の気持ちは計れるんだよ


私を何センチ思ってくれてるか


何秒かは思い出してくれたか


ねえ


昨日は私を思い出した?


誕生日を覚えてなくてもいいけど


少しは私を思い出してくれた?


一日の内のほんの一瞬でも


私を思ってくれた?


思ってくれたならいいんだ


私だってそれなりに楽しい一日だったし


ちゃんと覚えていてくれた人はいたからね


例え電話をくれなくても


メールをくれなくても


誕生日を覚えていてくれなくても


貸したものを返せなくても


そんなことはどうでもいいんだよ


全ては想定出来ていることだもの


ただこれだけは譲れない


一日の内でほんの一瞬でもいいから


私を思い出して欲しい


ほんの少しでいいから


私を思って欲しい


それが愛とは言えなくても


それだけは期待してもいいかな?


願っていてもいいかな?


それが多分


私の最後の砦になると思うから


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