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6月21日 賢者アナルゴと正統派ヒロイン修行編

6月21日


 最近はスーパー銭湯のリラクゼーション・バブルマシーンにハマって実家に帰ってなかった。


 久し振りに帰ってみると、おじいちゃんが「鬼孫じゃ! 鬼孫が帰って来おったぁ!」とか喚いてどっかに走って行った。


 なんか予感がしたんで、犬小屋を見に行くと、そこに体育座りしている大悪魔(アークデーモン)がいた。おじいちゃんはアークデーモンに頬ずりしながら「この子だけはぁ! この子だけはぁ!!」とか泣き喚いている。


 そんな時、騒ぎを聞きつけたお母さんが、「あ! おじいちゃん! また拾ってきて! ダメだって言ったでしょ! うちじゃ飼えません! 元いたとこに戻してらっしゃい!」と怒っていた。


 「せっかくレベル99まで育成してたのに……」とかブツブツ言ってたけど、さすがにお母さんには逆らえない。


 おじいちゃんはしょんぼりして、「行くぞい。デビの助……」と、大悪魔の手綱を引いて家を出て行く。


 お母さんは私を見て、「どうしたの? そんな女の子みたいな格好して」とすっとぼけたことを抜かしてきたんで、「私は元から女の子だ」と返したけど、お母さんの興味は一緒に連れてきたロリコに移ったみたいで、「あら、お友達? 可愛い子ねー。都会の子はやっぱ垢抜けてるわ〜」とか言ってる。これ遠回しに、私が田舎のイモっぽい娘って言ってないか?


 私が友達を連れてきたのがそんなに珍しいのか聞いたら、「だって、アンタ、お友達連れてきても息していないか、ほぼ半死半生だったじゃない。蘇らせるのだって、大変なんだから。生きた友達なんて珍しいし」とか言い出して、ロリコが引きつった顔をしていた。


 お母さんはロリコに「今日のお夕食は、ロリコちゃんの好きなもの作るから〜」とか言い出したんで、「特上寿司」と言ったら頭をはたかれた。不公平すぎる。


 結局、ロリコの要望通り、煮込みハンバーグなんてものを食わさせられる。こんなガキの食い物なんて、最近レストランのグルメに舌が肥えた私には満足できない。


 ご飯時、今日、近くでアークデーモンが出没して、付近の町がひとつ滅ぼされたってニュースがやっていた。政府が非常緊急事態宣言を出したそうだ。


 「物騒な世の中でいやねぇ」とお母さん。


 おじいちゃんは無言だったけど、私が「どっかの馬鹿が面倒くさがって、その辺に悪魔を捨てたんじゃね?」と言ったらビクッとしてた。


 まあ、お母さんは鈍いから気づいてないみたいだけど。これで来月のお小遣いは抵抗されずに満額で貰えそうだな。

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