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魔装機マナリリアン  作者: ロア
   character episode
98/120

ベルナンデス家の章

▶︎ブリタン・ベルナンデス


 私はベルナンデス家の長女

 妹は2人

 10歳年の離れた妹と

 13歳年の離れた妹がいる


 私の戦いはあの日から始まった・・・・・




 燃え広がる火の海に包まれた町

 私の手には3歳と6歳の妹達が....


 13年前・・・・・私が16の時だ


 私の村は魔物に襲われ

 家も母も父も全てを失った、

 残されたのはベルナンデス家の私と

 妹のアモタンとハルタンの3人だけ.....


 レインオラクルと呼ぶ土地は

 ローズストーンに近く

 ローズストーンから凶暴な魔物が度々現れた


 国同士のイザコザで

 ローズストーンの機士も

 ディナガードの機士も私達を助けようとはしない


 レインオラクルに産まれた者は

 レインオラクルと呼ぶ土地で

 生きていかねばならない・・・・

 それがどんなに苦しくても・・・・


 私には魔女の才能があり

 魔装機を動かす技術も持っていた


 私は魔装機に乗り、妹達を養う為

 魔物を倒して賞金を稼いでいた


 6歳のアモタンは

 必死に戦う私の背中を見ていた


 アモタンは冷たい手で私の手を握り

 3歳のハルタンは

 悪魔にうなされながら眠っていた....


 妹達のお腹の音が鳴り

 このままでは駄目だと私は思った....

 もっと魔物を倒して金を稼がないと

 私が妹達を養わなければ!




 17の時だった・・・・・

 私は初めて人を殺した・・・・・


 魔物退治だけでは妹達に美味しい食事を

 食べさせる事ができなかった・・・・

 魔装機を修理するのにも金が必要だ、

 魔装機も金も無ければ私達は死んでしまう


 私は少し大きな街に行き

 冷たい夜の地べたに座り

 誰かが通るのを待っていた


 酒場から出て来た男2人組は

 地べたに座る私を見て

 ヒソヒソとしながら近付いて来た


 肌や胸元が開けた貧相な服を着ていた私は

 男達にお金を恵んで欲しいと言った


 男達は私の体を見て

 好きにさせてくれるなら恵んでやると言った


 私は廃墟の民家に2人を連れて行き

 そこで男達を殺し金を奪った


 銀貨が数枚程度・・・・・

 魔物退治より少し多いぐらいだった・・・・・



 食事を食べ生きる為に

 魔物退治と男共を誑かし殺し金を奪った・・

 妹達と生きていく為に・・



 二年後



 そんな事を続けていたから

 私はレインオラクル国の機士に捕まり

 手足を縛られ

 ドルズと呼ぶ男の前に連れて行かれていた


 人を殺したのだ、

 処刑されても不思議では無い・・・だが

 幼い妹達には私が必要だった、

 こんな所で死んでなんていられなかった!


 ドルズと呼ぶ男はレインオラクル国の大臣で

 今この国で1番権力を持った男だった.....

 ドルズは私の魔装機乗りとしての才能を見込み

 国の機士として仕事をしないかと言った


 金と寝る場所が貰えるなら私はなんだってした


 私は機士と成り

 そこらの機士連中より多く国に貢献し戦った



 それから七年の時が過ぎ


 機士として活躍する私を

 妹達は尊敬の眼差しで私を見てくれていた


 14歳のアモタンは言った、

 私も機士になって姉さんの役に立ちたいと


 妹達のアモタンもハルタンも

 機士に成るのが夢になっていた、

 2人には危険な事をして欲しくはなかったが

 この国は力こそ全て

 力有る者は何をしても許される


 平民のような仕事より

 力を持つ機士の方が安全だと思った私は

 2人にも機士に成れと言っていた


 アモタンもハルタンも私が絶対に護る

 それが血の繋がった家族と呼ぶ物なのだから.....


 数年後・・・・・暗く何も見えない牢で

 私は昔の事を思い出していた


 私はヘマをして

 妹達を危険な目に合わせてしまった....


 私は殺される・・・妹達を護れず

 馬鹿な真似をした報いが来ただけだ・・・


 最後に言った言葉は

 妹のアモタンとハルタンの名前だった・・・


 耳障りな鉄の音が鳴り

 私の歩みはそこで尽きた....



➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖



▶︎アモタン・ベルナンデス


 私の名前はアモタン・ベルナンデス


 ベルナンデス家の次女で

 尊敬する姉さんのブリタン・ベルナンデスと

 ノロマで泣き虫のハルタン・ベルナンデスと

 3人でレインオラクル国で暮らしていた


 私は15歳で機士に入り

 魔装機に乗り姉さんと一緒に戦った


 任務を終え姉さんと一緒に家に帰ると

 12歳のハルタンは

 アモ姉だけズルイのだと

 私と姉さんの前でワガママを言っていた、

 どうやら 自分も私と姉さんと一緒に

 魔装機に乗って戦いたいらしい・・・・・


 弱虫でドジなハルでは

 私達の足手纏いだと私は思っていた、

 それに12歳のマナ量じゃ

 魔装機にも乗れないのに

 どうしてハルはいつもいつも

 ワガママを言うのだろうか・・・・・


 私が少し口を開くと

 ハルは涙を浮かべ泣き出してしまう・・・

 ヤダヤダとうるさいハルを

 叩いて言う事を聞かせてやろうと思っていたら

 姉さんはハルの前に座り

 何かの話をしてハルを納得させていた


 どうして姉さんはハルに甘いんだ・・・・・

 私とハルをここまで育ててくれた姉さんに

 こんなにも迷惑を掛けて居るってのに....


 私は姉さんに聞いた、

 どうしてハルを怒らないのかと・・・・・


 答えはシンプルだった・・・・・

 私達は血の繋がった家族だったから・・・・・

 それだけだった・・・・・


 姉さんは私達に言った、

 私はどうなっても良いけど

 アンタ達は生き続けるのさね・・・っと、

 それが姉さんの口癖だった...


 姉さんが死んだ後・・私は

 ハルと一緒に暮らせて行けるのだろうか?

 ハルだって

 姉さんが死ぬのなんて嫌だと泣いていた、

 それは私も同じ気持ちだった・・・・・


 姉さんは私達妹の母親の様な存在

 母親が死ねば子も後を追う物だと私は思った




 それから数年後

 妹のハルも魔装機に乗り機士になった


 私達ベルナンデス三姉妹の恐ろしさは

 直ぐにレインオラクル全土に広まった


 そして

 その時は唐突にやって来た・・・・・


 私達はヘマをしてディナガード国の機士に敗れ

 意識を失っていた私は

 強化魔女と呼ばれる実験台にされ

 姉さんは責任を取らされ処刑された・・・・・

 妹のハルだけは 姉さんの魔装機を奪い

 レインオラクル国から逃亡した・・・・・

 私達家族を見捨てて・・・・・・


 ローズストーン国襲撃作戦の時

 私は裏切り者のハルに出会い

 家族を見捨てたハルを殺そうとした


 ・・・・・だけど


 私はハルを本気で殺そうなんて思ってなかった...


 No.のバリルに

 ハルが撃たれそうになったのを

 私は庇い ハルの目の前で死んでしまった....


 妹のハルに

 こんな怖い思いをさせて姉失格だ....

 ごめん・・・ハル、ごめんなさい・・・姉さん


 ハル・・・・・貴方だけは絶対に死なないで


 この広い世界はハルや私達が

 知らない楽しい事だって沢山あるんだよ

 だから生き続けて、

 私と姉さんの分まで・・・・・



➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖



▶︎ハルタン・ベルナンデス


 私は友達のハヤトとヴァルゴと一緒に

 姉さん達の墓の前に来ていた


 お墓って言っても

 形見と呼べる物なんて何も無いし

 遺骨を木の下に巻いてもいない、

 瓶に花を入れ

 私の部屋に飾っているだけだ


 ヴァルゴは私の顔を見て

 姉さん達が死んでハルタンは悲しいかと聞いた


 とても悲しいし

 今でも姉さん達が生きていたら

 私はもっと喜んでいたかも知れない、

 だけど

 私をディナガード国に迎え入れてくれた

 デルクやレイナにノノカ それとネルが居た、

 それに今は一緒に居るだけで

 笑顔になれる友達だって私には居る


 ハヤトとヴァルゴが居るから

 私は悲しくなんて無いと言うと

 2人は無言でお墓の前で目を閉じ祈ってくれた


 ・・・ブリ姉さん、アモ姉

 空の上で見ててくれよな、

 私は絶対に生き続けてやるからな!

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