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魔装機マナリリアン  作者: ロア
   WORLD of END 8章
71/120

8章 波乱の戦い 59話-異世界人のお仕事

〈59-1 目を見る〉


ライル

『君がアケミくんだね、僕はライル

 試作品NIS-0773を開発した生みの親さ』



 俺とアケミは

 ナナミの状態をライルに見てもらうついでに

 アケミの事をライルに紹介していた


 ナナミの状態は至って健康で

 記憶以外の回路は正常らしい


 先日のピクニックで見た

 青い蝶の事をライルに話した、

 ライルなら何か知ってるかも知れない

 デルクやナラに聞いても

 あの蝶の事は謎のままだった



ライル

『ふむ、僕にも分からないな』


ネル

『そっか、ライルなら何か分かるかと思ったが』



 俺はガッカリと肩を落とし、アケミを横目で見ると

 アケミは何か悩んでいる様子だった


 ライルはアケミが悩んでる様子に気づき

 どうしたのか尋ねた


 しかしアケミは何でもありませんと

 何か誤魔化す様な感じで返事をした

 あの青い蝶の光に包まれて

 アケミは数秒間気を失っていた

 まさか昔の過去でも見て、

 嫌な事を思い出したのか?

 母親との出来事とか...


 俺もライルもそれ以上は彼女から何も聞かず

 その日は何事も無く帰る事にした



 俺はアケミにも

 学園の仲間や機士の人達を知ってもらおうと

 ハヤトやハルタン

 レイナ達を紹介する事にした



▶︎ハルタンとハヤトの部屋



ハルタン

『何だ?お前が噂の新入りか?

 私はハルタン・ベルナンデス

 この国の大臣デルクの妻だ!!』


ハヤト

『ハヤトです、はじめまして』



 ハヤトとハルタンは自己紹介して

 アケミも2人に自己紹介をした


 ハルタンはアケミが新入りだと思い

 アケミにジュースを買って来いと命令した

 その様子を見たハヤトは

 失礼ですよっとハルタンに言っていた



アケミ

『は?何で私が、アンタ私より年下でしょ

 アンタが買ってきなさいよ』


ハルタン

『グヌヌ、年齢を持ち出してくるとは卑怯な奴だ』



 アケミの迫力にハルタンは気圧されていた

 無理も無い、

 アケミは誰にでも従う人間じゃないし少し怖い


 悔しそうなハルタンを横目に

 ハヤトはアケミと俺に謝り

 ハルタンを連れ何処かに行ってしまった



ネル

『ハルタンは元レインオラクル国の人間で

 訳あって今はディナガード国の学生なんだ

 説明すると長くなるからまた今度話す』


アケミ

『あんなワガママそうな子、

 人生幸せそうで羨ましいわ』



 アケミはそう言うが

 ハルタンにも本当に色々合ったんだ


 俺とサラサと戦った事

 姉のブリタンやアモタンの事

 イモータリティってチームで

 一緒にローズストーン国の機士と戦った事も


 アケミにはアケミのツライ過去がある用に

 ハルタンにはハルタンの過去がある

 俺もハルタンの事を全て知ってる訳じゃない

 それでも

 アイツは過去を乗り越え今を楽しんでいる

 アケミにもそうして欲しいと思っていた



アケミ

『なに真顔でこっち見てるのよ、キモイんだけど』



 直ぐ人の事をキモイと言うのは直して欲しい


 俺はグッと我慢をして

 ディナガード国の機士の人達を

 アケミに紹介して回った


 レイナやノノカやマル

 サラサやレベッカ フタナにも


 俺はフタナに会って

 この前の事を思い出し顔を赤らめた

 フタナは気にして無い様子で軽く俺達に挨拶する

 なんて良い人なんだ



フタナ

『貴方がネルと同じ異世界人?

 私達と変わんないんだね』


アケミ

『....どうも』


フタナ

『仕事があるからまた今度ね、

 アケミちゃんバイバイ』



 フタナは元気に手を振って別れた


 ここまで

 余り人見知りそうでは無かったアケミだったが

 フタナにだけは何故か余所余所しい態度だった


 どうした?っと俺はアケミに聞くと

「あの人の目、苦手

 何処か野心がある目を感じる」っと言った


 アケミはフタナの事が嫌いなのか?

 あの人はとても良い人なのに

 機士の中では唯一俺に優しくしてくれる人間だ

 あの人を悪く言うアケミには

 キツく説教をしてやりたい気分だ



▶︎その夜 サラサとフタナの部屋


 フタナの前に 妹のフタマが立っていた

 フタマは苦しそうに姉の名を呼ぶ



フタマ

『怖いよ、死にたくないよ、助けてお姉ちゃん』


フタナ

『フタマ!!私の手を!!』



 フタナは手を差し伸ばすが

 あと少しの所で手を掴めない


 妹のフタマはドンドンと自分の手から離れて行く

 姉の名を叫びながら



フタナ

『フタマァァァア!!』



 フタナは悪夢を見て目を覚ました

 またあの夢 そうフタナは頭を抱えた


 フタナの声で目を覚ましたサラサは

 フタナの事を心配した



サラサ

『大丈夫フタナ?さっき...』


フタナ

『平気平気、ちょっと外の空気吸ってくるから』



 フタナは涙を見せないよう部屋から出て行った


 噴水のある広場のベンチに座り

 上を向いて涙を拭った

 けど

 それでも夢の事を思い出し涙が溢れた


 自分にとって1番大事な者

 自分の命よりも...



フタナ

『待っててねフタマ、

 直ぐに皆んなでそっちに行くからね』



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈59-2 貴族の少年1〉


 俺とアケミは

 とある貴族の家に招かれていた



貴族の夫

『私達がローズストーン国に旅行に行くので

 その間息子の事を面倒見てくれないでしょうか』


貴族の妻

『屋敷にはメイドや執事も居りますが

 11歳の男の子を1人で屋敷に残すのは心許なく』



 どうやら

 俺達に息子の面倒を見て欲しいとの依頼のようだ

 どうして一緒に

 ローズストーン国に旅行に行かないのか

 俺は2人に聞いてみた


 2人が言うには

 息子は家から出たく無いようで

 外の世界にトラウマが有るらしい


 トラウマの理由は話してくれなかったが

 そう言う事なら俺達がその子の面倒を見ましょう‼︎


 依頼主は俺達に

 あくまでメイドと執事の仕事として

 息子に触れ合って欲しいと言って来て

 俺達に

 子供用の執事の服とメイドの服を貸してくれた


 俺とアケミは服を着替え

 お互いの服を確認した


 現役女子高生のメイド姿など

 とてつもない破壊力が有るのだろうが

 着ているのがアケミじゃ破壊力皆無だ


「こっち見んな変態!!キモ男!!」

 そうアケミは俺を罵った

 誰がお前なんて見るかよ



貴族の夫

『それでは息子の事は頼みましたよ』



 俺達は貴族の夫婦を見送って

 3日間子供の面倒を見る事になった


 早速、俺はその子に挨拶をしようと

 アケミを連れその子の部屋に向かった


 子供の名前はフィリップ・リグランド

 リグランド家の跡継ぎになる子供だ


 俺は優しくドアを2回ノックして

「初めまして、今日から3日間だけ

 執事とメイドの仕事を頼まれました

 ネルとアケミです」っと自己紹介をした


 しかし、返事は返って来なかった


 俺は少し嫌な予感を感じ

 失礼しますも言わずにドアを開けると

 フィリップは窓の外を見ながら俺達に言った



フィリップ

『無断で部屋に入るなんて失礼な奴らだな』



 どうして窓の外を見てるのだろう

 外の世界にトラウマが有ると聞かされていたが


 フィリップは窓のカーテンを閉め

 俺とアケミに言った

「両親に頼まれて俺の面倒を見に来たんだろ?

 両親ならもう見えなくなったよ

 お前ら今日は帰っていいぞ、

 3日後

 両親が帰って来る時にまた屋敷に来たらいい」


 あらら、全てバレてた様だな

 そうは言われたが

 俺は仕事で来てるんだ

 分かりましたで帰るわけには行かない


 アケミは部屋の中にあった

 木彫りの何かを見つけ コレは何?っと言った


 アケミがそれに触ろうとすると

「触るな!!」っとフィリップは大声を出し

 俺達を部屋から追い出した


 アケミが見つけたのは

 木彫りのホーンウルフだった


 ホーンウルフは俺がこの世界に来た時

 1番最初に襲われた魔物だ

 でも魔物の木彫りがどうしてあんな所に?


 する事も無くなった俺は

 屋敷の掃除でもするかとアケミに言った



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈59-3 貴族の少年2〉



 屋敷の掃除が終わり、メイドが作った料理を

 俺はフィリップの部屋に運んだ


 フィリップはまだ居たのかと呆れ

 机に置いといてっと言われたので

 俺は料理を机の上に置いた


 机を見ると

 木屑がパラパラと落ちていたのが目に付いた

 なんだろう?と思ったが

 俺は何も聞かずやる事をやって部屋から出た


 その夜

 定時になって屋敷のメイドや執事は

 俺とアケミを残し家に帰った


 この家に残って居るのは

 俺とアケミとフィリップの3人だけだ



アケミ

『暑苦しい、いつまでこの服着てればいいのよ』



 そう言うとアケミは上服を脱ぎ始めた


 オイオイ、何やってんだコイツ

 着替えるなら別の場所でやってくれ


 アケミは俺の存在に気が付き

「何見てんだ変態!!」

 っと訳の分からん怒り方をして

 俺を殴ってきた


 ふざけんな!!今のは俺は悪く無いだろ!!


 もう寝るから何かあったら起こしてと言って

 アケミは借りていた自分の部屋に行った


 身勝手な奴だ、

 ナナミが居たら楽しく仕事をこなせてたのに

 そう俺は考えていた


 屋敷の戸締りを確認して

 俺も寝ようと部屋に戻ろうとした

 すると

 フィリップの部屋の灯りがまだ点いていて

 部屋からはキリキリと何かを削る音が聞こえた


 なんだろうと思った俺は

 ゆっくりフィリップの部屋を覗き見た


 フィリップは机にロウソクを照らし

 ナイフを使って木を削っていた

 部屋を暗くしてロウソクの光だけで

 そんな事をしていたら目を悪くする


 部屋のドアを開けフィリップに

 部屋を明るくするよう言った



ネル

『目を悪くしますよ』


フィリップ

『まだ居たのか、

 お前には関係ないだろ さっさと寝ろよ』



 そうは言うが

 俺は依頼で頼まれた雇われ人だ

 それにフィリップともう少し仲良くもなりたい


 何を作ってるのか気になり

 俺はフィリップに聞くが

 フィリップは何も答えなかった


 机の上を覗き見ると

 犬の形をした木彫りの何かを作っていたようだ

 しかし 向こうに置いてある

 木彫りのホーンウルフと比べれば

 余りにも下手だと思うレベルだった


 気は済んだか?っとフィリップに言われ

 俺は謝り 自分の部屋に戻った


 フィリップは木彫りのホーンウルフを

 作ろうとしてるのだろうか?

 しかしあのレベルじゃ

 完成するまで何年掛かるか分からないな


 その日は大人しく寝る事にした


 そして早朝の出来事


 玄関からフィリップの叫び声が聞こえ

 俺は飛び起き自分の部屋を出た


 叫び声で同じく起こされたのか

 隣の部屋のアケミも慌てた様子で部屋の外にいた



アケミ

『アンタ!!フィリップの事見てなさいよ!!』


ネル

『仕方ないだろ!!俺だって寝るよ!!』



 こんな事で口喧嘩してる場合じゃ無い

 俺達はフィリップの声が聞こえた

 玄関フロアに走った


 フロアに到着すると

 フィリップは冷や汗を流し

 外の扉を開け倒れていた


 大丈夫か!!っと心配した俺達は

 フィリップの側に駆け寄ると



フィリップ

『・・・心配無い、俺は自分の部屋に戻る』



 その一言だけ言って

 自分の部屋に歩いて行った


 一体何だったのか俺達には分からない

 アケミは「何なのアイツ」っと言って

 自分の部屋に戻って行った


 フィリップは外にトラウマがあると聞かされたが

 外に出ようとしてたのか?どうして?


 俺は外に出て空を見ると

 今日も凄く良い天気だった


 やがて雇われていたメイドや執事が来て

 俺とアケミもメイドと執事の仕事をした



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈59-4 貴族の少年3〉


 2日目

 俺とアケミは何事も無く

 メイドと執事の仕事をこなしていた



 アケミはフィリップに昼食を運ぶと

 フィリップはアケミ達が

 ディナガード国の機士なのか問い掛けて来た


 アケミは答えた

 自分は機士では無いが一緒に来ている

 チンチクリンのガキはディナガード国の機士だと


 それを聞いて フィリップの表情は曇った



フィリップ

『機士は嫌いだ、狩り人も人間も...』


アケミ

『・・・・・あっそ』



 そう愛想のない返事をして

 アケミはフィリップの部屋を出ようとした


 自分の事を話さないフィリップに

 アケミは少し嫌気を差していた


 部屋を出る前にアケミは言った

「自分の事を話さないと...

 誰も貴方の事を理解出来ない

 言いたい事があるなら...言うべきじゃ無いの」


 アケミは自分で言った言葉を自分に照らし合わせ

 それは自分だと気付かされた


 さっき自分で言った事だって

 ネルに言われた言葉を

 フィリップに言っただけだった


 それが悲しくてなのか悔しくてなのかは

 分からないがアケミは涙を流していた

 フィリップはどうしてこのメイドが

 泣いているのか理解出来ず

 心配する様に言葉をかけた



フィリップ

『どうして泣いてる?』


アケミ

『ああムカつく、アイツに言われた事が

 そのまま自分に返ってくるなんて!!

 本当ムカつく!!』



 突然逆ギレするアケミにフィリップは戸惑った


 アケミはイスに座り

 フィリップに自分の事を全て話した

 溜まった不満を吐き出す様に

 ネルや機士に話せなかった事も


 異世界の事や

 レインオラクルでの奴隷生活の話を聞いて

 信じられない様子でフィリップは聞いていた

 だけど

 真剣に話すアケミの目を見て

 フィリップはそれが嘘だとは思わなかった



アケミ

『それで今はアイツの手伝いをしてるワケ

 まぁ、信じられないでしょうけど』


フィリップ

『・・・・信じるよ、

 奴隷だった事も異世界の事も...

 とてもツライ思いをして来たんだな.....

 それに比べたら俺の悩みなんて..』



 アケミの話を聞いて

 フィリップも自分の話をしようかと悩んだ

 しかし

 アケミと自分の苦悩を照らし合わせると

 その悩みが薄く感じ

 話しても分かって貰えないかもと思っていた


 話しづらそうなフィリップを見て

 アケミは言った

「人によって悩みの大きさは違う

 相手から見たら小さな傷でも

 自分にとって大きな傷になる事もあるから」っと


 フィリップはそう言ってくれ

 話やすくなったのか

 自分の過去を話した

 後ろにある木彫りのホーンウルフを見ながら



「5年以上前、僕は両親と森にピクニックに出かけた

 そこで4歳の僕は迷子になり

 両親にとても迷惑をかけた

 僕が見つかると僕の手には

 小さなホーンウルフの赤ちゃんが居た

 両親は魔物だと怯えたが

 その赤ちゃんは今にも死にそうなぐらい震えていた

 僕は助けたかった、それが魔物でも

 僕は両親に無理を言って

 ホーンウルフの赤ちゃんを助ける事にした

 ミルクを飲ませ 毛布で温めたり

 数日でホーンウルフの赤ちゃんは元気になり

 僕はその赤ちゃんを森に返す様に言われた

 僕は嫌だった、だけど

 魔物と人間は一緒に暮らせないと知り

 僕は泣きながら

 ホーンウルフの赤ちゃんを森に返した

 それから半年後

 少し大きくなったホーンウルフが

 屋敷の前にやって来て

 僕を見つけて僕の顔をペロペロと舐めた

 間違いない、このホーンウルフは

 この前助けたホーンウルフの赤ちゃんだと

 僕は1早くに気づいた

 僕は両親に言って

 そのホーンウルフを飼いたいと両親に無理を言った

 両親は反対したが、僕の必死のお願いに

 両親は仕方なく納得してくれた

 魔物を飼ってると誰かに知られれば

 直ぐに処分されると教えられ

 僕は屋敷の中でホーンウルフを飼って名前も付けた

 ラッシュって名前を

 それからラッシュが僕の1番の親友だった

 楽しい時も悲しい時もいつもラッシュと一緒だった

 それから五年後

 僕とラッシュはスクスク成長した

 僕も大きくなったけど

 ラッシュはもっと大きくなっていた」



 そんなある日の事だった

 フィリップと同学年の

 9歳の女の子2人が屋敷に来ていた

 屋敷にやって来ていた他貴族の女の子達に

 フィリップはイジメられていた


 この家には女性の魔女も居なく

 弱いフィリップだけだと言われ



貴族の娘A

『どうしたのさ泣き虫、私は機士になるのよ?

 その私の命令が聞けないの?』


貴族の娘B

『そうよそうよ、機士にもなれない泣き虫!!』



 フィリップはえ〜んえ〜んと泣いていた

 何も言い返せず 何も出来ず


 それを見ていたホーンウルフのラッシュは

 フィリップの部屋の窓から飛び出して

 フィリップを助けた


 突然ホーンウルフが現れて女の子達は驚いた


 女の子は石を拾いホーンウルフに投げた


 危ないとフィリップはラッシュを庇い

 頭に石をぶつけてしまった

 フィリップの頭からは血が流れ

 ラッシュは女の子の1人に噛み付いた



貴族の娘A

『あぁぁあ、痛い、痛いぃぃ』



 女の子達は泣きながら何処かに走って行った

 フィリップは噛まれた女の子を見ると

 噛まれた場所からは血が流れてなかった


 ラッシュは牙を立てず

 軽く女の子達に脅す為噛み付いたのだ

 フィリップを助ける為に...


 しかし

 その事が街に広まり

 やがてディナガード国の機士が

 魔物が居ると連絡を受け

 リグランド家の調査に入った


 ラッシュは直ぐに見つかり

 機士達の手によって処分される事になった



フィリップ

『嫌だ!!

 ラッシュは僕の親友なんだ!!家族なんだよ!!』


貴族の娘の父

『ささ、機士さん

 早く殺してくだされ、こんな恐ろしい魔物!!

 リグランド!!こんな危険な魔物を買って

 ウチの娘が噛まれたんだぞ!!』



 フィリップの父は深く深く謝罪していた

 ラッシュに噛まれた娘さんの親御さん達に


 ディナガード国から来ていた機士の

 セリアとミリアルドは

 大人しく暴れもしないホーンウルフを見て

 少し何かを考えていた


 ホーンウルフのラッシュは

 自分がしでかした事を理解していたのか

 泣き声一つあげず

 フィリップの顔を悲しそうに見ていた


 それを見たセリアは

 自分ではこのホーンウルフを殺せないと思った



ミリアルド

『セリア...私が変わろうか?』


セリア

『いや、私がやる

 ディナガード国の機士隊長として』



 そして

 フィリップの目の前でラッシュは処分された


 五年もいつも側にいた掛け替えの無い家族が



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈59-5 貴族の少年4〉


 フィリップの話を聞いて

 フィリップもアケミも涙を流していた


 今まで家族以外に言えなかったツラさが

 フィリップは溢れ出て涙を

 ポロポロとポロポロと流し続けた


 アケミはフィリップを抱きしめ

「しんどかったね、頑張ったね」と励ました



▶︎ネル


 俺はフィリップの部屋から

 帰りの遅いアケミの事を心配していた



ネル

『何やってんだアケミのヤツ

 まだ仕事は残っているのに』



 俺はノックするのを忘れて

 フィリップの部屋に入ると

 子供のフィリップと

 女子高生のアケミが抱き合っていた



ネル

『うわ!!』



 とんでもない事故現場に来てしまった

 コレがおねショタって奴なのか?


 俺が部屋に入って来た事に2人は気づき

 アケミはノックぐらいしろと怒って来た


 イヤイヤ、子供相手に何やってんだよ


 それからアケミとフィリップは

 とても仲の良い姉弟見たいに遊んでいた


 いったい2人に何があったのか

 俺には分からなかった


 その日の夜 メイドや執事達が帰ると

 アケミとフィリップは屋敷の外にいた


 アレ?

 フィリップって外にトラウマがあって

 家から出られなかったんじゃ?


 フィリップは呼吸を荒げ何処かしんどそうだった



フィリップ

『ハァー、ハァー』


アケミ

『大丈夫、私も一緒だから』



 アケミはフィリップの手を握り

 フィリップは何処か嬉しそうにしていた


 オイオイ、親御さんにどう説明したら良いんだ

 まさかアケミの奴、金持ちの子供を洗脳して

 玉の輿を狙っているんじゃ!?


 人にロリコンだのキモ男だの言ってた割には

 自分もショタコンじゃねーかよ!!


 俺は1人で怒りながら自分の部屋に帰って寝た



 次の日 朝

 アケミとフィリップは外に出掛けると言い出して

 俺は直ぐに2人を引き止めた



ネル

『フィリップは外に

 出られなかったんじゃ無かったのか!?

 それにもし外で何かあったら大変だ

 マナリリアンを取ってくるから少し待っとけ!!』



 2人だけは流石にヤバイだろ

 魔装獣やローズストーンの山賊にでも出会したら


 俺はマナリリアンに乗って

 2人を護衛する事にした

 アケミも魔装機には乗れるが

 アケミはマナでは無く魔力を使う

 普通の魔装機には乗れない


 広い草原で

 フィリップは手に持っていた

 木彫りのホーンウルフを握り目を閉じた



フィリップ

『僕頑張るよ、見ててねラッシュ...』


アケミ

『ずっと見守ってくれてるハズよ』



 なんだか分からんが

 どうやら2人だけしか知らない

 隠し事があるようだな


 俺は除け者扱いってワケか?酷い話だ


 やがて日が暮れ 屋敷に帰ると

 フィリップの両親は旅行から帰って来ていて

 外に出ているフィリップを見て驚いた


 フィリップは和やかに

「おかえりなさい」っと言った


 今回の仕事の依頼は終わり

 俺はフィリップの親から

 報酬より多めの金額を頂いた


 俺は何もしてないのだが

 フィリップを元気にしてくれたお礼だと言った


 その帰り道

 報酬の金貨をアケミが横から奪い

 訳の分からない事を言い出した



アケミ

『今回は私の手柄なんだから

 このお金は私が貰っても良いわよね?』


ネル

『は!?、ふざけんな!!

 お前は子供とイチャイチャしてただけだろ!!』


アケミ

『は?何言ってんの、キモ

 それに私だって服を買うお金や宿に泊まるお金や

 食事を食べるお金を持っておきたいのよ

 私の手助けをしてくれるんだから

 貰ってもいいでしょ』



 とんでもなく身勝手な奴だコイツは!!

 こんな奴助けるべきじゃ無かった!!


 俺はイライラしながらアケミの顔を見ていた


 でも、アケミがフィリップを元気付けたのは事実だ

 俺はフィリップの笑顔を思い出し

 今回だけはコイツのワガママに付き合ってやるか

 っと思ったが...


 全額取られるのはどう考えても可笑しいだろ!!

 俺はアケミに怒る

 分け前は半分、いや 良くて6:4だと!!


 そう言うと アケミは仕方なく

 袋に入ってある金貨を3枚取り出し俺に渡した


 袋には金貨20枚が入っていたハズだ

 どう考えても少ないだろ

 俺はもう一度アケミに怒る

 しかし、アケミはそそくさと帰って行った



ネル

『待てよアケミ!!

 俺の報酬が金貨3枚は酷いだろ!!

 聞いてるのか!!オイ!!オーーーイ!!』



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈59-6 病気?〉


 とある日の事

 俺はアケミとナナミを呼びに

 仕事に出掛けようと宿屋にやって来た


 全く、どうして俺が

 アイツらを呼びに行かないといけないのか


 俺は宿屋に入ると

 宿屋の女将さんとナナミが

 慌てた様子で俺に言ってきた

 アケミさんが大変だと


 アケミの奴が? どう言う事だ?


 俺はアケミとナナミが

 使わせてもらってる部屋に行くと

 アケミはベッドの上で苦しそうに眠っていた


 俺が来た事に気づいたのか

 アケミは「何とかしなさいよ」っと言ってきた


 何とかって何をだよ?

 女将さんやナナミは

 異世界人特有の病気なのでは?っと言った


 異世界人特有の病気って、風邪とかか?

 しかしアケミには熱が無いようだし

 風邪では無さそうだ


 まさか!!っと俺は思い

「あの日なのか?」っとアケミの耳元で小さく言うと

 違う!!っと怒られ 殴られた


 どうやら 女の子特有のあの日では無さそうだ

 力強く殴れるならまだ元気そうだな

 そう俺はタンコブを頭の上に乗せ思っていた


 病気でもアレでも無いとすると

 一体何なんだよ!!っと俺は悩んだ



ナナミ

『アケミさんの体には魔力が宿っています

 その魔力が関係してるのでは?』


ネル

『そうだとしたら、誰に相談すれば良いんだ?』



 俺は少し悩むと

 アランやアランの妹アイナに聞けば

 解決するのでは?っと思い付いた


 アランはローズストーン国

 アイナはレインオラクル国

 ここから近いのはレインオラクル国だ


 俺はアケミとナナミをマナリリアンに乗せ

 直ぐにレインオラクル国に向かう事にした



ナナミ

『急ぎましょう、アケミさんが苦しそうです』



 アケミはうなされる様うーうーと言っていた



ネル

『仕方ない、飛ばすぞ』



 余りマナを多く消費したく無いのだが

 アケミが死んでしまっては大変だ


 マナ解放を使い マナリリアンを飛ばし

 急いでレインオラクル国に向かった



▶︎レインオラクル国 治療室


 アケミを治療室に運び

 その場にいたオリーブに

 俺はどう言う状況か説明した


 オリーブは心当たりがあると言い

 オリーブはアイナを連れて来た


 同じ魔力を持っている

 アイナなら何か治す方法が分かるのか?

 俺はアイナに聞いてみた

 アケミは何故苦しそうなのかを



アイナ

『アケミさん、魔力を使ってますか?』


アケミ

『魔力を?、そんなの無理に決まってるじゃない』



 アケミは苦しそうに答えた


 やっぱりとした顔で

 アイナは何かを分かった様子だった


 俺とナナミは

 アイナに何か分かった事があるのか問い掛けると



アイナ

『マナは魔力と違い、古くなると毒にもなるんです

 体に溜めた古い魔力を残してたら

 体を壊すと昔母から教えてもらいました』


ネル

『それなら早く魔力を使わないと!!

 アケミ!!魔力を出せ!!』


アケミ

『出せるか!!』



 苦しいながらツッコム元気はあるようだ


 ってそんな事思ってる場合じゃなかった

 俺はアイナに普段どう言う時に

 魔力を外に出してるのか聞いてみた


 アイナが言うには

 お風呂に入ってる時に勝手に外に出てるのだと言う


 俺はそれを聞き

 早速ナナミに

 アケミをお風呂に入れて見ようと言った


 しかし

 ただ苦しみながら湯船に浸かっただけだった


 俺達は次の作戦を考える事にした



オリーブ

『アラン君はガンドリアを扱う時に魔力を使ってる

 アケミ君も魔装機に乗せて

 魔力を消費させたらもしかすると...』



 それだ!!


 確かレインオラクル国には

 魔力で動かせる魔装機フィルプス四号機が存在する

 それにアケミを乗せれば!!


 俺はアケミをフィルプス四号機が有る場所に

 連れて行こうとすると

 それを知ったレインオラクル国の

 機士団長のナインがそれを阻止して来た



ナイン

『ダメだ、アケミには前科がある

 容易く魔装機に乗せて暴れられても困る』


ネル

『言ってる場合か!!アケミが苦しんでんだ!!』



 ナインがアケミの事を嫌いなのは知っている

 だからナインは意地悪でこんな事をしてるのか?


 今にも死にそうなぐらい

 アケミは苦しそうにもがいていた


 ナナミはどうしようと焦り

 俺は道を塞ぐナインを睨んでいた


 ナインは仕方ないと思い

 アケミの手を握った


 ナインの奴何をするつもりなんだ?



ナイン

『マナと魔力は交わらない

 マナと魔力が合わさると反発し合い消滅する』



 ナインのマナをアケミに注ぐと

 アケミは楽になったのか

 苦しそうな表情は消えていた


 アケミは起き上がりナインの顔を睨んだ



ナナミ

『良かったですねアケミさん!!

 ナイン団長さんが助けてくれたんですよ!!』


アケミ

『・・・・・』


ナイン

『礼なら要らない、さっさとこの国から出て行け』



 ナインのお陰で何とかなった

 まさかマナを取り入れるだけで治るとは...


 オリーブはそれを知り

 定期的に体にマナを取り入れ

 古い魔力を消す様にアケミに言った


 俺とナナミは皆に礼を言い

 アケミもナイン以外にはお礼を言っていた

 アケミとナインの関係も

 まだまだ良くはならなそうだ



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈59-7 神の予言1〉


 アケミの調子が戻り また数日が経った

 アケミにマナを取り入れないと

 アケミはまた調子が悪くなってしまう


 アケミの調子が悪い日を

 俺は勝手にアケミの日と名付けた

 女性も生理の日は調子が悪くなると聞いた事がある

 アケミもそんな感じなんだと勝手に思っていた


 アケミにマナを注いでくれているのは

 機士のレベッカだった

 レベッカはアケミの事を気に掛けてくれ

 心良くアケミの事を助けてくれた


 レベッカがアケミにマナを注いでいたら

 アケミは恥ずかしそうにレベッカに言った



アケミ

『いつもありがとうございますレベッカさん、

 私、レベッカさんに何も出来てないのに...』


レベッカ

『構いませんわ、困った時はお互い様ですもの』



 そう言う割に

 俺がこの前寝床が無く困ってた時は

 レベッカの奴簡単に俺を見捨てたよな?



 俺はそんな事を思っていたら

 機士のサラサが俺の前に現れ

 デルク司令が呼んでいると教えてくれた


 デルクが?

 まさかまた魔装獣の目撃情報が!?


 俺は急いでデルクの元に向かうと

 デルクは落ち着いた様子で椅子に座り

 俺を待っていた



デルク

『もう来てたのか、

 急ぎのようじゃ無かったが..まぁいい』



 急ぎの用じゃ無い?

 って事は、魔装獣とは関係無さそうだ


 デルクが言うには

 最近ディナガードの小さな村々に

 竜人族の生き残りが予言の力を使って

 人々を占っているのだそうだ


 竜人族? 竜人族って何だっけ?


 竜人族、魔王の時代に生きていた種族の一つ

 竜人族は他種族と違い高いマナを持ち

 神に選ばれし種族とも呼ばれていたらしい

 竜人族の魔法の力は魔族と並ぶ強い力らしく

 三大魔女が現れるまで

 竜人族が魔族と戦っていたそうだ



ネル

『へぇ〜、そんな竜人族がまだ生きていたんですね』


デルク

『・・・・・要件だけ言う

 多分そいつは竜人族では無い

 しかし未来を見通す力は本物だと

 村人がその目で不思議な力を目撃したらしい』


ネル

『つまり、俺にそいつの正体を

 暴いて欲しいって事だろ?』



「そうだ」っとデルクは答えた

 そうと分かれば俺はそいつを見つけるだけだ

 偽者の竜人族は今近くの村に居るらしく

 そこに行けば簡単に会えると教えてくれた


 俺はバンカーに向かい

 マナリリアンに乗って出撃の準備をした


 そうだ!!、

 アケミやナナミにもこの事を伝えた方がいいか

 ・・・・・いや、別に2人が居なくても問題無いか

 アケミが居たらうるさいだろうし


 そう俺が独り言を言っていると

「誰がうるさいよ」っと

 アケミとナナミが目の前に立っていた


 俺が何処かに行こうとしてたのを知り

 2人は後をつけて来たらしい、

 探偵か何かかコイツらわ!!


 仕方ないと思い、俺は要件を話し

 2人を連れ偽者の竜人族が居る村に向かった



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈59-8 神の予言2〉


▶︎ラタンの村


 小さな集落がある小さな村に到着した俺達

 早速俺はその噂の竜人族を探す事にした



アケミ

『竜人族っの特徴って何なのよ?』


ネル

『さぁ〜』


アケミ

『は!?、特徴も分かんないのに探すの!!

 それじゃあ本物か偽者かなんて

 分かんないじゃ無い!!』


ネル

『仕方ねぇだろ!!

 俺も会ったことも見た事も無いし!!』



 俺はいつもの様にアケミと口喧嘩をした


 アケミは直ぐ俺に怒ってくる

 そう言えばナインもサラサも怒りやすい性格だよな

 女ってのは何でこんな直ぐに怒るんだ!!


 俺達が口論していると

 ナナミは指を刺し「アレ」っと言った


 俺とアケミは怒りながら

 言われた場所を見てみると

 村人達が何かを囲って集まっていた


 そこには 時代劇で見た事のある

 人を運ぶ黒いカゴが置かれていた


 何だアレ?

 俺とアケミは口喧嘩を辞め

 その場所に向かう事にした



黒いカゴの近くに立っている女性

『さあさあ、

 次に竜人様に占って欲しい方はいますかー?』


男の村人

『竜人様に聞きたいです、

 作物が上手く育たなくて困ってます

 どうすれば良いのですか?』


黒いカゴの近くに立っている女性

『ふむふむ、では私が竜人様に聞いてみましょう』



 女性は黒いカゴに耳を当てた


 黒いカゴの中には確かに誰かが入っている用だ

 しかし

 中はハッキリとは見えず

 誰かが入っている事だけが見てわかるレベルだ



黒いカゴの近くに立っている女性

『竜人様は言いました

 諦めず愛を注げばきっと野菜は育つと』



 おぉー、っと村人達は声を出した


 なんだ?

 当たり前の事を言ってるだけのようだが?


 次に手を挙げたのは小さい女の子だった

 女の子は無くした髪飾りを見つけて欲しいと言った


 さて、竜人様はコレをどう見つける?

 さっきとは違い、コレなら直ぐに結果が分かるぞ


 女性はまたカゴの中に耳を当て 何かを言った

 村人達も緊張した様子で見守っていた



黒いカゴの近くに立っていた女性

『その髪飾りの色は何色ですか?』


村の女の子

『赤くて綺麗な髪飾りです』


黒いカゴの近くに立っていた女性

『そうですか、では手を合わせ

 竜人様に願ってください』



 少女は手を合わせ願うと驚く事が起きた


 次に手を開くと

 少女が無くしたと思われる髪飾りが現れたのだ


 村人達は驚き、俺達もそれを見て驚いた



黒いカゴの近くに立っていた女性

『竜人様は今ので力を多く使いました

 次が最後にしましょう、

 誰か占って欲しい方はいますか?』



 村人達は次々に手を挙げた

 俺とナナミはその光景に圧倒されていた



黒いカゴの近くに立っていた女性

『ではそこの女性!!貴方にしましょう!!』



 女性が指を刺したのは

 手を挙げていたアケミだった


 俺とナナミは驚き

 アケミがどうするのかを

 見ている事しか出来なかった



アケミ

『その中に本当に竜人族が入っているの?

 今の力だって、

 サクラを雇って私達を騙してたって可能性もある』



 確かにそうだ

 あの女の子が嘘をついている可能性もある



黒いカゴの近くに立っていた女性

『やれやれ、

 では竜人様が本物だと言う証拠を見せますか』



 女性はカゴの中の人にお願いしますと言うと

 雲が曇り、雨が降って来た


 それを見た村人達はまた驚き

 今度こそ本物の竜人様だと思い知らされた



黒いカゴの近くに立っていた女性

『見ましたか!!

 コレが竜人様の力でございます!!』


アケミ

『雨が降ったぐらいで

 それで竜人族だとは思わないわ』



 頑固なアケミに女性はまたヤレヤレとした


 女性はカゴに耳を当て

 何かを聞く素振りを見せた

 何をしているのだろうか?



黒いカゴの近くに立っていた女性

『竜人様から貴方達の事を聞きました

 貴方は異世界人のアケミって人ですね?

 そしてその隣に居るのは英雄のネルさん

 竜人様の力を使えば

 貴方達の事なんて分かるのですよ』



 マジかよ!!

 俺の事を知っているのはまだ分かるが

 アケミの事を異世界人だと知っているのは

 ごく一部の人間しか知り得ない情報だ!!


 って事はもしかして

 あのカゴに入っている奴は本物の竜人族なのか!?


 俺もナナミも 勿論アケミも驚いていた

 偽者だと思っていたソイツは

 もしかすると本物なのかも知れないと



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈59-9 神の予言3〉


 その後 竜人様は力を使い果たしたらしく

 その日の竜人様の占いは終わった


 俺達はその村の宿で一晩泊まる事にした

 部屋は一部屋しか空いていなかったので

 嫌がるアケミを後ろに

 俺はその部屋を借りる事にした



▶︎借りた宿の部屋


ネル

『しかし、本当に凄かったなアイツ』


ナナミ

『そうですね!!

 まさか本当に竜人族なのかもです!!』



 凄く嬉しそうにしてるなナナミは

 竜人族に会えて喜んでいるのか?


 アケミはと言うと

 ずっと何かを考えているようだ



ネル

『まだ疑ってるのか?』


アケミ

『あんな胡散臭い奴ら

 信じろって方が無理があるでしょ!!

 アンタはどうなのよ?』


ネル

『確かに怪しいな、

 でも偽者って証拠も見つけれてないし

 また明日調べてみようぜ?』


アケミ

『明日と言わず、今から調べても良いんじゃない?

 夜だとアイツらも油断してるだろうし...

 アンタ、今から調査して来なさいよ』


ネル

『は!?俺が?今から?

 絶対嫌だ!!、俺が外に出ると

 部屋の鍵を閉めて追い出すに決まってる!!

 もう寒い外で野宿なんて嫌だ!!』



 俺は断固として動く事は無かった


 アケミは俺を見て「子供か」っと言うと

 俺は「今の俺は子供だ!!」っと叫んだ


 呆れた表情のアケミは

「ならいい、私がアイツらの事を調査するから」

 そう言って部屋を出て行った


 俺はラッキーと思い

 部屋に2つしか無かったベッドに寝そべった


 それを見ていたナナミは不安そうに言った



ナナミ

『大丈夫ですかねアケミさん?』


ネル

『構うもんか、アイツには散々振り回されて来たんだ

 今日ぐらい俺だってワガママにさせて貰う!!』


ナナミ

『・・・・・私、

 アケミさんが気になります!!』



 ナナミはそう言って、部屋から飛び出した


 1人残された俺は

 広い部屋のベッドで横たわっていた


 アイツらが勝手に飛び出して行ったんだ

 俺は悪くなんて無い!!、でも...

 なんだか虚しい気持ちに何故かなっていた

 俺は立ち上がり

 仕方ないと思い2人を探しに行く事にした



▶︎村の外


 ナナミはアケミを探そうと村の中を歩き回った

 村から少し離れた場所で2人の人影を見つけた

 1人はアケミぐらいの身長で

 もう1人はネルぐらいの身長の背丈だった


 もしかしてアケミさんとネルさん?っと思い

 ナナミはゆっくりとその人影に近づいた


 すると

 後ろから誰かがナナミの口を押さえ

 身動きや声を出せないようにしてきた


 ナナミは驚き、逃げようと暴れた


 すると

 聞き覚えのある声で「静かにしてよナナミ」っと

 後ろからナナミを押さえる人物が言って来た


 この声は!?っと思い

 ナナミは後ろを振り返ると

 そこにはアケミの姿が合った


 じゃあ、あの人影はと思い

 アケミとナナミはその人影を遠くから監視した

 そこには

 今日合った黒いカゴの近くに立っていた女性と

 赤い髪飾りを無くしたと言っていた女の子の姿が



村の女の子

『ありがとうヤグルミさん

 コレでお母さんの怪我を治すお薬が買える』


ヤグルミ

『こっちこそありがとう

 おかげで沢山儲かったよ』



 女の子の手には

 袋いっぱいに入っているであろうお金が


 それを見ていたアケミは

 やっぱりとした表情で見ていた


 村の女の子とヤグルミと呼ばれていた人物が別れ

 女の子の姿が見えなくなると、

 さてとっとした表情で

「誰か隠れてますよね?出て来ても良いですよ?」

 っと声を出した


 アケミとナナミは隠れていた事がバレ

 2人はヤグルミの前に姿を見せた



ナナミ

『ごめんなさい、コソコソ覗き見る様な真似をして』


アケミ

『でもコレでハッキリしたわね、

 アンタ達は嘘吐きで

 村人から金を巻き上げてたって事ね』



 アケミの言葉を聞き、ヤグルミは目を細める

 なんだか嫌な予感を感じ

 ナナミは不安そうな顔をしていた


 アケミは言った

 どうやって私の事を調べたの?

 雨が降ったのも

 天気を知っていたから?っと次々に疑問をぶつけた


 ヤグルミは隠しても仕方ないと思ったのか

 全てを話し始めた



ヤグルミ

『雨を降らせたのは天候を見ていたから、

 貴方の正体を知っていたのは

 私がレインオラクル国の機士だったから、

 私は情報屋と呼ばれる仕事をしてました。

 だから貴方達の事も知っていました。

 隣に立って居る女性は

 誰か分かりませんでしたが...』



 アケミはナナミの顔を見た


 ヤグルミはアンドロイドのナナミの情報までは

 知らなかったようだ


 アケミとナナミは違和感を感じた、

 ヤグルミは手にマナを集め

 闇の魔法を使い、

 両手に闇の玉の様な物を作り出した



ヤグルミ

『私達の正体を知ったのなら

 貴方達を生かして返す訳には

 いけなくなりましたね』



 アケミとナナミは恐怖を感じた


 アケミはナナミに言った「逃げて!!」っと

 しかしナナミは

 アケミを1人残し、逃げようとは思わなかった



ナナミ

『アケミさんこそ逃げてください!!

 私がアケミさんを守りますから!!』


アケミ

『何言ってんの!!

 ナナミだって戦えないでしょ!?』



 2人は魔法も使えず生身での戦い方も知らない


 逃すまいと

 ヤグルミは2人に襲い掛かった



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈59-10 神の予言4〉


 ネルはアケミとナナミを探し

 村の外をウロウロとしていた



▶︎ラタンの村の外


 アイツらどこ行ったんだよ

 村の中にも居なかったし

 まさか先に宿に帰って寝てるんじゃ無いだろうな?


 俺は疲れた表情でアケミとナナミを探した


 村から少し離れた場所に黒いカゴが置かれていた

 アレは確か

 竜人様って奴が入ってるカゴだよな?

 なんでこんな所に?


 俺はカゴの近くに立つと

 中から男の声で「山」っと言ってきた


 俺はすかさず「川」っと言うと

 カゴの中が開き、男が現れた



カゴの中の男

『遅かったなヤグルミ

 お兄ちゃんお腹ペコペコだよ』



 男はカゴの外にいた俺と目が合い

 誰だとビックリした表情で直ぐにカゴの扉を閉めた


 カゴの中から男の声で

「誰だお前は!!ヤグルミは何処だ!!」

 っと言ってきた


 さっきのが竜人様の正体か?

 どう見ても普通の男性だったのだが?


 俺は「貴方が竜人様?」っと聞いてみると

「助けてヤグルミ!!」っと中から声が聞こえる

 駄目だ、話にならない

 ヤグルミってのはコイツの仲間か?


 俺はどうする事も出来ず黒いカゴを見ていると

 後ろから「あー!!」っと大声で叫ぶ声が聞こえた


 俺は振り返ると

 今日会った黒いカゴの近くに立っていた女性が

 アケミとナナミを

 引きずってここまで運んでいた


 俺はアケミとナナミの名を叫んだ

 しかし、2人の返事は返ってこなかった


 俺は2人がこの女に殺られたのではと勘違いした


 護身用で持っていた携帯用の剣を取り出し

 アケミとナナミを引きずる女の前に立った



ネル

『よくもアケミとナナミを!!

 俺が相手になってやる!!』


ヤグルミ

『ちょいちょい!!2人は死んでないから!!

 気絶してるだけだって!!』



 は!?....


 この女の言った言葉は本当だったようだ、

 俺は2人を見てみると

 死んではなく、気絶させられただけだった


 どう言う事なのか俺はこの2人に質問した



 女の名前はヤグルミ、

 向こうのカゴの中に入ってた男は

 お兄ちゃんのムヤンと言う名の男らしい


 2人はディナガード国やローズストーン国の

 情報提供の仕事を

 レインオラクル国でやっていたそうだが

 今はそんな仕事が必要無くなり

 途方に暮れていたそうだ


 ヤグルミとムヤンはレインオラクル国を出て

 人達を騙し金を稼いでいると白状した



ネル

『で?2人をどうするつもりだ?』


ヤグルミ

『私達を見逃してくれたら2人を解放するよ?』


ネル

『ふざけんな!!機士の俺がそんな事するか!!』


ヤグルミ

『仕方ないなぁ、

 じゃあ少し君にも眠って貰おうかな?』



 俺は危険を察知して直ぐにその場を離れた


 ヤグルミは闇魔法を使い

 俺目掛けて闇の玉を投げつけた



ヤグルミ

『チョット!!避けないでよ!!

 痛くないから、少し眠くなるだけだから』


ネル

『危ねぇ、殺す気か!!』



 気絶しているアケミとナナミの顔を見て

 俺は少し考えた


 このまま戦っても

 生身の俺じゃコイツらに勝つ事はできない

 だとすると残る選択肢は1つ


 逃げる!!



ヤグルミ

『あ!!アイツ逃げちゃった!!』


ムヤン

『ヤグルミ、もしかして魔装機を取りに行ったのかも

 直ぐにこの場を離れよう』


ヤグルミ

『そ、そうだね

 お兄ちゃんはこの2人をカゴの中に入れて!!

 私は魔装機を取ってくるから!!』



 ヤグルミは隠していた魔装機を取りに行き

 兄のムヤンは

 気絶しているアケミとナナミをカゴの中にしまった


 そして数分後

 マナリリアンに乗って戻って来たネルは

 あの2人も

 アケミとナナミも居なくなっていた事に気づく


 ネルはマナ解放を使い

 空の上から逃げた2人を探した



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈59-11 神の予言5〉


 ヤグルミは

 自分が乗って来た魔装機、ウィードに乗り

 兄と人質のアケミとナナミが入ったカゴを運び

 ネルのマナリリアンから逃走していた


 村から離れて3分も経たない内に

 ネルのマナリリアンが目の前に現れ

 ヤグルミとムヤンは驚かされた



▶︎ディナガード領 森の中


ヤグルミ

『嘘!!もう追いついて来たの!!』


ムヤン

『流石はマナリリアンだ!!

 情報通り化け物見たいな性能してる!!』



 良かった、直ぐに見つけれて

 アケミとナナミはあの黒いカゴの中か?

 直ぐに助けてやるからな!!


 そう考えていると

 向こうの魔装機からオープン回線が繋がった



ヤグルミ

『武器を捨てて!!

 コッチには人質が居るんだよ!!』


ネル

『人を騙して金を奪った次は、

 人を殺す事もすんのかよ!!、

 それにその中には

 お前の兄も入ってるんだろ?』


ヤグルミ

『お兄ちゃんなら上手く脱出してくれるハズ!!』


ムヤン

『え!?』



 どうやら本気のようだな

 俺はクリスタルソードとレグリースクートゥを

 何処か遠くに投げ捨てた


 マナ解放も解き、

 マナリリアンの無防備な姿を見せた



ヤグルミ

『マナリリアンは変換機バッテリーを搭載してから

 魔法での攻撃をしていない、

 つまり魔法の攻撃が

 使えないかも知れないと言う事だ!!』


ムヤン

『気を付けろヤグルミ!!

 相手はあのマナリリアンだぞ!!』



 ヤグルミのウィードはカゴを地面に置き


 ウィードはエネルギーガンを取り出し

 構えながらコチラに向けた



ヤグルミ

『魔法を使おうとしたら撃つよ!!』


ネル

『魔法を使わなかったらいいのか?』



 ヤグルミは

 武器を持たないマナリリアンに

 ゆっくりウィードに近づけた



ヤグルミ

『素手でやる気なの!?』


ネル

『見せてやるよ!!マナリリアンの格闘戦を!!』



 ウィードはエネルギーガンを放つが

 マナリリアンはソレを避け

 手に持っていたエネルギーガンを叩き落とした


 すかさず

 右手のジャブを2回

 左手のフックを1回ウィードに浴びせた


 ウィードはよろめきながら

 ブロンズダガーを取り出したが

 マナリリアンの回転キックを受け

 ウィードは地面に倒れる



ムヤン

『マナリリアンは素手でも強かったのか!?』



 ムヤンは2人の戦いに夢中になっていると

 目を覚ましたアケミがゆっくりと立ち上がった


 起き上がったアケミに気がつき

 しまったと思い、

 アケミを取り押さえようとムヤンは動いた


 すると

 ムヤンの手がアケミの太ももに当たり

 アケミの逆鱗に触れ

 ムヤンはアッパーをくらい倒れた



アケミ

『何処触ってんのよ!!』


ムヤン

『グベボ!!』



 アケミはカゴの外に出て

 自分達は無事である事をネルに伝えた



ネル

『アケミ!!、

 ・・・じゃあこっちも終わらせるか!!』


ヤグルミ

『マナリリアンがコレほど強いなんて!!』



 マナリリアンの次の攻撃で

 ウィードは大破した


 村を騒がせたヤグルミとムヤンは

 ネルとアケミ達に負け

 縄で縛られて地面に座らされていた



ネル

『さてと、後はディナガード国に連行するだけだな』


ヤグルミ

『許してください、私達

 仕事も見つからなくて途方に暮れてたんです!!』


ムヤン

『ヤグルミは魔法を使えない俺の為に

 こんな計画を思いつきやっただけなんだ!!

 悪いのは俺だ、

 だからヤグルミは許してあげて欲しい!!』


ヤグルミ

『お兄ちゃん...』



 アケミやナナミを危険な目に合わせて

 許す訳無いだろ!!

 檻の中で反省するんだな!!


 そう俺は思っていたが

 アケミは深刻そうな顔をして

 俺に話しかけて来た



アケミ

『2人を許して上げたら』



 は!?どうしたんだよアケミ?

 まさか魔法で操られてるのか?



アケミ

『私もこの世界に来た時

 運が悪く酷い目ばかり見てきた、

 この人達も決して悪い人達じゃ無いと思う

 病気の親を助けようとしている子供に

 汚い真似だったかもだけど

 お金を集めてその子に渡してたし...

 だから、

 この人達も運が悪くこうなっただけなのかも』



 俺は初めてこの世界に転生した時の事を思い出した


 森でホーンウルフに襲われて

 それをエンギルさんが助けてくれて

 ビットに出会ってマナリリアンに乗って

 エレノアやナラに会って

 ディナガード国の人達や機士の人達を知って


 もし俺が、レインオラクル国から

 この世界をスタートしてたら

 今の俺は居なかったのかも知れない


 俺はナナミに聞いた

 お前はそれで良いのか? っと


 アケミが許すのなら

 私も構いませんっとナナミは言った



ネル

『・・・・・お前ら

 仕事が無いからこんな事をしたって言ったな?』


ヤグルミ

『そうです』


ネル

『ディナガード国の酒場がバイトを募集してたから

 そこで働けばいいんじゃないか?

 後、騙して稼いだ金は全員に返せよ』


アケミ

『ネル...』



 ヤグルミとムヤンはお互いの顔を見合わせ

 俺達に凄く感謝してきた


 たくよ〜、俺だけ悪者見たいな空気じゃねーか

 嫌になるよな



ネル

『あっ!!放り投げた剣と盾を探さないと』


ナナミ

『一緒に探しますよ』


ムヤン

『私達も手伝います!!』



 それは助かる


 俺達はマナリリアンの剣と盾を探し

 その夜は過ぎていった


 そして翌朝


 剣と盾は最悪な形で見つかる事になった


 ラタンの村で

 マナリリアンの剣と盾は見つかったのだが

 その剣と盾は

 民家に直撃して家を大破させていたのだ


 幸いにも怪我人は誰も居なかったが

 村人達は怒りの目で俺達を睨みつけていた


                   next▶︎60

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