7章 異世界転移 55話-目には映らない温もり
〈55-1 国に帰る機士〉
▶︎ローズストーン領 荒野
ローズストーンの機士が襲われた荒野に
女山賊デッドデスターの手下が
ソーダストに乗り見回りをしていた
ローズストーンの機士が山賊にやられたと知れば
向こうも黙っては無いはず 山賊の女AとBは
カモれる馬鹿な相手が来ないか
荒野の真ん中で待っていた
山賊の女B
『ねぇー、ねえてば!!
何か食べ物無いって聞いてんだよ!!』
山賊の女A
『うっさいな、さっき食べただろ
私達もバーナビー達見たいに手柄をあげて
ママに褒められるんだよ』
痴話喧嘩をする2人の前に
見たことも無い魔装機が現れた
山賊の女A
『ん?何だアレ? 鉄の翼...
ソーダストでは無いようだね』
山賊の女B
『関係ない、アイツを倒してあの魔装機を持ち帰れば
私達はバーナビーより上だって事が証明される』
2人は首を縦に振り
その魔装機を襲う事に決めた
オープン回線を繋ぎ
痛い目に会いたく無いならその魔装機を置いていけ
っと 向こうの魔装機に通信を送ると
向こうからの返事が返って来た
???
『貴方達が私の仲間を倒した山賊達ね』
山賊の女A
『お前もその仲間に入れてやろうか?』
???
『冗談言わないで、私が貴方達に負けるとでも?』
あ?っと威圧しながら
山賊は後ろに控えさせていた仲間を呼んだ
岩陰から 機士から奪ったソーダストに乗った
山賊の魔女達がゾロゾロと現れた
その数 10機以上
山賊の女A
『この数をお前1人で何とかなるとでも?』
???
『なるわね』
山賊の女B
『減らず口を!!』
1人の仲間が その魔装機を見て何かに気づき
山賊の魔女Aにこう言った
「あの人はまさか!!ダイヤモンド隊の隊長!!」
山賊の魔女A
『ダイヤモンド隊?何だそれ?』
キサラギ
『キサラギ・クルセニア それが私の名前よ』
山賊の魔女A
『ダイヤモンド隊の隊長だか何だか知らないけど
私達を舐めてもらっちゃイケナイヨ』
キサラギ
『なら一瞬で勝負を決めてあげるわ
アレスリージョン』
キサラギが魔法を唱えた
キサラギの時間だけが進み
それ以外の者は停止する魔法
キサラギには数秒間の時間が進んだが
山賊達には何をされたかも分からない
一瞬の出来事だった
山賊の魔女Aは何かされたか?っと思い
自分の乗っているソーダストを見る
ソーダストには傷一つも付けられてはなく
キサラギの魔装機ジャンヌダルクも
一歩も歩いてはなかった
山賊の魔女A
『なんだい、驚かせやがって、なあ皆んな...』
後ろを振り返ると
仲間のソーダストが全て破壊されていた
どうして? どうやって!!
そんな事を考える事しか山賊はできなかった
キサラギ
『それで?貴方はどうするの?』
山賊の魔女A
『ばっ化け物が...』
荒野の真ん中で 1人の山賊の叫び声が響き渡る
▶︎ディナガード国
フタナの機士復帰の次の日
レインオラクル国から来ていたナインと
ローズストーン国から来ていたココとウェルチは
自分達の国に帰る事になった
長い間ディナガードの機士団の手伝いをしてくれた
ココ達には、隊長のナラが凄く感謝をしていた
ナインは魔装獣に付いて調べに来たのだが
アレから何の情報も得られず
少し不満そうな顔をしていた
ココ
『ネル、私が居なくなると寂しい?』
ネル
『またいつでも会えるだろ?なんだよ唐突に』
ココ
『お別れのキスする?』
ネル
『しません』
ネルとココがイチャイチャしているのを見て
ウェルチは疲れた表情をした
ウェルチと一緒に仕事をしていた
レイナやノノカ達が
ウェルチに別れの挨拶をしに来た
レイナ
『今までありがとう』
ノノカ
『ローズストーン国に帰っても
元気で居てくださいね』
ウェルチ
『レイナさんもノノカさんも
もちろんマルさんもお元気で』
マル
『また会う機会があればその時はよろしくね〜』
他国の機士達は 別れの挨拶を済ませ
自分達の国に帰って行った
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〈55-2 仲を深めるのに言葉はいらない〉
▶︎ローズストーン国
ドルズに使われ 人々を苦しめ
時には殺しもした魔族のアラン
アランは自分の罪を償う為
ディナガード国やローズストーン国の
人々と触れ合い人間達と分かり合おうとしていた
リオン
『今日の仕事も終わりましたね アランさん』
アラン
『アランで言い、さん付けはやめろと言ってるだろ』
リオン
『ごめんなさい、僕の癖のような物で
でもアランさんはアランさんですから』
リオンは笑いながらアランに言った
ネルとは別の意味で可笑しな奴だと
アランは思っていた
機士の仕事を終え
リオンとアランは帰っていると
何かを思い出した顔をしたリオンは
先に帰るよう アランに言った
それを伝えたリオンは何処かに走って行く
勝手な奴だ そう思いながら
アランは貸し出してくれている自分の家に帰る
その帰り道
街の広場で子供達が ボール遊びをしていた
子供が投げたボールが
アランの近くに転がって来て
子供の1人がボールを取りに来た
メガネの子供
『すみません、ボールぶつかってませんか?』
メガネの子供がそう言うと
オールバックの子供がビックリして大声で言った
「おい!!ソイツはレインオラクル国の奴だぞ!!
しかも魔族のアランだ!!」
その事を聞いて メガネの子供は怯え始めた
レインオラクル国はローズストーン国に攻め込み
多くの人々を殺した悪人
魔族のアランの名も 親から聞かされ
一部のローズストーンの人達は
誰もレインオラクル国の人達とは
関わらないようにしていた
アランはボールを取り
子供達に返そうとすると
「お前のような汚い奴の触った物なんかいるかよ!!」
っと言われ 子供達は何処かに行った
1人残されたアラン、
残されたボールを見て アランは何かを考えていた
何処かに行っていたリオンは
手に大量の食材を持ち 家に帰っていると
公園に1人立ち尽くしていたアランを見つける
どうしたのかと思い リオンはアランを呼んだ
リオン
『アランさん、どうしたのですか?』
アラン
『何でもない、それより
その手に持っている大量の食材は何だ?』
リオン
『今日はアランさんが
ローズストーン国に来て半年ですよ
家でパーティーでもやろうかなって思いまして』
アラン
『直ぐ何かにつけてパーティーをやる癖をやめろ
時間と金の無駄だ』
まあまあ と言いながら
リオンはアランと一緒に家に帰った
その日の夜は
リオンがすき焼きを作り 2人で食べた
▶︎次の日の朝
今日のリオンとアランの仕事は門の警備だった
門の前で 誰か来るか待つだけの暇な仕事
ガンドリアとドラグーンに乗り
門の前で待機していると
遠くからキサラギのジャンヌダルクが
檻を運び 偵察から帰って来た
檻の中には、女山賊デッドデスターの魔女達が
キサラギに負けて檻に閉じ込められていた
リオンはどうしたのかキサラギに聞くと
数日前 機士の仲間がやられた場所で
コイツらを見つけたと教えてくれた
まだその場所に
奪われたソーダストの残骸が散らばっている
その回収をダイヤモンド隊の機士達と一緒に
手伝ってくれないか?
っとキサラギはリオンに言うと
リオンは困った顔で そうですねっと言った
今日はアランと一緒に門の警備の仕事なのだが
と考えていると 「気にせず行ってこい
門の警備は俺1人でも大丈夫だ」とアランは言った
リオン
『そうですね、
それじゃあ門の警備はアランさんにお任せします』
アラン
『早く行け』
リオンのドラグーンは
ダイヤモンド隊の機士達と一緒に
残されたソーダストの回収に向かった
1人残されたアランは
ただジッと、門の警備をしていた
▶︎ローズストーン国 城壁
昨日アランに酷い事を言った子供達が
街の中の城壁にできた小さな穴の前に来ていた
オールバックの子供
『ここから外に出れるんだぜ』
メガネの子供
『本当に外に出るの? 危険じゃない?』
身長の高い子供
『なんだよ、ビビってんのか?』
オールバックの子供
『今は危険な魔物も外の世界には居ないんだ
なんも心配いらないって』
そう言いながら 子供達は城壁の穴から
ローズストーン国の外に出た
本来なら子供だけで外に出るのは危険だが
魔物も居なくなったこの世界を冒険したい
そのような好奇心が その子達には芽生えていた
ローズストーン国を囲む城壁を
国の外から見た子供達は
子供だけで外に出た事を実感して
スゲェーとかワクワクとかそんな感動を感じていた
コレからどうする?っと身長の高い子供が言うと
とにかく周辺を見て回ろうぜ っと誰かが言った
メガネの子供
『本当に大丈夫かな?お母さんに怒られるよ』
山賊の女
『怒られるだろうね、でも 私達は喜ぶよ』
子供達はビックリして後ろを振り返ると
女山賊デッドデスターの魔女が
後ろに立っていた
この山賊は キサラギにやられた仲間の1人
仲間を救出させる為
1人でローズストーン国にやって来たのだが
思いもよらぬ人質を手に入れたと喜び
コレで仲間を助けられると考えていた
門の前で待機していたアランは
遠くで誰かの叫び声が聞こえ 何だと思い
その場所に向かった
アランのガンドリアが到着すると
昨日の子供達が 山賊の魔女に襲われていた
メガネの子供を人質にして山賊は言った
山賊の女
『オイ!!そこの魔装機、
この子を殺されたく無ければ
魔装機から降りて私の言う事を聞きな』
メガネの子供
『死にたくないよ、お母さん お父さん』
山賊の女
『泣くなガキ!! うるさい奴だよ』
他の子供達も山賊に怯え
アランのガンドリアを涙目で見ていた
アランは言われた通り魔装機から降りた
ガンドリアの中から 男の子供が現れ
山賊の魔女は驚いた
山賊の女
『男が魔装機に!?、まぁいいさ
仲間を助け出せればそれだけで』
アラン
『その子を離せ、ソイツに人質の価値なんてない』
酷い事を言うアランに
子供達は怒りを感じさせた
人質のメガネの子供は泣きながら助けを求めた
山賊の女
『馬鹿言うな、お前達はもう既に私の人質なんだよ!!
この魔装機も手に入れ 人質までも
ついてるよ私は!!』
アラン
『ガンドリアを動かすなら鍵が必要だぞ
俺がそれを持っている』
山賊の女
『ならソイツをコッチに投げな!!
可笑しな真似すんじゃ無いよ?
そんな事したら
この子がどうなるか分かってんだろうね?』
山賊は子供に剣を突き立てる
子供は泣き叫び
仲間の子供達ももうダメだと怯えた
受け取れ!!っとアランは何かを投げた
山賊がそれを取ると それは小さな赤い布袋だった
何だコレ?っと思って油断していると
アランが山賊に飛び膝蹴りをして
人質の子供を助けた
山賊は痛がりながら 殺してやると考えていると
右手に持っていた剣が無かった
アランは奪った剣の柄で山賊の後頭部を殴り
山賊は気絶した
アランは山賊が手に持っていた
小さな赤い布袋を取り「返せ、
コレはアイナが送ってくれた御守りだ」っと言った
子供達はその一瞬の出来事に圧巻され
何も言えなかった
その日の昼
リオンはローズストーン国に戻ると
アランが山賊の仲間を1人捕まえたと知り
今夜もパーティーをしようと
手に大量の食材を持ち家に帰っていた
帰り道 公園を見ると
子供達とアランが ボールで遊んでいる姿が
リオンの目に映った
◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
〈55-3 イジメ〉
ローズストーン国には
他国で魔物との戦いで土地を無くした
レインオラクル国の人達も移住して
ローズストーン国に住む者もいた
男子禁制だったローズストーン国だが
今ではそんなしきたりも無く
誰でも自由に住む事ができた
▶︎ローズストーン国 監獄
女の山賊達 デッドデスターに
アジトが何処にあるのか聞き出そうとした
ガーネット隊 隊長のアズサ
しかし 山賊達は口を割らず
誰も自分達のアジトが
何処にあるか話そうとはしなかった
アズサは頭を抱え
キサラギが待つ部屋にやって来た
アズサ
『駄目ね、誰も話そうともしないわ』
キサラギ
『困ったわね、こうなれば
拷問をして聞き出すしかないかもね』
サラッと怖い事を言うキサラギに
アズサは強張った顔でキサラギを見ていた
キサラギ
『冗談よ、そんな事したら国民に批判を買うだけよ』
アズサ
『アンタならやりかねないと思ったわよ』
▶︎ローズストーン国 門の前
長い遠征から帰って来た
アメジスト隊のココとウェルチ
隊長のココが無事に帰って来た事に
副隊長のショコラは喜んだ
隊長が他国で無礼な事をしてなかったのか
ショコラはウェルチに聞いた
ウェルチ
『大丈夫でしたよ、隊長は隊長の役目を
しっかりと果たしていました』
ショコラ
『それなら良いのですが』
それでも不安だったのか
心配そうな表情でショコラはココの顔を見る
いつもの無表情な顔に
隊長が帰って来たんだなっと
ショコラは少し安心した
ショコラ
『では早速ですが隊長!!
溜まっていた資料が山程あるので
私と一緒に隊長室に行きましょうか』
ココ
『えぇ、眠いからショコラが1人でやって
私は自分の部屋で寝るから』
ショコラ
『ちょっと隊長!!何処行くんですか!!
また私1人に任せるんですか!!
ねーてば、 隊長ーーー!!』
アメジスト隊の団員達は
いつもの隊長と副隊長のやりとりを耳にして
隊長が帰って来たんだなっと実感した
リオンとアランも仕事から帰ってくると
何やら門の近くで騒がしい声が聞こえ
何の騒ぎだ?っと思っていた
リオンは仕事の報告書を
機士団本部に持って行くと言い
アランに1人で家に帰ってもらう事にした
リオン
『明日は休みですね、
アランさんは予定でもありますか?』
アラン
『予定など無い、それより早く持っていけ』
アランの素っ気無い態度を気にせず
リオンは報告書を機士団本部に持って行く事にした
アランが1人で帰っていると
遠くから子供達の声が聞こえてきた
アランには聞き覚えのある声だった
あのガキ達か っとアランは思い
気にせず家に帰ろうと思った
だが
子供達の声が何だか変だった
アランは帰る方角とは別の方角に歩き始めた
身長の高い子供
『レインオラクル国の人間は
ローズストーン国から出ていけ!!』
オールバックの子供
『お前らが居たから、国同士の戦争が起こって
ローズストーン国の人達も沢山死んだんだ!!』
子供達はボロボロの服を着た小さな女の子に
小石を投げていた
この子はレインオラクル国から
ローズストーン国に移住して来た人間で
レインオラクル国の住民は街の人から嫌われていた
それを目にしたアランは
小石を片手で受け止め
止めるように子供達に言った
オールバックの子供
『何すんだよアラン兄ちゃん』
メガネの子供
『そうだよ、そいつは
レインオラクル国の人間で僕達の敵なんだ』
アラン
『俺もレインオラクル国から来ている
それに俺はお前らの嫌う魔族だ』
オールバックの子供
『アラン兄ちゃんは機士だし
世界の為に戦ってくれた
それに僕達を・・・もういい!!
アラン兄ちゃんの分からずや!!』
子供達はそう言い残し 何処かに走って行った
残されたみすぼらしい服装の小さな女の子は
地面に顔を伏せ シクシクと泣いていた
アランは女の子に「泣くな」っと言う
それでも女の子はシクシクと泣き続けた
アランは舌打ちをして
その子が泣き止むまで 側で待った
◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
〈55-4 アランと小さな女の子〉
女の子はやっと泣き止むと
アランの顔を何も言わず見ていた
アラン
『やっと泣き止んだか、お前
家は何処だ?1人で帰れるのか?』
女の子
『・・・・・』
アラン
『喋れるだろ、家は何処だと聞いてる』
女の子
『うっうぅ』
アランの怖い態度に女の子はまた泣き始めた
疲れる奴だ、そう思い
アランはまた舌打ちをした
女の子が泣いている姿と
それをただ見ているアランをリオンは見つけ
アランが女の子を泣かせたのでは!?
っと少しだけ思い リオンは直ぐに駆けつけて来た
リオン
『アランさん!!
こんな小さい子に何したんですか!!』
アラン
『勘違いするな』
アランは軽くリオンに事情を話した
それを聞いて リオンは一安心した
口では言わなかったが
アランが誰かを助けた事が分かり
リオンは凄く嬉しかった
リオンは優しく女の子に言葉を掛けた
「大丈夫?、もう平気だよ、お家は何処?」
優しく接するリオンに 女の子は顔を上げ
家がある方角に指を刺した
アラン
『言葉が分かるなら最初からそうしろ』
アランの言葉に 女の子は怯え
リオンの服を掴み後ろに隠れた
女の子を怖がらせるアランに
リオンは駄目ですよっと怒った
納得がいかないアランだったが
リオンとアランは
女の子を家まで送ってあげる事にした
リオン
『レインオラクル国の人ってだけで
ローズストーン国の人達は冷たく接してしまいます
差別が無くならない限り
本当の平和は無くならないと僕は思います』
アラン
『詭弁だな、人の争いは今も続いている
山賊や魔業教団見たいな奴がいる限りな』
リオン
『アランさんも一緒に
世界を平和にしてくれるんですよね?』
アラン
『お前もネルも、単純な奴だ』
女の子を家まで送りながら
そんな会話を2人はした
家に着くと リオンはドアをノックして
誰か保護者の方が居ないか確認した
ノックをして数秒後
ドアがゆっくりと開くと
痩せ細った大人の男が出てきて
女の子を見てミムジィと呼び抱きしめた
男はリオンとアランの服を見て
ローズストーン国の機士団の人だと分かり
ミムジィが何かをしでかしたのかと心配して
リオン達に聞いた
「ウチの子が機士様にご迷惑を?」
何だか誤解されたと思い
リオンはアランから聞いた話をそのまま話した
リオンとアランは 家に招かれ
ミムジィの親から水を貰った
ミムジィの父
『すいません、このような物しか出せなくて
ウチの子を助けて頂いて、
本当にありがとうございます』
リオン
『僕じゃ無くてコッチのアランさんに言ってください
僕は何もしてませんから』
ミムジィの父は2人に深く頭を下げた
アランは家を確認して
「2人だけなのか?」っと聞いた
ミムジィの父
『え、えぇ 妻は数年前魔物にやられまして
今はミムジィと2人でひっそりと暮らしています
レインオラクルの小さな村に住んで居たのですが
食べ物もなく困っていたので
有金を全て叩いて
ローズストーン国に移住して来たのですが
世間の目は冷たく...
それでも今は、ミムジィと2人で暮らしています』
アラン
『娘を危険な目に合わせたく無いなら
レインオラクルでひっそりと暮らすんだったな』
リオン
『アランさん!!』
アランの失礼な態度に
リオンはミムジィの父に謝った
ミムジィの父もそれも分かっていたのか
何も言い返す言葉もありません、そう言った
魔族のアランからすれば
魔族は人間達に殺されないため
ひっそりと身を隠し
生きて行くのが当たり前だと思っていた
種族の壁を越えて
手を取り合おうとする人間の方が稀で
普通はそうではない
リオンやネルの様な奴の方が
アランからすれば変わった奴らだと思っていた
長居すると悪いので
リオンはアランを連れ帰る事にした
そして次の日
リオンとアランは機士の仕事が休みだったので
街をぶらぶらと散歩していた
花屋の近くで
ミムジィが花を見てオドオドとしていた
どうしたのかと2人は心配になり
花屋に行ってみると
花屋の店員がリオン達に言った
花屋の店員
『丁度良かった機士さん、この子
花を見てさっきからオドオドしてんだよ
レインオラクルの人間が近くに居ると
客も来やしないよ、なんとかしておくれ』
花屋の話を聞き リオンは「どうしたの?」と
ミムジィに優しく話しを掛けた
するとミムジィは黄色くて綺麗な花を指差した
あの花が欲しいのだろうか?
アランは「金はあるのか?」っとミムジィに聞くと
ミムジィは首を横に振った
お金がない事が分かると
花屋の店員はミムジィに言った
花屋の店員
『まさかアンタ、
盗もうと考えてるんじゃ無いだろうね?
これだからレインオラクルの人間は!!』
リオン
『その花僕が買います!!』
リオンは咄嗟にそう言って財布を出そうとすると
アランがそれを阻止して
「邪魔したな」っと店員に言って
リオンとミムジィを連れその場を去った
どうして止めたのか
リオンは納得できずアランに聞いた
リオン
『どうして止めたんですか!!』
アラン
『俺達が買って何になる、
あの父親も俺達に迷惑をかけたと思い
更に不安にさせるだけだ』
リオン
『そうかも知れませんが、それでも僕は...』
リオンとアランが言い争っていると
ミムジィは涙目になり2人を見た
喧嘩していると思っているミムジィに
リオンは謝り 怖がらせてごめんと言った
アランの冷たい眼差しを見て
ミムジィはまたリオンの後ろに隠れた
リオン
『そうですよ!
お金を使わず花を手に入れたら良いんですよ』
アラン
『どうした急に?』
リオンの言葉に
アランとミムジィは訳がわからずにいた
休みを利用して 少し遠くの山に
花畑の様な綺麗な場所がある事を知っていたリオン
リオンは2人を連れ
その場所に行こうと提案した
凄く嫌そうな顔のアランと
凄く嬉しそうな顔のミムジィ
リオン達はその花畑に行く事にした
▶︎機士団本部
キサラギとアズサが
何も話さない山賊達に手を焼いていると
1人の機士が慌てた様子で部屋に入ってきた
ガーネット隊の機士
『大変ですキサラギ隊長アズサ隊長!!
ソーダストに乗って偵察をしていた
ガーネット隊の仲間が山岳付近で何者かにやられ
重症でローズストーン国まで帰還しました!!』
アズサ
『何ですって!!まさか
デッドデスターの連中がまた現れたの!?』
ガーネット隊の機士
『いえ、魔装機は奪われては居らず
敵も見た事ない空を飛ぶ怪物だと言っていました』
空を飛ぶ怪物?何を言ってるのか
わからなかったアズサとキサラギだが
まさかと思いキサラギがアズサに言った
キサラギ
『まさか、ネル達が言っていた
魔装獣じゃないかしら?』
その言葉に アズサは少し怯えていた
魔装獣の危険性もまだ分かっていない
本当に魔装獣が現れたのなら
とても危険な状況かも知れない
アズサとキサラギは嫌な予感を感じていた
◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
〈55-5 鳥の魔装獣〉
▶︎ローズストーン領 花の咲く山
綺麗なお花が沢山咲いているその山に
リオンとアランは魔装機に乗り
ミムジィを連れやって来た
移動中もミムジィは
アランに怯えていたのか
リオンから離れようとはしなかった
リオン
『付きましたよ、ここです』
その場所はとても綺麗で
青空の下に緑の芝が多く生え
沢山の色とりどりの花が咲いていた
まるで絵本の中に入ったかの様な
とても綺麗な場所だった
ミムジィはそれを見て
口を開け呆然とその景色を見ていた
リオン
『ここのお花なら、いくら取っても大丈夫ですよ』
ミムジィはリオンを強く抱きしめ
走って花を集め始めた
よくこんな場所を知っていたな?
っとアランはリオンに聞いた
機士団の人から絶景スポットがあると
聞いてたのを思い出し
今日この場所に来たのだとリオンは言った
リオン
『来て良かったですよねアランさん?』
アラン
『・・・・・俺は花に興味なんて無い』
冷たい事を言うアランだったが
リオンはそうは思ってなかった
内心ではきっと
喜んでくれてるに違いない そう思っていた
カメラを持って来ていたリオンは
写真を撮って 妹のアイナさんに
手紙で送って上げてはと提案する
お前が撮れ 俺はカメラの使い方がわからん
そうアランは言った
花の咲く山に来てから30分が過ぎた
リオンはミムジィと一緒にお花の冠を作っていた
アランはそれを見ながら
綺麗な青空を1人で眺めていた
一緒に作りませんか?っとリオンに言われたが
アランはそれを無視した
とても上手にお花の冠を作るミムジィに
「上手ですね」っとリオンは褒めた
それが嬉しかったのか
ミムジィはとても良い笑顔で笑った
その時だった
強い風が吹き荒れ その場所にとても大きな
機械で作られた様な見た目をした
魔装機ぐらいの大きな鳥が現れた
リオンはミムジィを抱きしめ
この子だけでも守らないと そう強く思っていた
リオン
『まさか!!
コレがネルさんの言っていた魔装獣!?』
魔装獣
(電子音!!)
魔装獣は電子音のような音を鳴らし
リオンとミムジィを威嚇して来た
それに怯えたミムジィは強くリオンに抱きついた
アランのガンドリアが魔装獣に飛び掛かり
リオンにミムジィと一緒に逃げる様に言う
アラン
『そいつと一緒に逃げろ!!』
リオン
『アランさん!!』
鳥の魔装獣は 大きな竜巻を起こすと
ミムジィが作った花冠がバラバラに散らばった
それを見たミムジィは涙目を浮かべ
リオンはミムジィを持ち上げ
ドラグーンの場所に逃げようとした
逃げる2人を見て 鳥の魔装獣は逃すまいと
リオン達の目の前に着地し
2人を攻撃しようとした
アラン
『素早い奴だ』
ガンドリアの武器
ライキリで鳥野郎を倒そうと攻撃するが
魔装獣は飛び上がり
素早い動きでガンドリアの攻撃を回避する
アラン
『なるほど、速さはそこらの魔装機以上って訳か
ならば、魔力解放!!』
ガンドリアは魔力を解放させ
蒼色に輝き出した
ガンドリアは空を飛び
鳥の魔装獣を追いかけると
鳥の魔装獣は羽を刃のように攻撃した
ガンドリアはそれを回避して
マルチミサイルを魔装獣に向け放つ
魔装獣は口からレーザーを放ち
全てのミサイルを破壊した
ミサイルを破壊した煙で 前が見えなくなり
煙の中からライキリを構えたガンドリアが現れた
アラン
『終わりだ!!』
ライキリで真っ二つにされた魔装獣は
電子音を鳴らしながら
魔装獣の体は1つ1つ分解していき
青い光とともに消滅した
魔装獣を倒したガンドリアは地上に降り
ガンドリアから降りたアランは
ミムジィが作った散らばったお花の冠を見た
リオンとミムジィは大丈夫な事が分かると
アランに駆け寄った
すると
ミムジィは散らばった花を見て少し涙目になった
またこのガキは泣くのではと思ったアランは
仕方なく花をかき集め
とても上手なお花の冠を作った
リオン
『え!?アランさん上手ですね!!』
アランは作った花冠を
何も言わずミムジィの頭に乗せた
ミムジィの涙は消え
アランの花冠を見てとても喜んでいた
数分後
リオンはカメラを構え
お花の冠を作りアランの頭に乗せるミムジィと
少し嫌そうなアランの幸せそうな写真を撮った
ミムジィ
『ありがとうアラン』
初めて聞いたミムジィの声に
アランは呟くように言った、「喋れたのか」 っと
◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
〈55-6 会わせたくない〉
ネルとナナミは 屋根の上に登り
ペンキを持って塗装の仕事をしていた
▶︎ディナガード国
俺はナナミと
一緒にペンキ塗りの仕事をしていた
仕事を終え 俺は家主から報酬を貰い
その分け前をナナミに渡した
最初は分け前をいらないとナナミは言ってたのだが
それじゃあ俺が
ナナミにタダ働きさせてる悪者になるじゃないか
貯めたお金でライルや友達に何か買ってあげれば?
っと教えると ナナミは少し考え
お金を受け取ってくれるようになった
ナナミ
『今日はライル博士に検査に来るよう言われたので
今から行ってきますね、 夜には帰ると思います』
ネル
『うぃ〜』
返事とは呼べない返事をして俺はナナミと別れた
仕事が早く終わり
何もする事が無くなり
俺はボケーっとベンチで空を眺めた
アレから魔装獣の噂も聞かないし
魔装機に乗る機会も少なくなった
平和なのは良い事なのだが
それでも 俺の知らない場所に
山賊達や魔業教団と呼ばれるような奴らが
悪事を働いているかも知れない
そう考えると 俺はこんな場所で
のんびりしていて良いのだろうかとも思ってしまう
悩みながら俺は自問自答していると
目の前に仕事中のフタナの姿が目に映った
確かあの人はナイト級の機士の人で
サラサとレベッカと同い年の人だったよな?
あまり話した事も無いし
妹の最後の姿を見たのは俺だった
マナリリアンが
妹のフタマさんの命を吸収した事もあり
俺はフタナに合わす顔も無いと何故か思っていた
見つからないように何処かに行こうと
フタナに背を向け歩き出すと
「ネル君だよね」っとフタナが俺に話を掛けて来た
凄く驚き 俺は何ですか?っと
汗を流しながらフタナに聞いていた
ネル
『何ですか?』
フタナ
『マナリリアンを見てみたいの
妹を近くに感じられるかも知れないから』
ネル
『・・・・・聞かされたんですね
妹さんの最後の話を』
フタナをマナリリアンに会わせたくないと
俺は思っていた
妹の事や あの夜の事を思い出し
つらい思いをさせるかも知れないと思っていたから
フタナの目は真っ直ぐと俺の目を見ていた
悲しそうとも 元気そうとも分からない目で俺を
そんな目を見てしまったから
俺は断る訳にはいかなくなった
俺はフタナをマナリリアンの場所に連れて行くと
フタナは目を閉じ マナリリアンに触れ
「ごめんね」っと言った
たぶん、妹のフタマさんに謝ったのだろう
俺は何も言わず ただ時間が過ぎるのを待った
すると フタナの目から涙が溢れ始め
俺は慌ててフタナに話をかけた
ネル
『大丈夫ですか!?』
フタナは涙を拭い
俺を見てニヤリと笑い 片手でピースをした
フタナ
『あんがと、ネルのおかげで元気になった』
ネル
『そっそれなら良いのですが』
元気になったので仕事に戻るとフタナは言い
何処かに行ってしまった
なんだか分からんが
元気になったのならそれで良かった
それに あんな可愛い笑顔を見たら
今は悲しんでいないのだと俺にも分かる
俺は良かった良かったと思っていると
ナラ隊長がやって来て
俺に言いたい事がある様子で話し出した
ナラ
『ネル殿、ここにいらしたのですね』
ネル
『どうしたのナラさん?』
ナラ
『魔装獣がローズストーンに現れたそうです、
その魔装獣はアランさんが倒したそうですが』
なんだって!!
俺は驚いた、魔装獣はやっぱりまだ残っていた
その詳細を調べるべく
俺はローズストーン国に向かった
◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
〈55-7 アホのお兄ちゃん〉
▶︎ローズストーン国
俺はキサラギやアズサが居る
城にある隊長達が会議をする部屋に招かれた
そこで俺は 先日現れた魔装獣に付いて
2人から詳しい話を聞いた
キサラギ
『...っと言う訳よ』
ネル
『鳥の魔装獣ですか...』
アランとリオンが言っていた
倒した残骸が青い光に包まれ消滅したと言う情報と
機士が見た鳥型の機械と言う情報は
確かに俺の知っている魔装獣の情報と一致している
ただ、俺が戦ったのは蛇の魔装獣だった
鳥の姿の魔装獣も存在するって事か?
アズサ
『ただでさえ山賊達に手を焼いているのに
魔装獣なんて化け物まで相手するなんて
こっちの身にもなって欲しいわよ』
ネル
『山賊の件は大丈夫なんですか?』
キサラギ
『それはコッチの仕事よ、貴方達
ディナガード国の機士が心配する話じゃないわ』
ネル
『俺は皆んなの味方だ、
本当に大変なら頼ってくれても良いんだからな?』
ありがとう、
そうキサラギは笑いながら答えた
魔装獣に付いては知る事が出来た
でもまた魔装獣がどこかで現れるかも知れない
俺はローズストーン国の人達にも
注意するよう言った
アズサ
『さて、私は檻にいる
山賊達の見張りにでも戻るとしますか』
ネル
『アズサさんがわざわざ見張り役を?
隊の機士達に任せればいいのに』
アズサ
『逃げ出しても
直ぐに捕まえれる人の方が効率的でしょ?』
確かに それはそうだと思った
話を終え
俺は一度リオンとアランにも会っておこうと
ローズストーン国の街中を歩いた
広場の方から子供の声が聞こえてくる
俺は広場を見ると
嫌がる小さな女の子と
アランがその女の子の手を引っ張っていた
俺は事件の匂いを感じ
直ぐにアランを子供から離れさせようとした
ネル
『何やってんだアラン!!
遂に子供まで誘拐しようとしてんのか!!』
アラン
『は?何の話だ』
見損なったぞアラン!!
お前はそんな奴じゃないと思っていたのに
俺は怒っていると
小さな女の子はアランの後ろに隠れ
怯えながら俺の顔を見て「誰?」っと言った
ネル
『もう大丈夫だよ、
俺が親御さんの元に連れて帰ってあげるね』
ミムジィ
『助けてアラン、この人怖い』
え? どうして?
アランは俺の顔をマジマジと見て
女の子はアランの服を掴み怯えていた
あれ? もしかして
俺とんでもない早とちりをしている?
俺はアランに どう言う事なのか
詳しい話を聞く事にした
・・・・・
どうやら アランとミムジィって子は
広場で遊んでいたらしく
日が暮れ始めたので
アランがミムジィを家に連れて帰ろうとすると
それでミムジィが嫌がっていたのだと言う
良かった、てっきり俺は
アランが女の子を誘拐する
変態なのかと思ってしまう所だった
ネル
『そんな事だろうとは思ってたんだよな』
アラン
『お前はアホだから
そんな事だとは思ってなかったハズだ』
ミムジィ
『この人アホなの?』
アラン
『そうだ』
おい!! 子供に何教えてんだコイツは!!
ミムジィは俺に
「アホのお兄ちゃん」っと言ってきた
そう呼ばれ 俺は苦笑いをした
リオンが買い物袋を持って やって来ると
ミムジィはリオンの側に走りリオンに抱きついた
リオン
『ミムジィさん、アランさんと遊んでたんですか?』
ミムジィ
『うん、アホのお兄ちゃんも居るよ』
リオン
『アホのお兄ちゃん?』
リオンはアランの顔を見た後に
俺の存在に気づき 俺の顔を見てきた
俺は苦笑いをしながら答えた
ネル
『アホのお兄ちゃんで〜す』
リオン
『・・・・・』
◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
〈55-8 馬鹿なフリ〉
ミムジィを家に送った俺達は
魔装獣に付いて詳しい話をアランとリオンに聞いた
やはり俺が戦った蛇の魔装獣と
アランが戦った鳥の魔装獣は
同じタイプの奴かも知れない
あっ‼︎とした表情で、リオンは俺に
どうしても頼みたい事があると言ってきた
何だろう?と話を聞くと
アズサに渡すハズだった報告書を
渡すのを忘れたらしく、
俺に届けて欲しいと頼んできた
リオン
『お願いしますネルさん、僕は夕飯の準備があるので
そうだ!!ネルさんも食べて行きますか?
今日はローズストーン国に泊まるんですよね?
それなら僕達の家に泊まりませんか?』
グイグイと話を進める奴だ
確かに泊まる宿を探してはいたが
ハイハイと二つ返事で俺は報告書を受け取り
アズサが居ると言う監獄所に向かった
▶︎監獄
俺はリオンから預かった報告書をアズサに渡すと
アズサは丁度良かったと言ってきて
お手洗いに行くから檻にいる山賊達が
悪さをしないか見張って欲しいと頼んできた
おつかいクエストが終わったら
次のクエストが発生した気分だ
俺はわかったわかったと嫌そうに返事をすると
アズサは直ぐに戻るからと言って トイレに行った
檻を見ると
山賊らしき女達が俺を見て睨んでいた
目つきの悪い奴らだ
とんでもない極悪人に違いない
山賊の女A
『おい見ろよ、ガキだ』
山賊の女B
『ねえ僕、私達をここから出してくれたら
いい物あげるし、なんでも買ってあげるよ?』
俺をそこらのガキと勘違いしてるのかコイツら?
何も言わず 俺は山賊達を見ていた
山賊の女A
『チッ!、喋れねぇのかよこのガキが』
山賊の女B
『助けに来た仲間もやられちまったし
コレじゃあママに怒られちまうよ』
ママ? そいつがコイツらの親玉なのか?
山賊の1人は助けに来て捕まったと思われる
仲間の山賊に
「お前のせいでこのザマだ!!」っと怒る
イヤイヤ、捕まってる時点でそのザマだろ
怒られている山賊の女は仲間の山賊に謝る
「すいません、
ドワーフの洞窟の場所を見つけたのですが
姉さん達を助けられず」
山賊の女B
『全くだよ、コレじゃあ
伝説の魔道具も持ち帰れなくなる』
山賊の女A
『コラ!!誰かに聞かれてたらどうすんだい!!
それに、ドワーフの洞窟に伝説の魔道具が
有るかどうかもまだ分からないんだよ!!』
山賊の女B
『平気だろ、あの機士の女は今便所で
今は頭の悪そうなガキしかいねぇ』
ドワーフの洞窟? 伝説の魔道具?
なんだそれは?
俺は詳しい話をコイツらから聞き出そうと
バカな子供のフリをして 話しかけて見た
ネル
『伝説の魔道具ってな〜に?』
山賊の女B
『そんな事も知らないのか
伝説の魔女ディナが使ったと言われる
とんでもない魔力を秘めた七つの道具なんだよ』
山賊の女A
『ディナガード国には
六つの魔道具がまだ残っているらしいが
その最後の一つが
ローズストーンの何処かに眠ってるって噂だ』
山賊の女B
『マナを開花させると言われてる丸薬
その名も解放丸花と呼ばれる薬らしい
それがアレば私達は、クイーン級の
魔女以上の力を手に入れるって噂なんだよ!!
まっガキには分からないだろうけどね』
俺はそれを聞き ニッコリと笑う
山賊達もニッコリと笑い返してきたので
「情報ありがとうな」っと言ってやった
山賊達は ハッ!!っとした顔になり
馬鹿のフリしやがったな!!っと吠えてきた
アズサが戻って来ると
俺は山賊達から聞き出した情報をアズサに話した
最後の伝説の魔道具、解放丸華と呼ばれる秘薬
それを山賊達の手に渡す訳にはいかない
◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
〈55-9 見覚えのある2人〉
翌朝
俺はキサラギとアズサに呼ばれ
ローズストーン国の門前まで来た
昨日話した山賊達の情報を知り
ドワーフの洞窟に伝説の魔道具があるのか
探しに行く事になった
ドワーフの洞窟は危険な場所だと
俺はアズサから教えてもらった
門前にはキサラギのジャンヌダルクと
アズサのエリザベス、それと
ココのマリーアントワネットが
出撃の準備をしていた
ネル
『ドワーフの洞窟に行くんですよね?
キサラギさんやココさんも来るんですか?』
キサラギ
『戦える人材は多い方がいいでしょ?
城の警備はタナミアやリオン達が居るわ
隊長の私達が抜けても大丈夫よ』
ココ
『ねむい〜』
アズサ
『アンタ大丈夫?半分寝てない?』
今にでも寝てしまいそうなココを見て
本当に大丈夫かな?っと俺も思った
遠くからアメジスト隊の機士のウェルチと
2人のアメジスト隊の機士がやって来た
アメジスト隊の機士A
『よ!!久しぶりだなネル』
アメジスト隊の機士B
『どうだい、私達のこの格好イカしてるだろ?』
馴れ馴れしく俺に話しかけて来た機士を見て
俺は最初誰なのか分からずにいた
こんな人達と知り合った記憶が無かったが、
少し考えていたら思い出した
古代の魔装機を観光名所にしてるあの村で
古代の魔装機を盗もうとした野盗の魔女だ!!
確かココにやられて
ローズストーンの機士に捕まったと聞かされたが?
俺はビックリした表情で2人に言った
ネル
『あの時の野盗の魔女AとB!?』
ソフラン
『私の名はソフランだ!!』
チュラム
『私はチュラムだよ!!』
ソフランとチュラム、
コイツらそんな名前だったのか
名前の無いモブかと思っていた
俺はそんな馬鹿な事を考えていると
ウェルチがソフランとチュラムを呼んだ
ウェルチ
『2人とも何をしてるの!!』
ソフラン
『すいやせん姉さん』
チュラム
『分かってますよ、ココ隊長の代わりに
ドワーフの洞窟に行くんでしょ?』
姉さん?どう言う事なのか俺はウェルチに聞く
ウェルチが言うには、
野盗の2人がローズストーンの機士に捕まった後
改心して 機士としてローズストーン国に
忠義を尽くそうとしてくれているそうだ
今はアメジスト隊の
ウェルチの部下として働いているのだとか
コソ泥のコイツらが機士としてねえ?
俺は不安そうな顔で2人を見る
ウェルチ
『ココ隊長は戦力になれそうにありません
キサラギ隊長、アズサ隊長
どうか私達を
ココ隊長の代わりに同行させて貰えませんか?』
アズサ
『ココもあんなんだし、良いんじゃない?』
キサラギ
『そうね、よろしくねウェルチ』
ココは瞼を擦りながら俺の前にやって来た
凄く眠そうだ こんな状態の
ココを連れて行くなんてとても危険だ
代わりにウェルチ達が来てくれて助かった
ココは、腰に付けていた剣を俺に渡した
ココ
『ネルに貸してあげる、役に立つと思うから』
ネル
『俺、剣とか使えないんだけど』
ココ
『いいから受け取って』
言われるがまま俺は剣を受け取った
魔装機があるのだから武器とか必要無いのだが・・
出発するわよ、っとキサラギが言うと
俺達は魔装機に乗り出撃した
後ろでココが小さい手を振り見送ってくれた
ココから貰った剣が邪魔で
マナリリアンを操縦しにくい
俺は邪魔な剣を見てどうしようかと考えていた
▶︎ドワーフの洞窟
洞窟に到着すると 俺は唖然とした
洞窟の穴は小さく
魔装機が通れる大きさでは無かった
もし中から山賊でも出たら
俺は戦えないぞ!!っと思ったが
キサラギやアズサ、
ローズストーンの機士が5人も居る
俺が居なくても何とかなるかと考えた
キサラギ達は魔装機から降り
念の為武器は持った?っと聞かれたので
俺達は武器を見せ 持ってる事をアピールした
俺はココから貸して貰った剣を見せ
出来るならこの剣を使わず済む事を願った
◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
〈55-10 ドワーフの洞窟〉
▶︎ドワーフの洞窟
俺達はランタンを腰に付け
暗い洞窟の中を進んで行く
洞窟に入ると早々に階段が現れ
その階段を俺達は降りて行った
長く長く続く階段を降り
何処まで降りて行くんだと俺は思っていた
チュラム
『こっ怖いですね姉さん』
ウェルチ
『警戒しなさい、山賊やそれ以外の物も現れるかも』
チュラム
『それ以外って何ですか!?』
ジュルンっと大きな音が洞窟の中に響く
ソフラン
『なんすか今の音!!』
ネル
『ごめん、鼻かんだ』
緊張感の無い俺達に
アズサは呆れた顔で俺達を見ていた
長い階段を降り終わると
そこには大きな地下神殿が広がっていた
俺と野盗達はおぉーっと叫び
その広さと凄さに驚いていた
この場所に昔、ドワーフ達が住んでいたのか
まるで古代都市だな!!
俺は歩いて辺りを調べようと
何処かに行こうとすると
キサラギが「待って」っと呼び止めた
ネル
『どうした?』
キサラギ
『何か聞こえるわ』
その言葉に野盗達は怯え
俺はアズサの後ろに隠れた
アズサはビックリして俺に言った
アズサ
『ちょっと!!お尻触らないでよ!!』
ネル
『触ってねえぇわ!!』
俺とアズサが言い争っていると
チュラムが何かに指をさし
「アレは何ですか?」っと言った
アレ?っと俺は顔を横に向けると
全長2メートル半ぐらいの大きな人形型の
ゴーレムの見た目をした物がそこには立っていた
まさか魔物か!!でも魔物は全て絶滅したハズ?
じゃあアレは何だ!?
辺りを見ると
俺達はその化け物達に囲まれていた
ネル
『何だよコイツら!?』
ウェルチ
『コレってまさか!!』
アズサ
『傀儡よ!!気をつけて!!』
傀儡?何だそれは?
皆んなは剣を構え傀儡と戦い始めた
俺は1番強そうなキサラギに隠れ
傀儡が何なのかキサラギに聞いて見た
キサラギ
『傀儡はドワーフが作った防衛用のゴーレム人形よ』
そう言いながらキサラギは傀儡を次々に倒して行く
なるほど、魔物では無いのか
それにしてもキサラギは強いな
他の奴らはどうなのだろう?
俺は横を見ると
アズサもキサラギ寄りかは劣るが傀儡を次々に倒し
ウェルチも頑張って傀儡を倒していた
ソフランとチュラムは傀儡に怯え
持っていた剣では無く
火の魔法を使い傀儡に攻撃をした
しかし、傀儡には魔法が効かず
それを見たソフランは驚いていた
ソフラン
『まっ魔法が効きやせん!!』
キサラギ
『傀儡に魔法は効かないわ、剣で攻撃しなさい』
そうは言うが、ソフランとチュラムは
怯えながら剣を構え傀儡と戦った
俺もココから借りた剣があるが
こんな化け物と
生身で戦うなんて無理だと感じていた
俺の前に傀儡が現れ
傀儡は俺を殴ろうと攻撃してきた
俺は目を閉じ 怯えていると
キサラギがカッコよく傀儡を倒し俺を抱き上げた
カッコいい、俺が女性なら惚れてしまっていた
キサラギ
『邪魔だから私にしがみついてて』
ネル
『え?』
そう言うとキサラギは俺を胸に押し当て
俺はキサラギの正面からしがみついた
大きな胸が顔にモロに当たる
キサラギが傀儡と戦うと
俺の顔が胸に挟まれ上下に揺れる
アズサ
『キサラギ!?大丈夫?血が出てる!!』
キサラギ
『変ね?攻撃は受けて無いハズなのに』
キサラギは服を見ると 血がポタポタと流れていた
コレはキサラギの血では無く
俺の鼻血だった
すまんエレノア、
俺はまた良からぬ事をしているようだ
だが.....この感触は誰も抗えられないのだ
俺は鼻血を出しながら
キサラギの胸に顔を押し当てていると
強い揺れが起き 奥にある神殿が崩れ始めた
アズサ
『今度は何!?』
ウェルチ
『アズサ隊長、アレ!!』
神殿の中から5メートルぐらいの巨大傀儡が現れた
◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
〈55-11 傀儡戦〉
強い揺れが起き 奥にある神殿が崩れ始め
神殿の中から5メートルぐらいの巨大傀儡が現れた
巨大傀儡が現れたと同時に
地下の天井も崩れ始めた
キサラギ
『逃げるわよ!!』
キサラギが叫ぶと
アズサ達は武器をしまい来た道を戻り 走った
俺は流石に抱き付いたままなのは悪いと思い
キサラギから離れ自分の足で走った
ウェルチ
『ネルさん!!、顔中血塗れですよ!?
大丈夫ですか!!』
キサラギの胸で鼻血を出し
その血で俺の顔は血塗れになっていた
俺は恥ずかしくて何も言えなかった
長い階段に息を切らしながら駆け上り
地上に到着すると
俺達は体力を使い果たし地面に倒れた
キサラギだけが平気そうに洞窟の中を覗くと
階段の道は岩で塞がれていた
コレなら傀儡達も登って来れないハズ、
っと言っていた
ネル
『全く、何だったんだあの化け物』
ソフラン
『でも良かった、あんな大きな傀儡と
戦ってたらやられてたよ』
チュラム
『そうですよ』
オイオイ、それフラグなんじゃ?
俺は嫌な予感を感じていると
洞窟の奥の地面が崩れ大量の傀儡が地面から現れた
ホラ見ろ!!言わんこっちゃ無い!!
ソフランとチュラムは怯え
キサラギとアズサはやれやれとしていた
俺はまたキサラギに隠れてあわよくば...
っと考えていたら
俺は足元の地面を見て、空を見上げた
あ!!ここは地上だった!!
それなら俺だって戦える
俺はマナリリアンに乗り
傀儡達と戦ってやろうと意気込む
ネル
『さっきは何も出来なかったが
マナリリアンに乗れば俺だって戦える!!』
マナリリアンの全長は8m
2メートルの傀儡をマナリリアンの足で潰し
5メートルの巨大傀儡を
クリスタルブレードで真っ二つにした
ネル
『ハハハハ、丸でゴミのようだ!!』
俺が暴れる様子を
キサラギ達は何も言わず見ていた
後から聞いた話なのだが
傀儡と魔装機では戦力の差が有るらしく
俺はただ、
1人で弱い人形を倒し高らかに叫んで居たらしい
▶︎ローズストーン国 門の前
リオンとアランは 門の警備をしていた
すると、ミムジィがやって来て
リオンとアランに飴を手渡しに来た
ミムジィ
『リオン、アラン、この飴食べて!!』
ありがとうっと言ってリオンはその飴を受け取ると
その飴は最近子供達の間で有名になっている
食べると幸せになると言われている飴だった
ミムジィ
『人間が食べると幸せになれるんだって』
アラン
『俺は人じゃない、俺は魔族だ』
ミムジィ
『アランも人間だよ?』
ミムジィは満面の笑みでそう言った
アランも少し笑顔になり 飴を受け取り食べた
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