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魔装機マナリリアン  作者: ロア
   WORLD of END 6章
52/120

6章 平和な世界 42話-帰ってきた学園

〈42-0 Prologue〉


▶︎???


 暗い、寒い


 ここはどこ?

 どうして私がこんな所に?


 真っ暗な場所、低い天井

 匂いや肌に当たる感触で、

 ここが何処かの洞窟の中である事を私は理解した


 手足は何かで固定されていて身動きは取れないし

 服まで脱がされている


 何処かの山賊が

 私を人質にでも取ったつもりなのかしら?

 無駄な真似を


 しばらくその空間で私は待っていると

 目が慣れていき

 周りを見渡せるぐらいにはなっていた


 周りには何も無く

 本当に何処かの洞窟の中だった


 トコトコと奥から誰かが歩いて来た

 その人物は私の前に現れた



囚われた女

『貴方は誰かしら?私を誘拐して何をするつもり?』


謎の人物

『体は大丈夫かな?目や耳

 何処か異変を感じたりはしませんか?』


囚われた女

『えぇ、手足を動かせない以外は

 どこも問題ないわ、私を殺すつもり?』


謎の人物

『そんな!、貴方は素晴らしい力を持っています

 殺すなんてもったいない、それに

 私が貴方を殺せる訳ありません』


囚われた女

『それじゃあ、体が目当てなのかしら?』



 男は私の体を見て言った



謎の人物

『いえ、それも違います』


囚われた女

『あらそう?こんなチャンス

 もったい無いんじゃないかしら?』



 私は魔法を使い、手足に付けられていた

 拘束具を破壊して

 見知らぬ人物の前に立った



囚われた女

『それで?貴方の目的はなんなの?

 返答次第では、どうなるか分かってる?』



 見知らぬ人物は不気味に微笑んだ



謎の人物

『私は貴方を殺せませんが

 貴方も私を殺す事ができませんよ』


囚われた女

『どう言う事かしら?』


謎の人物

『この世界は、貴方の知る世界では有りません

 遠い未来の世界なんですから』



 遠い未来?

 ますますよく分からない事を

 この見知らぬ人物は言ってきた



謎の人物

『元の世界に戻りたいのなら

 私の言う通りにしてください』


囚われた女

『.....よく分からないけど

 私は何をしたらいいのかしら?』


謎の人物

『この狂った世界を、一度リセットします

 貴方の時代で、このような事にならないように』


囚われた女

『未来の世界は、そんなに酷い有り様なの?』


謎の人物

『えぇ、それはとても

 だから私の手伝いをしてください』



 その人物は私に交換条件を出して来た


 私がこの人物の手伝いをする代わりに

 ソレが終われば元の世界に帰してくれると


 単純で分かりやすい そんな提案を



謎の人物

『貴方の力が有れば、この世界は簡単に変わります

 お願いしますよ、赤の魔女ディナ』



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈42-1 新しい日常〉


 巨大な闇がこの世界を覆う

 それがこの世界の未来だったのかも知れない


 だが俺達は力を合わせ

 巨大な闇に打ち勝つ事が出来た


 プルネン•バステカ ドルズ•バルファルス

 彼らがこの世界を滅ぼそうとしたが

 三ヵ国の機士達が協力してその者らを倒した


 巨大魔装機グランバルファルスを倒した

 エルフ族のリオン 魔族のアラン

 そして俺、ネルは世界を守った英雄として

 皆からそう呼ばれるようになっていた


 グランバルファルスの力で

 この世界から魔物が全て消えたらしい

 コレで魔物に襲われる心配が1つ消えた


 世界を闇から守った俺達は

 いつもの平和な暮らしを満喫していた


 いたんだが....


 アレから数ヶ月が経った


 俺は異世界人だと言う事がバレ

 デルクやライル、皆んなに

 何故嘘をついてたんだと説教された


 俺は平謝りしながら

 本当は地球と言う星で生まれた事や

 この体はこの世界に来た時にはこうなってた事

 知ってる事を全て話した


 異世界の人に異世界人の話しをして大丈夫なのか?

 まぁ、次元の壁を突破する機械があるんだ

 それぐらい話しても大丈夫なんだろ..多分..


 プルネンが作った次元転送装置は破壊され

 三ヵ国の条約で、次元を行き来する機械を

 作ってはならないと言う制約が決まった


 レインオラクル国の

 魔装機学者オリーブさんによると

 進み過ぎた文明を

 持っていったり持ってきたりすると

 タイムパラドクスが起きるとかなんとかで

 余り良く無いんだって


 死人や産まれてくるハズが無かった人を

 呼び寄せる事が出来るって聞いて

 リオンやアズサさんは

 何か思う所があったみたいだ

 シャロの事はリオンから聞かされた

 俺もシャロにもう一度会いたいよ


 俺が捕まっている間に色々変わっていた


 変わったのはアランもそうだ

 敵だったアランは

 俺や皆に謝っていた


 ディナガード国の機士や

 ローズストーン国の人々を殺した罪は

 簡単には許される事じゃない


 だけど

 ディナガード国のバエル王や

 ローズストーン国のアテナ女王は

 魔族のアランとアイナに

 罪を償うなら人々の手助けをして欲しいと

 アランの事を簡単に許していた


 何人かは遺恨がある者もいただろうが

 復讐と言う怨みは何も生まないと言う事を

 わかっていたのか、何も言う者はいなかった


 他種族との戦争や

 プルネンとドルズと言う男も

 復讐だけで戦いをしてきた

 彼らを見て、アランがやった事も

 許そうと思ったのかも知れない

 元々アランはドルズに駒にされていた被害者だ

 俺も思う事はあるが、

 アランを咎めようとは思わなかった


 それからアランは色々変わった

 世界を見て回ると言う名目で

 俺とアランはディナガード国に来ていた




▶︎ディナガード国



ネル

『んで、ここがディナガード国の学園

 勉強や魔装機を動かす練習をする場所』



 俺は魔族のアランに

 ディナガード国の案内をしていた

 なんで俺がこんな事を

 そう思いながら案内を続けた


 俺の話しを黙って聞くアラン

 ちゃんと聞いてるのか?そう思ってならなかった



ネル

『腹減ったな、アランは人間の飯とか食えるのか?』


アラン

『馬鹿にするな、飯ならお前に任せる』



 そうですかっと心で呟き

 俺はアランと一緒に学園の食堂に向かった


 皆授業を受けているので

 食堂は誰も居ない貸し切り状態になっていた

 俺は食堂のオバチャンに

「なんでもいいからご飯ない?」って言うと

「ちょっと待ってな」っと返事が返ってきた


 数分でオバチャンはご飯を作ってくれ

 俺とアランの前に食事を運んで来てくれた



ネル

『おぉ、美味しそうなグラタンだ!!』


アラン

『なんだコレは?カロリーチップでは無いのか?』


ネル

『あぁ、レインオラクル国の人は栄養のある

 クッキーみたいな奴を食べてるんだったな、

 いいから食ってみろよ、飛ぶぞ?』



 俺はニヤケながらアランを見て言った

 アランは恐る恐るひと口食べると

 美味しかったのか

 その後は普通にパクパク食べ始めた


 なんだよ、もうちょっと

 オーバーなリアクションを期待したのに

 少しガッカリしてしまったよ


 俺とアランが食事を楽しんでいると

 機士団長のナラさんがやって来て

 俺とアランに話をかけてきた



ナラ

『探しました、アランさんの宿の件ですが

 ネルさんの部屋にベッドが余っていたので

 そちらを使ってください』


ネル

『アランとおんなじ部屋か、

 アランってイビキとかすんの?

 俺うるさいの嫌なんだよな』


アラン

『お前こそ静かに寝れるのか?俺は神経質なんだ』



 軽い冗談を言ったら

 重たい冗談を言い返してきた


 俺はコイツっと思いながら

 引きつった顔でアランを見ていた



ナラ

『アランさんは数日間学園で暮らして貰います

 学園での生活や生徒と触れ合い

 ディナガード国を知っていただきたいので、

 構いませんか?』


アラン

『人の事や国の事を知れるのならなんでも構わない』


ネル

『お前はまず敬語を覚えるべきだな』


アラン

『ならお前が俺に敬語を使え

 俺は16でお前は15なんだろ?』


ネル

『それは俺が咄嗟に出た嘘で!!

 本当は27歳なんだよ!!、

 この体の歳は知らないけど...』


アラン

『そんな華奢で小さな体だ、俺より年下だろ』



 言わせておけば

 そう思いながら俺は内心イライラしていた


 ご飯を食べ終わった俺は

 自分の部屋をアランに案内した



ネル

『ここが今日から俺とお前の部屋だ

 ベッドは左のやつを.....!!??』



 俺が部屋に帰ると、俺のベッドや机が

 何者かによってめちゃくちゃに散らかされていた

 お菓子の食べカスやゴミが散乱していたんだ!!


 アランが使うベッドは綺麗なままだった


 アランは自分のベッドで寝そべり

「疲れたので少し休む」っと言ってきた



ネル

『ちょっと待てよ!!

 片付け手伝ってくれないのか!?』


アラン

『お前のベットなんだろ?自分で片付けろ』



 なんて態度の悪いお隣さんなんだ!

 こんな奴と俺は同部屋なのかと思いながら

 シクシクと掃除をした


 俺が1人寂しく掃除をしていると

 トントンとドアがノックされ扉が開いた


 入って来たのは

 ディナガード国の学生になっていたハルタンだった


 ハルタンは

 俺がベッドを掃除をしているのを見て謝ってきた



ハルタン

『おぉネル、すまんすまん

 レイナのベッドの上で

 お菓子を食べてたらめちゃんこ怒られて

 仕方なくネルの部屋を使わせて貰ってたんだ』


ネル

『お前か犯人は!!』


ハルタン

『うお!!ネルがめちゃんこ怒ってる!?』



 俺は鬼の形相でハルタンに怒鳴りつけた


 アランはうるさい奴らだと思いながら

 不機嫌そうに俺達を見ていた



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈42-2 二度目〉


 アレから世界は変わった


 レインオラクル国の大臣が世界を変えようとした

 その結果

 ディナガード国の多くの機士が犠牲になった


 だけど私達は今を生きている



 ディナガード国の機士が沢山死に

 今残っている機士は

 ナイト級のナラ隊長

 ナイト級のレベッカ

 ビショップ級のレイナにノノカにマル

 いつのまにかナイト級になっていたハヤト

 マナを持たないネル


 そして私、ナイト級の機士サラサの8名


 機士の皆んながいなくなって

 私達機士の仕事が沢山増えた



▶︎ディナガード国 広場



サラサ

『ふぅー、疲れた』



 私はディナガード国に運ばれてくる物資を

 1人で仕分けして1人で街の人達に荷物を届けた


 皆んながいた時はこんなにしんどく無かったけど

 私1人だとこんなに大変なんて

 っと私は弱音を呟いていた

 ダメだダメだ、

 こんなんじゃ頑張ってくれた機士の皆んなに悪い

 私が皆んなの分も頑張らないと


 私は仕事を終え

 診療所で仕事をしているレベッカの元に向かった


 診療所に着くと

 仕事を頑張っているレベッカの後ろ姿が目に入った

 私は明るくレベッカに後ろから声をかけた



サラサ

『やっほ、そっちはどう?何か手伝おうか?』


レベッカ

『あらサラサさん、こっちももう直ぐ終わりますわ

 だからサラサさんは

 お先に寮に帰ってもらっても構いませんわ』



 私は優しくそう言ってくれたレベッカに

「そっか」っと小さく返事をした


 診療所のとある病室の窓を見て

 私は何かを考えていた


 それを見たレベッカは私に言ってきた



レベッカ

『フタナさんが心配ですか?』



 心配...か、それは勿論心配だけど

 それだけじゃない

 今この国にレインオラクル国から

 世界を広く見るためにアランが来ている


 そう、

 多くの機士を殺した漆黒の魔装機に乗る男

 フタナの妹 フタマを殺した男が...


 もしフタナがアランを見たら

 彼女はどうするんだろうと

 嫌な事ばかりが頭に浮かんでしまう



レベッカ

『大丈夫ですわよ、フタナさんもきっといつか

 笑って私達と一緒に暮らせる日がくると

 そう思ってますわ』


サラサ

『だといいね』


レベッカ

『それよりサラサさん!!

 貴方少し臭いますわよ!!

 ちゃんと臭いにも気を使ってくださいませ!!』


サラサ

『だってしょうがないじゃない!!

 私1人でいっぱい仕事頑張ってたんだから!!』



 私は自分の服の臭いを少し嗅いだ

 確かにレベッカの言う通り

 なんだか汗の嫌な臭いが染み付いていた


 レベッカも私と同じぐらい大変なハズなのに

 彼女は清々しい雰囲気を感じさせていた

 なんだか腹立つ



レベッカ

『さっきレイナさんが

 お風呂掃除が終わったと言ってましたので

 寮に帰って入ってきたらどうですか?

 今の時間なら誰もいらっしゃらないでしょうし』


サラサ

『...そうね、じゃっ先に帰ってるわよ』



 そう言って私は寮に帰った


 大浴場に着き

 私1人で誰よりも先に湯船に浸かった


 なんだろ

 数日感の疲れが一気に癒やされる

 そんな気持ちになっていた



サラサ

『貸切してる見たいで、なんだか落ち着く〜』




▶︎寮 ネルとアランの部屋



ネル

『終わったぁ〜』



 俺は1人で

 散らかったベットを掃除して

 なんとか終わらせる事が出来た


 隣で寛いでいたアランは

「良かったな」っと俺に小言を言ってきた


 コイツ、マジで何にも手伝ってくれなかった

 人としてどうなんだよ、

 魔族だから情とか無いのか?



ネル

『お前も少しは手伝おうとか手を貸そうとか

 そう言う事をやって行った方がいいぞ

 人助けが1番誰かと仲良くなるコツなんだからな、

 ましてや俺は同じルームメイトなんだぞ

 ちょっとは仲良くしとこうとか思ってくれよ』


アラン

『.......』



 すぐコレだ

 コイツは何を考えてんのか俺には分からねぇ

 魔族と人が仲良くなるなんて無理なのか?



ネル

『今日一日案内してやった事とかのお礼とか

 そんなんも無いよな、まったく、

 お前の事が俺には分からないよ』


アラン

『.....すまない』


ネル

『今更もういいわ!!

 さっきのは俺の愚痴みたいなもんだから』


アラン

『違う、今日の事じゃない‼︎

 ドルズと戦った時の事だ、

 お前が妹のアイナを助けてくれただろ

 あの時お前が居なかったら

 妹はどうなってたのか分からなかった

 その時の礼だ』



 ・・・・・なんだよ

 そんな事言われると恥ずかしいだろ

 それに嫌味言ってた俺が悪者見たいじゃないか



ネル

『気にすんなよ、困った時はお互い様だ』


アラン

『お互い様?』


ネル

『そうだよ、困った時はみんな助け合うんだよ

 それが人間の善意だ、だから

 お前も誰かが困っていたら助けてやれ

 それが人間らしさってもんなんだからさ!!』


アラン

『そうか、わかった』



 なんだか こんな事で

 一気にアランとの距離が近くなった気がする

 歩み寄るのに

 無駄な言葉とかそんなの必要ないのかも知れない

 人間だってエルフだってフェアリーだって

 勿論魔族も、何も根っこは変わらない

 そう思えて来た



ネル

『今なら浴場に誰もいないはずだ

 少し早いが、風呂に入ろうぜ?

 裸の付き合いって奴だ』


アラン

『裸の付き合い?

 人間は意味不明な言葉を使うんだな』



 いいから行くぞっと俺はアランを連れ

 寮の大浴場に向かった

 今の時間なら

 誰も生徒や機士の人が利用して無いだろう

 そう思い込んでしまっていた


 アランが服を脱ぐと体に無数の傷があった

 コイツがレインオラクル国で

 大変な目にあった事をその背中が表していた

 俺はなんとも言えない表情で

 アランの背中を見ていた



アラン

『なんだ?そんなにジロジロ見やがって』


ネル

『いや、その....』


アラン

『女見たいな奴だと思ったが、

 まさかそう言う趣味があるんじゃ無いだろうな?』


ネル

『ねーわ!!』



 俺はムカつきながら浴場のドアを開いた


 そこには

 裸のサラサが俺達を見てビックリしていた


 アレ? なんだかデジャブな気がする

 この先のありきたりな展開を察知して

 俺はとりあえず謝る事にした



ネル

『ごめんなさいサラサさん、そんなつもりじゃ‼︎

 おいアラン‼︎お前も謝れ‼︎』


アラン

『何故だ?お前が連れて来たんだろう

 人間を知るのに裸の付き合いがどうとかで』


サラサ

『そう言う事だったのね、

 やっぱりアンタって奴は!!』



 凶々しい気配をサラサから感じる

 俺は必死にサラサに誤解だと弁明するが

 彼女はもう誰にも止められそうに無かった


 俺はサラサにボコボコにされながら

 アランに助けを求めた



ネル

『助けてアラン、今こそ助け合いの心をだな』


アラン

『コレが裸の付き合いか、勉強になる』


ネル

『ちがーーう!!』



 その日

 俺は酷い目に遭った



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈42-3 嫉妬〉


 アランが

 ディナガード国の学園に来てから数日が経った


 アランはクラスでも人気者になっていた



女子生徒A

『アラン君、一緒に食堂行こ』


女性生徒B

『あ!ズルい、私が誘おうと思ったのに!』


女性生徒C

『アラン君は彼女とかいるの?

 凄くカッコいいしモテそうじゃん?』



 女子生徒達がキャーキャーとアランに群がっている

 なんだかジェラシーを感じてしまう

 前は俺の方がキャーキャー言われてたのに

 今はアランかよって


 俺は退屈そうにアランを見ていると

 二学年上のオシコさんが隣に現れた



オシコ

『アレが噂のイケメン留学生ですか』


ネル

『オシコさんいたんですね』


オシコ

『あの人からお金になりそうな匂いを感じる、

 どうかな?ネル君とアラン君のユニットを組んで

 写真集やブロマイドをファンに売るってのは?』


ネル

『遠慮しときます、それに聞きましたよ

 前にエレノア姫の写真集を裏取引で売ってたって

 機士の人に捕まったんですよね、

 そろそろ懲りたらどうですか?』


オシコ

『これは痛いとこをつくね、

 昨日サラサさんの裸を見て怒られたから

 へこんでるのかな?』



 なんで知ってんだよ

 噂が広まるのは早いなっと思いながら

 俺は無表情のままアランを見ていた


 アランは嫌そうに1人で食堂に向かって行った



ネル

『それで、サラサさん怒ってました?』


オシコ

『それは勿論、

 精神年齢27歳の君に裸を見られたんだ

 しかも2度も、とても怒ってたらしいよ?』



 俺は頭を抱えた

 俺が転生者で実は27歳の成人男性だった事は

 もう皆に話していた

 転生者だからと言って

 俺をどうこうしようとする者は居なかっが

 そのせいで前より生きにくくはなった


 今は誰かも知らない体を借り

 15歳のネルとして生活しているが

 本当にこのままでいいのかとも思っている



ネル

『俺はどうしたら...』


オシコ

『時間が過ぎるのを待つしか無いね、

 それか許してもらうために何かをするのか』



 俺が深く溜め息を吐くと

 オシコは笑いながら何処かに去って行った


 その後昼食を取った俺達は

 昼からの授業を受けていた

 アランは俺より1つ歳上なのだが

 監視役を頼まれていたので

 同じ1学年の教室で授業を受けていた

 今日の授業は魔法の訓練らしい

 マナを持たない俺は

 のんびりと見学をしていた


 生徒達は教師の話を聞き

 必死に魔法を唱えようと練習していた



ネル

『皆んなスゲェな、

 魔法って使えるとどんな気持ちなんだろ?

 やっぱ楽しいのかな?』


アラン

『お前は授業を聞かなくて大丈夫なのか?』


ネル

『俺はマナを持たないからな、

 それよりアランはどうなんだよ、

 魔族は魔法とか使えないのか?』


アラン

『魔族でも魔法が使える者と

 使えない者が存在するらしい

 俺は後者らしいがな』



 マナが高くても魔法を使えない者もいる

 魔族も似たような者なんだな


 俺は、火の魔法とか氷の魔法を

 楽しそうに使う生徒達を眺める



ネル

『そう言えばアランは

 魔族だから普通の魔装機には乗れないんだろ?

 魔石じゃなく魔神石を使った魔装機にしか』


アラン

『そうだな』


ネル

『お前が訓練用の魔装機に乗れたら

 俺と勝負して恥ずかしい思いをさせてやれたのに』


アラン

『それはお前がか?』


ネル

『強がんな、俺はこう見えても

 魔装機の操縦技術は上手いんだぞ?』



 俺はニヤニヤしながらアランを見た

 だがアランは

 無表情で何処か遠くを見ていた


 授業をサボってると思った教師は

 俺とアランに木刀を差し出して来た



教師

『魔法が使えないのなら剣の訓練をしましょう、

 剣術も大事な機士の嗜みです』



 俺とアランは木刀を手に取り

 お互いの顔を見た


 ネルとアランが剣で試合をするの?

 っと思った生徒達は ザワザワと騒ぎ始める

「え!もしかして試合するのかな?」

「2人とも強そうだから良い勝負するんじゃない?」

「ネル君もアラン君も可愛いから両方応援しちゃう」

「ネル君頑張れー」


 生徒達からの声援を聞き

 俺は木刀を構えアランを挑発する



ネル

『しゃぁね、軽く戦ってやりますか』


アラン

『剣を使った経験はあるのか?』


ネル

『ねぇーよ、でもこの体になってから

 普段より身軽に動ける、剣術なんて楽勝だろ』



 ようはチャンバラだろ?

 ガキの頃に遊んだ事ぐらいあるし

 学生時代、剣道の授業も合ったんだ

 俺はそれなりに自信があった


 アランは「そうか」っと呟き 木刀を取り

 俺達は木刀を構えた


 教師が号令で俺はアランに剣で攻撃した


 試合は一瞬で決着が付いた


 気がつくと俺は地面に倒れ

 アランは俺の顔に木刀を向けていた

「ネル君カッコ悪い」

「最初の威勢だけは凄かったよね」

 などと聞こえてくる


 アランは俺に「まだやるか?」っと挑発して来た

 生徒達はアラン君ステキとかなんとか言ってる


 クソ!こんなハズじゃ無かったのに

 俺はアランから恥ずかし目を受け顔を赤くしていた



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈42-4 鈍い男〉


 アレから更に数日が経った

 アランは学園のアイドルの様

 生徒達からモテモテだった

 食堂でもアランの周りに生徒達が群がっていた

 アランがいけ好かない奴に見えて来た


 俺は1人寂しく食堂でご飯を食べていた



ネル

『なんだよ、アイツばっかりチヤホヤされちゃって』



 フォークでグリンピースを突き刺しながら

 愚痴を言っていると

 後ろからハルタンがやって来て

 水魔法を使い俺の首筋を濡らしてきた



ネル

『冷た!!何すんだよ!!』


ハルタン

『見たかネル!、学園に来て

 魔法が使えるようになったんだ 凄いだろ!』


ハヤト

『ハルタンさん、後ろから急にそんな事したら

 ネルさんがビックリしますよ』


ハルタン

『ビックリしたか私の魔法に!!』



 今1番会いたく無い奴に会ってしまった


 俺はビックリしたビックリしたと適当に返事をして

 突き刺したグリンピースを食べた


 グリンピースを食べる姿を見て

 ハルタンはオエっとした感じで俺を見ていた

 もしかしてグリンピースが嫌いなのかな?



ハヤト

『そうでした!、デルク司令が

 ネルさんとアランさんを呼んでましたよ

 いつでも良いから城まで来て欲しいって』



 デルク司令が?

 俺は教えてくれたハヤトに礼を言い

 授業が終わった後

 アランと一緒にディナガード城まで向かった



▶︎ディナガード城



アラン

『魔族の俺まで城に呼ばれるなんてな、

 この国は警戒心が足りないんじゃないのか』


ネル

『それだけ信用されてんだろ

 魔族とかそうじゃ無いとか、今は関係ないだろ?』



 城の広間に付くと

 奥からディナガードの機士

 サラサとレベッカがコチラに歩いて来た


 俺はサラサの顔を見て

 明るく「やあ」っと手を振った

 しかし

 サラサは俺の顔を睨んできて

 そっぽを向いて何処かに歩いて行った

 どうやらこの前の事でまだ怒っているみたいだ


 レベッカはサラサの態度を見て

 俺に話を掛けてきた



レベッカ

『まだ仲直りしてませんでしたの?』


ネル

『だって、俺悪くないし』


レベッカ

『レディの裸を見てそんな態度じゃ

 一生許してくれませんわよ』



 レベッカの言葉が

 グサグサと俺に刺さる


 なんで一緒にいた俺だけがこんな目に会い

 アランは無罪なのか納得が行かなかった


 俺は不機嫌そうにアランを見ていた



レベッカ

『私達レインオラクル国に物資を届けに行きますの

 明日には帰ってくると思うので

 それまでに

 仲良くする方法を考えた方がいいですわよ』


ネル

『ごめんねレベッカさん、俺のせいで...』


レベッカ

『謝る相手は私じゃ有りませんわ

 お二方にキチンと謝ってください』



 レベッカはそう言い残し城を後にした


 お二方?どう言う意味だ?

 そう考えながら

 俺達はデルク司令がいる部屋に向かった



デルク

『来てくれたかネル、そしてアラン』


アラン

『世話になっている』


ネル

『んで?どうしたんですか俺達を呼び出して?』



 試作品NIS-0773が

 冷たい飲み物を持って部屋に入ってきた

 試作品NIS-0773は俺が居ない間に

 ライルさんが作った人型アンドロイドらしい


 名前が長いので

 皆からナナミと呼ばれている



ナナミ

『どうぞデルク司令

 それとネルさんとアランさんにも』


ネル

『ありがとうナナミさん』



 俺がお礼を言うと

 ナナミは凄く嬉しそうに俺の顔を見て照れていた

 可愛くて良くできたロボット

 一家に一台欲しいところだ



ネル

『ん?なんでナナミさんが城に?』


デルク

『バエル王が病気でな、

 今は機士の数が足りない状況だ

 世話役にとライル博士が連れてきてな』


ネル

『大丈夫なんですかバエル王?』


デルク

『軽い病気だと聞いた、

 今はベットで安静にしている』



 それは良かったと俺は思い 一安心した



デルク

『それで、学園の生活はどうだ

 人との関わり方が分かったか?』


アラン

『おかげさまで

 人との触れ合いや思考を学ばせてもらった

 感謝する、デルク大臣』


デルク

『それなら良かった

 今日はそれだけを聞きたかった

 手間を掛けさせて悪かったな

 俺も今は忙しく、城から動けない状態なんだ』



 話が終わり掛けたその時

 俺達の部屋にとても不機嫌そうな顔をした

 エレノア姫が入ってきた


 どうしてそんな顔をしているんだと思った俺は

 優しくエレノア姫に話を掛けた



ネル

『どうしたんですかエレノア姫?

 そんなに怒った顔して?』


エレノア

『胸に手を当てお考えください』



 なんだか分からないが

 こりゃ相当怒ってるに違いない

 俺はアランに言った



ネル

『おいアラン、お前エレノア姫に何かしたんじゃ‼︎』


アラン

『俺じゃなくお前だと思うが』


ネル

『俺が?なんで?そんな覚えないけど』


エレノア

『そうですネルさんです!!』


ネル

『えぇ!!』


エレノア

『またサラサさんの裸を覗いたんですよね!!

 不潔です!いやらしいです!変態です!』


ネル

『ちょっと待って!!アレは違くて!!』


デルク

『そう言えば、ローズストーン国に向かう最中

 レイナ達女性陣が温水に入っている時

 お前とゼラウドが覗き見た事あったな』



 オイィ、今その話はややこしくなるから辞めろよ


 その事を知ったエレノア姫は

 目の光が消え俺を蔑む様見ていた



ネル

『エレノア姫?コレはその違くて、いや

 本当なんだけど訳があってですね』


エレノア

『ネルさんはそうだったんですね

 私の気持ちも知らずそんな事をして』


ネル

『いやその、俺が悪いんじゃなくてですね』


エレノア

『もういいです!!

 二度と口も聞きたくありません!!』


ネル

『ちょっと待ってエレノア姫!!』



 エレノア姫はそのまま怒りながら部屋を出て行った


 アランとデルク司令は

 俺を悪者の様な目で見ていた


 ハイハイそうですよ

 俺が悪いんですよ




 その後

 俺は一晩中エレノア姫に謝り続け

 なんとか許しを頂いた



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈42-5 流行り物〉


 学園の休みの日

 俺とアランはする事がなく

 学園の噴水広場で暇を持て余していた



ネル

『暇だなぁ』


アラン

『......』


ネル

『返事ぐらいしろよ、

 俺が空気と喋ってる見たいに見えるだろ?』



 相変わらず無駄な話とかしない奴だ

 まさかこうも暇になるなんて思ってなかったな


 でも、暇って事は世界が平和だって事だ

 俺は暇を楽しもうと考えた


 黙っていたアランだが、急に俺に話を掛けてきた



アラン

『それで、サラサと言う機士とは仲良くなれたのか』


ネル

『急に口を開いたと思ったら俺の傷を

 抉るような言葉かよ、まぁまだなんだけどな』


アラン

『俺にも非があるのだろ、何か手を貸すぞ』



 それは助かる

 てか俺はお前が怒られない事に

 イラだってるだけなんだがな


 どうしたら仲良くなる方法があるのか

 俺は空を見ながらボケーっと考えた


「流行り物とか..」

 っとなんとなく思いついたフレーズを

 口に出すと、何処からか

 恐ろしい口調で俺に話を掛けてきた人物がいた



カゲコ

『女の子に渡す流行り物なら

 紅色花がオススメですよ』



 俺はその声に驚き座ってたベンチから転げ落ちた



ネル

『カゲコさん!?聞いてたんですか?』



 この人は同じクラスメイトのカゲコ

 いつも教室で1人で

 ひっそりと生活している子


 この人、何もない場所で誰かに話しかけたり

 闇の魔法を必死に勉強したりとかで

 何処となくミステリアスな空気を感じさせて

 少し怖いんだよな



カゲコ

『紅色花は巷で流行っている花なの、

 服の色素とか魔道具とかにも使われて

 とても貴重な花なのよ』


ネル

『そうなんですか、教えてくれてありがとう』


カゲコ

『今の時期だと、ファスト村の方で見かけるはず

 取りに行くなら今よ....』



 なんだか怖い人だけど

 優しい人なのかも知れない

 俺はお礼を言い、早速アランと一緒に

 ファスト村に行こうと思ったら

 なんだか騒がしい奴が俺達の前に現れた



ハルタン

『なんだ?何処かに行くのか?

 私も連れてけネル!!』



 学園の陰と陽が揃ってしまった

 そう俺はカゲコとハルタンを見て思っていた



ネル

『どうしてハルタンが、

 ハヤトとかレイナ達と遊んで来たらいいだろ?』


ハルタン

『ハヤトもレイナもノノカも

 機士の仕事とかで忙しいんだ

 だから私は暇なんだ』



 ココで断ったらめんどくさそうだ

 俺は仕方ないと思い

 3人でファスト村に向かう事にした



カゲコ

『取り扱いには注意してね、

 渡す時は瓶に詰めて渡すのが良いわよ

 ヒーッヒッヒッヒッ‼︎』



 なんだその不気味な笑い方は

 そんな笑い方する人実在したんだ



 とにかく

 俺はアランのガンドリアに乗り

 ハルタンは自分のバスタードに乗り

 ファスト村に行く事になった



ネル

『へ〜ガンドリアの中ってこうなってたんだ、

 俺も操縦したいな〜』


アラン

『変な所を触るなよ』


ネル

『アランが魔力を送ってたら

 俺でもガンドリアを動かせるんじゃないか?

 ちょっと魔力を送っててくれよ』


アラン

『だから勝手に触るなと言っただろ!!』


ハルタン

『2人で遊んでないで私も混ぜろー』



 俺がガンドリアを動かそうとしたら

 アランは本気で怒ってきた


 俺はこれ以上怒らせるとマズイと思い

 大人しくする事にした



アラン

『でっ?どっちに行けばいい?』


ネル

『道を真っ直ぐって言ってたから

 この道を進めば良いんだろ』



 アランは「わかった」と言うと

 ガンドリアは空高く飛び上がった


 なるほど、空を飛んで

 より速くファスト村に行こうと考えたのだろう



ハルタン

『ちょっと待て!!

 バスタードは飛べないんだぞ!!

 私と一緒に歩け!!』


アラン

『チッうるさい奴だ』



 ハルタンが通信でそう叫び

 アランは仕方なくガンドリアを地上に下ろした


 飛ぶより時間は掛かるだろうが

 飛べないバスタードが居るんじゃ仕方ないよな

 俺達は魔装機を歩かせファスト村に向かった


 しばらく歩き

 俺達は道なき道を進んでいた



アラン

『本当にこっちで合ってるのか?』


ネル

『仕方ないだろ

 俺も転生して日が浅いし土地勘なんて無いよ』


ハルタン

『私も道なんて分かんないぞ』



 更に俺達は道なき道を進み


 そして



ネル

『.....遭難した』


ハルタン

『そうなんですか!!!!』


アラン

『........』



 俺達は森の中で迷子になっていた



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈42-6 遭難〉


 俺達は森の中で迷子になっていた



ハルタン

『どどど、どうするんだネル!!』


アラン

『......』



 慌てるハルタンに無言のアラン

 アランも内心では心配してるのだろう


 ココはしっかりとした俺が

 2人を支えてやらないといけない!!

 ハルタンもアランも16歳の子供なんだ

 実年齢27歳の俺がしっかりしないとダメだろ!!



ネル

『落ち着けハルタン アラン!!

 まずは魔装機から降り、状況を確認するんだ!!』


ハルタン

『おっおう』


アラン

『......おいネル、ガン』


ネル

『大丈夫だアラン、俺に任せろって!!』



 俺達は魔装機から降り 状況を確認する事にした


 まだ日暮れまで時間はある

 無駄に動き回るより

 ここは誰かが来るまで待っていた方が良いだろう


 まずは水だ

 水が無ければ長生きできない


 俺はそうだと思いハルタンに言った



ネル

『そう言えば水魔法を使えるようになったんだろ?

 それがアレば水に困る事は無いだろう』


ハルタン

『なるほど!!流石ネルだ!!』



 俺は手を用器代わりにして

 ハルタンが出す水をひと口飲んでみた


 ひと口飲んで分かった

 とても飲める物ではなく、

 俺は吐き出し不味いと叫んだ


 失礼な奴と思ったハルタンは

 自分で出した水をひと口飲んで見た


 案の定ハルタンも水を吐き出し

 地面にペッペッとさせていた



アラン

『魔法の水はマナが濃く

 人が飲めるレベルじゃないからな

 こないだ授業で習っただろ』



 先に言えよ...

 授業を聞いていなかった俺達が悪いんだけど


 ハルタンはどうすると俺に聞いて来たが

 不味いだけで我慢したら飲める物なんだ

 俺は我慢して飲むんだとハルタンに言い聞かせた

 ハルタンは嫌そうな顔で「わかった」と返事をした


 次は食料だ、水だけじゃ心許ない

 俺はアランとハルタンに

 何か持ってないかと聞いてみた



アラン

『持ってる訳無いだろ』


ハルタン

『そっそうだ、ももっ持ってないぞ!!』



 そうか、なら仕方ないか

 ・・・・・ん?

 ハルタンの顔を見ると

 何故だか汗が大量に噴き出ている

 コレは嘘をついているのでは?


 俺はハルタンの目を見て

 もう一度同じ質問をした



ネル

『本当に食べる物を持ってないんだな?』


ハルタン

『ん...うん』



 目線を逸らしたハルタン

 俺はそれを見て確信した


「やめろ〜」と叫ぶハルタンを押しのけ

 俺はハルタンのバスタードの中を調べた

 すると



ネル

『なんだコレわ!!

 クッキーが一箱あるじゃ無いか!!』


ハルタン

『あぁ、私のオヤツ...』



 俺は発見したクッキーを手に取り

 コレは3人で分けて食べるぞっとハルタンに言った



ハルタン

『嫌だ嫌だ!!それは私が買ったお菓子なんだ!!

 ネルも買えば良いだろ!!』


ネル

『この非常時になんて事を言ってるんだ!!

 俺とアランが餓死するかも知れないんだぞ!!

 それでも良いのか!!』



 ハルタンはウーウーと悩み

 泣きながらわかったと返事をして

 クッキーを分ける事を承諾してくれた


 泣くなハルタン

 また帰ったらクッキーを買ってやる 覚えてたらな


 泣き崩れるハルタンと

 クッキーの箱を片手に持ち頷いている俺


 痺れを切らしたアランは俺達に言ってきた



アラン

『もう茶番は終わったのか?

 ガンドリアを飛ばして

 ディナガード国の方角を確認していいか?』



 ・・・・・・・・

 俺とハルタンは数秒間沈黙して

 それだ!!と大声を出した


 アランはヤレヤレとした態度で

 ガンドリアに乗り込み空に浮かんだ



アラン

『向こうの方角にディナガード国が見える

 この道を進めば帰れるぞ』



 やったぞアラン でかした

 俺達はディナガード国に帰れるんだ


 ハルタンは何処かを見て「アレ」っと指を刺した

 そこには

 森の中に一本 綺麗な花が咲いていた


 間違いない

 カゲコが教えてくれた紅色花だ

 俺は紅色花を手に取り

 その花を持ち帰る事にした



 こうして俺達は

 無事ディナガード国に帰って来れたのだった


 その日の夜


▶︎ディナガード国 寮


 俺は紅色花を手に持ち

 サラサの部屋に向かった


 コンコンとノックをし

 サラサが出てくるのを待った


 サラサは普通の顔で部屋を出てくると

 俺がいた事に気がつき

 ムスッとした態度になり俺に言ってきた



サラサ

『なによ』


ネル

『ハイこれ、この前のお詫びって訳じゃないけど

 俺がまたサラサを不快な気持ちにさせちゃったから』



 サラサは紅色花を受け取り

 頭を抱えていた



サラサ

『もぉ、アンタに心配掛けて

 年上なのに馬鹿見たいじゃん』


ネル

『一応皆んなに言ったけど

 俺、本当は27歳なんだけど』


サラサ

『それは前のアンタでしょ?

 今のアンタは15歳の子供でしょ、

 その体で15歳かも怪しいけど』



 サラサは紅色花を嗅ぎ

 少し笑顔になった


 どうやら

 この前の件の事は許してもらえたようだ


 サラサは俺に

 ありがとうと言って部屋に戻って行った

 俺も夜が遅かったので

 自分の部屋に帰る事にした



サラサ

『とても綺麗で良い匂いの花、

 確かレベッカから貰った花瓶があったよね

 それに入れとこっと』



 俺が部屋に戻ると

 ベッドでくつろいでいたアランが

 俺の顔を見て言ってきた



アラン

『どうだったんだ?』


ネル

『うん、許してもらえた見たい

 ありがとなアランも』


アラン

『そうか....』



 部屋の電気を消し

 俺もベッドで横になった


 そして

 しばらくして何かを思い出した



ネル

『そう言えば、カゲコさんが

 瓶詰めにしろとかなんとか言ってたような

 アレどう言う意味だったんだろ?』




▶︎サラサの部屋


 深く眠りについていたサラサだったが

 異様な臭いに気がつき目を覚ました



サラサ

『クサ!!なにこの臭い!!』



 紅色花、とても美しく綺麗な花だが

 瓶詰めで観賞する用として知られている

 何故なら

 夜になると良い香りが悪臭に変わり

 酷い臭いに早変わりするからだった


 それを知らなかったサラサは

 ネルの嫌がらせだと思ったのだとか



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈42-7 あの戦いから〉


 今日も一日

 大変な仕事をやり終えた

 レイナ、ノノカ、マル、ハヤトの機士達は


 明日の英気を養うため

 街の酒場で食事をとっていた



レイナ

『今日のインフラ整備大変だった

 ノノカ、お水取って』


ノノカ

『どうぞレイナさん、お疲れ様でした』



 レイナは冷たい水を飲み 一息つく



レイナ

『ソレにしても、

 ハヤトも機士として立派にやってるわね

 またマナ量上がったんだって?』


ハヤト

『いえそんな、

 皆さんに比べたら私なんてまだまだですから』


ノノカ

『そんな卑屈にならないでください

 貴族の家系じゃなくナイト級になったのは

 サラサさんに続いて2人目なんですから

 ナイト級の機士として、

 ハヤトさんは立派だと思いますよ』



 ハヤトは顔を赤らめ

 恥ずかしそうに水を飲んだ


 4人はご飯の注文をして

 しばらく待っていた



マル

『ハヤトが居なかったら

 機士の仕事がもっと大変だったよ

 ありがとハヤト』


ハヤト

『こちらこそありがとうございます

 マルさんには良くしてもらって』



 レイナはハヤトとマルの話を聞き

 あの事について聞いてみる事にした



レイナ

『マルはハヤトとは仲良く出来てるけど

 どうしてハルタンとは仲良く出来ないのよ?』


ノノカ

『そうですよマルさん!

 ハルタンさんとも仲良くしてあげてください』



 マルは嫌そうな顔になり

 だって と言って話し始めた



マル

『だって...アイツ私のお菓子取るし

 食い意地汚いから無理なんだよね』


レイナ

『お菓子の事になるとすぐ向きになるわよね

 私がマルのお菓子取ったら私を嫌いになるの?』


マル

『レイナはそんな事しないでしょ』



 レイナはどうしようもないと思い

 呆れてしまった


 ノノカは何とか

 マルとハルタンを仲良くしようと考えたが

 マルとハルタンは犬猿の仲だった



セリア

『仲良くなれないのは心の扉が閉ざされているから

 いつかその扉が開くまで待つしか無い

 私はそう思うけどね』



 レイナ達はセリア元隊長が現れた事に驚き

 ハヤトは立ち上がり椅子を退けて

 セリアの車椅子が入れるスペースを作った



セリア

『ありがとうハヤト君、君の活躍は聞いているよ

 ナイト級の機士として頑張ってくれよ?』


レイナ

『どうしてセリア元隊長が?

 病室に居なくて大丈夫なんですか?』


セリア

『足は無くなったが病人という訳ではないんだぞ

 私も偶には美味しい食事を食べたいのだよ』



 レイナ達は顔を見合わせた


 そうこうしていると

 机の上に大量の食事が運ばれてきた



レイナ

『アレ?こんなに注文した?』


ノノカ

『いえ、この量は頼んでなかったハズ?』


セリア

『私が頼んだのだよ、

 頑張る後輩達が国のために汗水流しているんだ

 今日は私が奢ろう、だから気にせず食べてくれ』



 レイナは「こんなに食べれませんよ」

 と笑いながら言った

 その後 5人は楽しく食事をした

 明日の力に変えるため



▶︎ディナガード国 研究所


 アレから更に数日が経ち

 俺はデルク司令とライル博士が居る

 研究所に向かった


 研究所に付くと

 ライルは俺に冷たい飲み物を手渡して来た



ライル

『ハイ、ネル君の分』


ネル

『ありがとうライル博士

 それで、

 俺のマナリリアンはどうなってるんです?』



 そう、俺のマナリリアンは

 訳あってレインオラクル国に置いてきていた

 あの戦いの日以降



ライル

『その件なんだけど

 レインオラクル国から情報が来てね

 近々顔を見せに来て欲しいって言ってたよ』


ネル

『そうですか』


デルク

『アランは学園での生活を満足していたか?』


ネル

『どうでしょう、でも

 退屈だとは思ってないと思いますよ』


デルク

『そうか、なら良かった

 アランも近々レインオラクル国に

 返さないと行けない、次はローズストーン国での

 日常を調べたいと彼から聞いてな』



 それは悲しむ生徒達が溢れるだろうな

 だって、アランは学園の人気者なんだからな


 俺は飲み物を飲み干し

 ゴミ箱にゴミを捨てた



デルク

『アランが去る時、

 一緒にローズストーン国に出向くといい

 向こうの状況も知っておいた方がいいだろうしな』


ネル

『ですね、その時は一緒に行きます』


ライル

『ローズストーン国に行った後で

 レインオラクル国に行ってくれよ

 動かなくなったマナリリアンの事で

 向こうの人達が何か分かってるかも知れないから』



 あの日

 グランバルファルスを倒した後

 俺のマナリリアンは動かなくなってしまった


 こんな事は前にもあった

 レインオラクル国は魔装機の研究が1番進んでいる

 あの国でなら

 マナリリアンに付いて何かわかるかも知れない

 だから俺はマナリリアンを残した


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