フタマ・チュンバースの章
私は泣き虫だった
泣き虫の私
『うあ〜ん』
子供の女の子
『ホラまた泣いた、
なんでも泣いたら許されると思ってるんだ』
私が泣いていると
いつもお姉ちゃんが助けてくれた
私のお姉ちゃん
『コラァァ!!フタマをイジメルナァァア!!』
私のお姉ちゃんは強く 優しく カッコ良く
大好きなんて言葉で言い表せない
大大大大好きなお姉ちゃんだった
優しく私の涙を拭ってくれる姉に
私はいつも甘えてしまっていた
「大丈夫フタマ?アイツらに何かされた?」
「ありがとうお姉ちゃん、お姉ちゃん大好き」
「フタマは甘えん坊さんなんだから」
夕暮れの広場での思い出、
そんな日常の1ページも私は忘れなかった
私の名前はフタマ・チュンバース
お姉ちゃんはフタナ・チュンバース、
私達は双子の孤児だった
親を早くに亡くした私達は
小さな孤児院で育った
弱虫の私は皆んなに泣かされ
嫌いな野菜が有ると食べられなくて泣いて
1人ぼっちで寂しいと大きな声で泣いた
そんな時
いつもお姉ちゃんに助けられた
私を泣かせた相手にお姉ちゃんは怒り
自分も苦手なのに我慢して私の野菜を食べたり
寂しくて泣いてる私を優しく抱きしめてくれた
私達に父親や母親と呼ぶ家族はいない、
だけど
私達2人がこの世界でたった1人の家族だった
フタナ
『大丈夫フタマ?学園でも泣いたりしない?』
フタマ
『いつまでも子供扱いしないでよお姉ちゃん、
それよりお姉ちゃんこそ大丈夫?
忘れ物は多いし先生の授業は寝てるし』
口うるさい私の声を無視して
お姉ちゃんはディナガード国に入って行った
私達は機士の学園に入学する為
ディナガード国にやって来た
孤児院の先生達には感謝している、
ディナガード国の学園で
生活する為の費用を払ってくれたから
他の子よりマナの高かった私達を
機士の道にと進めてくれたのは先生達だった、
機士に成れば孤児院の人達にも恩を返せる
それに
私とお姉ちゃんの居場所が作れる
待ってよー、
そう言って私はお姉ちゃんを追いかけ
ディナガード国に足を踏み入れた
とても大きな街や多くの人に
私とお姉ちゃんは圧倒されていた
学園の場所が何処なのか分からず
誰かに尋ねようと私は街の人に声を掛けた
ディナガード国街の人
『アレ?機士学園に入りたい子達?
学園なら大通りを真っ直ぐ進み
噴水広場を左に曲がったら見えてくるよ』
フタナ
『ありがとおじさん』
ディナガード国街の人
『おじさん・・・・・』
お姉ちゃんが失礼な事を言ったので
私は頭を深く下げ謝り
お姉ちゃんを連れその場を離れた
どう見ても今の人は30歳ぐらい
おじさんと呼ぶのは失礼だとお姉ちゃんに言うと
30歳はおじさんだとお姉ちゃんは言った
こんなので学園で上手くやっていけるのかな?
孤児院では上手くやっていけてたけど
都会の街だと全てが色々違うハズだし....
そうこうしながら私達は学園に入り
入学式を終わらせ
コレから始まる新生活の寮に案内され
お姉ちゃんと一緒の2人部屋を支給された
孤児院には個室なんて無かったのに
初めての自分の部屋と
初めての学園生活にドキドキだった
フタマ
『良かった〜、
お姉ちゃんと一緒の部屋じゃ無かったら
私不安で不安で胸がいっぱいだった』
フタナ
『友達出来るか心配だったの?
もうフタマは心配性なんだから』
フタマ
『それもあるけど・・・
お姉ちゃんが誰かに迷惑掛けないか心配で・・』
寝相だって悪いし
下着姿で廊下を歩くから
孤児院の男の子も目のやり場に困ってたし...
そうして
私とお姉ちゃんの学園生活の日々が始まった
無口で口数の少なかったサラサさんとは
レベッカさんとの対決以降仲良くしたり、
同学年で人気者のレベッカさんとも仲良くしたり
とても楽しい学園の日々を過ごした
勉強で分からない所があると
サラサさんと一緒に3人で勉強したよね
フタナ
『あぁ〜、もう全然頭に入ってこない!』
サラサ
『まだ勉強始まって1時間も経過してないわよ、
もう少し頑張りなさいよフタナ』
フタマ
『お姉ちゃんは魔装機戦は得意だけど
勉強だけは本当に苦手だよね』
フタナ
『苦手じゃなくて嫌いなの』
サラサ
『機士に成るには力だけじゃなくて頭も必要よ、
ほらまた手が止まってる!』
お姉ちゃんはクラスの中でもマナが高く
魔装機の扱いも人並み以上だったから
レベッカさんとサラサさんとお姉ちゃんは
ナイト級の素質を持ち
機士に選ばれると噂されてた
私は・・・・学力は少し良かったけど
マナも人並みぐらいだし
魔装機の扱いも人並み以下だった....
気分を変える為に何か甘い物を
食堂から貰って来ようと私は立ち上がり
お姉ちゃんとサラサさんに
何か欲しい物がありますか?っと聞いた
お姉ちゃんは甘い物なら何でもと答え
サラサさんは飲み物をお願いっと言った、
私は部屋を出て食堂に向かっていると
上級生のスピア先輩とその取り巻きの人達が
私の顔を見て何かを話していた
スピア先輩は私を呼び止め
難癖を付け謝罪させようとしていた
スピア
『おい新入生、
お前先輩が居るのに挨拶も無しか?』
フタマ
『私は食堂に行こうとしただけで..』
取り巻きの女性
『まずわ謝罪からだろ新入生!!』
スピア先輩は私の髪を掴み壁に押し付け
私の目を見て嫌いな目の色だと先輩は言った
怖い・・・とても怖かった・・・
私は心の中でお姉ちゃんの名前を呼んでいた
私を助けてくれたのは
学園で最も強いと言われているナラ先輩だった
ナラ
『スピアさん下級生に何をしているんですか!!』
スピア
『チッッ.....、優等生のナラさんじゃ無いですか、
少し下級生に礼儀って奴を教えていてね?』
ナラ
『そうは見えません!!』
スピア
『上等だナラ!
オイお前らコイツも痛めつけてやるぞ!!』
ミリアルド
『何の騒ぎかな?』
機士団副隊長のミリアルドさんが現れると
スピア先輩とその取り巻きの人達は
顔色を変え逃げる様に何処かに行ってしまった
私は助けてくれた2人に感謝していると
ナラ先輩はごめんなさいと私に謝っていた
ナラ
『私にもう少し力が有ればこんな事は・・・』
フタマ
『ナラ先輩が居なかったら
私は酷い目に合ってたと思います、
だから謝るのはやめてください』
私とナラ先輩の話を聞いていた
ミリアルド副隊長は笑いながら言った、
君達見たいな後輩達が
未来の機士団を支えてくれると思うと
私はとても嬉しい気分だよ
ミリアルド
『それに来年からは
ナラも機士団に加入するんだろ?』
え?ナラ先輩が?
来年と言う事は18歳で機士に成るんだ!
皆んなが言ってた通りあの噂は本当だった!
普通機士に成るのは20歳で学園を卒業した後、
ナラ先輩は学園の生徒達の中でもとても優秀だし
魔装機を操縦する技術は誰よりも強いと聞いた
やっぱりナラ先輩は凄い・・
ナラ
『私は少し不安です、
機士としてやって行けるかどうか.....』
フタマ
『私はナラ先輩や
ミリアルド副隊長が居る機士団に加入して
機士として一緒に戦いたいと思ってます!!』
熱のこもった私の言葉に
ナラ先輩は凄く恥ずかしそうな顔をして
ミリアルド副隊長はとても笑顔で喜んでくれた
私は2人と別れ
甘いお菓子やデザートを持ち部屋に戻ると
お姉ちゃんは遅い!っと私を心配してくれていた
とても楽しい学園生活を5年過ごし
私はサラサの事を
呼び捨てで呼べるぐらい仲が深まり
お姉ちゃんは立派な機士として機士団に加入した
機士団にはナイト級と呼ばれる9人の機士がいた
隊長のセリア・フォンバース
副隊長のナラ・シェッツバルグ
同学年のサラサとレベッカ・アスフォルテ
私のお姉ちゃんのフタナ・チュンバース
1学年下のネネカ・ビュッフェ
そして
スピア・ギュウスティス
イリエナ・サディレント
ルレア・ホットリエスの3人、
ミリアルド元副隊長は任務中に魔物に倒され
後継者としてナラ先輩が副隊長の後を引き継いだ
私も機士に加入して 仕事を終え
バンカーを歩いていたある日の事だった
先輩機士のルレアさんとイリエナさん
それにスピアさんが何かを話し合っていた
スピア
『ナラの奴は気に入らねぇ、
アイツに上から命令されるのは腹が立つ』
イリエナ
『そうだねスピア、年下のサラサやレベッカ
フタナって奴も目障りだと感じるよ。
そう思いますよねルレアさん?』
ルレア
『・・・・・若い奴らが
多く出しゃばって来てるのは鼻に付く、
ミリアルドが死んでからの機士団は
何か抜け殻の様に覇気を感じられない』
イリエナ
『若い奴らには
少し酷い目を見て貰わないといけませんね』
ナイト級の人達が
笑いながらそう話し合って居るのを
私は隠れながら聴いてしまった
どうしよう・・・サラサやレベッカさん
それにお姉ちゃんが危ない・・・
でも私じゃどうする事もできない....
怯えている私は
後ろに後退りしていると
足音に気が付いたスピアさんは
誰だ!!っと大声で私を呼び止めた
3人に見つかった私は
怯えながらごめんなさいと謝っていた
年長者のルレアさんは
フタナの妹だな?っと私の顔を見て言った....
スピア
『お前、今の話聴いていたのか?』
イリエナ
『まあ待てスピア、妹のコイツから
目障りな事を辞めろって伝えて貰えば
フタナって奴も少しは大人しくなるだろ』
フタマ
『私は.....』
言ってはダメだ・・・だけど
お姉ちゃんは機士として頑張ってるだけです
そう反抗的な言葉を言ってしまっていた...
イリエナさんはその言葉で私を見る目が変わり
スピアさんは私を突き飛ばし
年上の口の利き方を教えてやるっと言った
私は目を閉じ怯えていると
「私の妹に何するんだ!!」っと声が聞こえてきた
目を開けると
そこにはお姉ちゃんの姿が・・・
イリエナ
『生意気な後輩を躾けてやってんだよ』
フタナ
『やるなら私をやれ!!
弱い者をイジメるのが
お前らのやり方なのか!!』
スピア
『言わせておけば・・』
スピアさんとイリエナさんは
お姉ちゃんを殴っていた・・・・・
お姉ちゃんは手を上げず
ジッと堪え耐え凌いでいると
何かの気配を感じ取ったルレアさんは
「お前らヤメロ!!」っと言葉を発していた
スピアさんとイリエナさんが手を止めると
騒ぎ声を聞きやって来た
機士団隊長のセリア隊長が現れ
「何の騒ぎかな?」っとルレアさんの顔を見ていた
スピアさんとイリエナさんは
どうしようかと焦っていると
ルレアさんはセリア隊長の顔をジッと見つめ
「行くぞお前ら」っと
スピアさんとイリエナさんを連れ何処かに行った
私は地面に倒れるお姉ちゃんに抱き付くと
お姉ちゃんはボロボロの顔で私を見て
「フタマは私が絶対に守るから」っと言った
何もできなかった私は大粒の涙を流し
顔が腫れたお姉ちゃんを見て謝っていた
フタマ
『ごめんねお姉ちゃん、ごめんね、ごめんね』
フタナ
『謝らないでよ・・・
私達家族なんだからさ・・・』
私達を見ていたセリア隊長は
私の方からも謝らせてくれ
アイツらには私から罰を与えておく、
そう私達の顔を見て言った
私はいつも
お姉ちゃんに助けてもらってばっかりだ・・・、
魔物討伐の任務の時も
日頃の生活を送る時だって
お姉ちゃんが居ないと私は何もできなかった....
ある日私はお姉ちゃんに聞いた
魔物との戦いは危険で溢れている、
もし私が死んでしまったら
お姉ちゃんはどうするの?っと・・・・・
私はお姉ちゃんが死んだら
何もできず皆の足を引っ張るだけだ、
でもお姉ちゃんには力がある
それをこの国や世界の為に使わないと
勿体無いと私は思っていた
フタナ
『絶対にフタマは死なせない!!
たった1人の家族を残す様な真似もしない!!
私もフタマを守るから
私が危なくなったらフタマが私を守ってね』
フタマ
『私がお姉ちゃんを?』
そんなの無理だと私は思っていた
私よりお姉ちゃんの方が
生きなければいけないと思っていたけど、
もし私が死んだら
お姉ちゃんは私の後を追ってくるかも知れない
多分私もそうするから・・・・・
生きねばならなかった・・・
だけど・・・最後の時は直ぐにやって来た・・・
謎の漆黒の魔装機
多くの機士達がその魔装機に殺され
私とお姉ちゃんの前にもソイツは現れた
私は何も出来ず漆黒の魔装機に殺され
最後はお姉ちゃんの声だけが
私の心の中に聞こえていた・・・・・
ごめんねお姉ちゃん・・・
私のせいでお姉ちゃんは
とても苦しむかも知れない・・・
だけど忘れないで・・・
お姉ちゃんは誰よりも正義感が強くて
皆んなを守れる力だってあるんだよ・・・
私は信じてる・・・
どんなに世界が闇に覆われても
お姉ちゃんは絶対に諦めないんだって・・・
お姉ちゃんは私のヒーローだから・・・
信じてるからね・・・お姉ちゃん・・・
【スピア・ギュウスティス】
23歳 マナ量372
ディナガード国機士団ナイト級の機士
【イリエナ・サディレント】
25歳 マナ量329
ディナガード国機士団ナイト級の機士
【ルレア・ホットリエス】
28歳 マナ量433
ディナガード国機士団ナイト級の機士




