密話
「…で、どうだった」
「ん、何が?」
「おいおい、とぼける気か?」
視線は扉に向けたまま黒髪の少年は続ける。
帽子を被った少年は笑顔で応えた。
「能力」
「雷と砂!」
「能力区分」
「トゥーフェイス!」
「適正」
「……」
「……」
互いに視線は扉の向こうのまま、静寂が訪れる。短い沈黙を破ったのは帽子の少年だった。
「まだわからないな。地球人としか」
「……はぁ…また地球人か。地球人は弱いんだよ」
「そりゃ地球人の六倍の力を出せる君たち月人とは違うんだから当たり前じゃん」
「肉体もだが精神もだ。一度俺たちみたいに地中で生活してみたら良いのになって、いつも思う」
「陸で暮らす人種に無茶言うねえ〜茂樹っち。ボクも地球人と変わらないんだけど」
「第三の地球はほぼ地球みたいなものだ、言うまでもなくお前は地球人と変わらないだろ」
「そうなんだけど、ボクとシュンスケは違う。境遇も知識も、ね」
二人の視線はいまだ扉の向こうのまま。
興味。わずかな期待。予感。わずかな失望。憧憬。わずかな予感。確信。
「なんとしても、俺たちの代で終わらせる。地球を取り戻す」
「───うん」
「あいつには悪いが、雷を扱えるなら十分戦力になる……強くなってもらう必要がある」
「そうだね、雷は貴重だからねえ。大丈夫、わかってるから!任せて!」
「……さて、転校生が目覚める前に何か作らないとな。お前も食ってく?」
「食べる!お腹すいたーーー!」
「はいはい」
渦中の人物は、夢の中。




