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PASS!  作者: 寛世
第1章
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密話


「…で、どうだった」

「ん、何が?」

「おいおい、とぼける気か?」


 視線は扉に向けたまま黒髪の少年は続ける。

 帽子を被った少年は笑顔で応えた。


能力(アビリティ)

「雷と砂!」

能力区分(アビリティセーバー)

「トゥーフェイス!」

「適正」

「……」

「……」


 互いに視線は扉の向こうのまま、静寂が訪れる。短い沈黙を破ったのは帽子の少年だった。


「まだわからないな。地球人としか」

「……はぁ…また地球人か。地球人は弱いんだよ」

「そりゃ地球人の六倍の力を出せる君たち月人(ルーナ)とは違うんだから当たり前じゃん」

「肉体もだが精神もだ。一度俺たちみたいに地中で生活してみたら良いのになって、いつも思う」

「陸で暮らす人種に無茶言うねえ〜茂樹っち。ボクも地球人と変わらないんだけど」

「第三の地球はほぼ地球みたいなものだ、言うまでもなくお前は地球人と変わらないだろ」

「そうなんだけど、ボクとシュンスケは違う。境遇も知識も、ね」


 二人の視線はいまだ扉の向こうのまま。

 興味。わずかな期待。予感。わずかな失望。憧憬。わずかな予感。確信。


「なんとしても、俺たちの代で終わらせる。地球を取り戻す」

「───うん」

「あいつには悪いが、雷を扱えるなら十分戦力になる……強くなってもらう必要がある」

「そうだね、雷は貴重だからねえ。大丈夫、わかってるから!任せて!」

「……さて、転校生が目覚める前に何か作らないとな。お前も食ってく?」

「食べる!お腹すいたーーー!」

「はいはい」


 渦中の人物は、夢の中。

 


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