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ナビゲーター  作者: 楠瀬 和裄
4/4

エンカウントすれば危険な場所への低レベルでの旅。

ツアークエストのひとつ。

今日のナビゲートはこのクエストのクリア。


運営側としての意味合いは

低レベルでも基本エンカウントを避け移動し

ゴールのNPCにたどり着く事。

クリアしてもしなくても良いのでは有るが

景観のいい場所へ行く事も有ってそれなりに需要がある。

クリアすれば街での利便性がほんのり上がるので損は無いのではある。

いわゆる、「名声があがる」というシステムカウントがあがるのだ。

これによって受けられるクエストが増えたり、

NPC商店での値引きがされたりする。


クエストクリア希望の人と護衛役の人とコンビを組む事で

簡単にクリア自体は出来る。

効率的では有るが、哨戒行動のプレイヤースキルを育てる

最初のクエストの意味合いが無くなる。


その辺りの意図を説明しながら、クリア方針を決めていただく。

時間も有るし、楽しそうだから、希望者集めていく事になった。

サーチコメントにクエスト名を書き、合わせてシャウト機能を使う。

この機能でエリア内であればプレイヤー全員に声をかけることが出来る。

わらわらとプレイヤーが集まってく、なかにはレベル1の人も。

「すみません、クリア可能なジョブがこれしかなくって」と。

6人以上になった辺りで募集を終了。

パーティを組む。

経験値を稼ぐパーティとは違うのでジョブもレベルもばらばら。

でも楽しそうに皆さんしている。

護衛役を買っていただいた方も居るので私はその方と打ち合わせを。

哨戒行動を覚えたいただく趣旨をお話すると

「回復職に変えてきますね~」と居住区に。

クリア希望の皆さんにも哨戒行動についての説明を。

レベルの低い方を中心に縦長の陣形で移動していく形を紹介。

「山登りと一緒なんですね」

「そんな感じですね」

「私は皆さんがもし戦闘行為になった場合の補助として同道します。

 基本はエンカウントしなくて済むように進む事、

 町を出たエリアと目的のエリアは

 視覚アクティブ、

 聴覚アクティブ、

 天候によっては魔法アクティブが居る事

 この辺を気をつけて目的地まで旅をしましょう。

 今後実装予定されている大型クエストで必要となるスキルです」と

説明する。

「護衛役は回復職でご一緒します。

 もしエンカウントして戦闘になっても慌てずに、

 対処してください。回復はします。

 念のため、ダメージ軽減魔法をかけておきます、

 切れたら報告お願いしますね。」

習得する一番低いダメージ軽減魔法をかけて回る。

高位魔法をかけても適正でない場合すぐ効果が切れてしまうのだ。


「では、出発しましょう」

「あ、歩哨小屋に納品していきたいので

 寄り道したいのですが良いですか?」と

聞かれる。

「良いですよ、ついでに受けたい方は受けてきてくださいね」

ちょっと遠回りになるけれどそれもいいかなと。

みなさん、この街がスタートタウンらしく、全員が受けた。

「では、改めて出発しましょう」


エンカウントしたときに経験値が入らないのはもったいないなとも思い、

護衛役はパーティに入らない。


「保育園のお散歩みたいですよね」

もう一人の護衛役の方が話し掛けてくる。

「あぁそうかもしれないですね

 実装済みミッション、

 今のレベル上限でクリア難しいエリアだって事です。」

「あぁそれで哨戒行動なんですね」

「ですです、薬品に頼って移動する事も出来るんですが、

 やっぱりドアをあけたりするには効果を切るしかないようです。

 安易に効果をきると

 視覚アクティブとのエンカウントは避けられないから」

このゲームでは

国家に認証をもらい協力するという形での大型クエストがあり、

それをミッションと呼称される。

国家から依頼を受ける任務と言う意味合いだ。


最初のエリアは問題なく通過。

歩哨小屋へ向かう。

バックストーリーとしてはエリア巡回の拠点として一定の人数が居り、

このエリアに存在する村落を巡視している事になっている。

そのための補給物資をプレイヤーである冒険者が運ぶ、

冒険者の利益はこの拠点へのワープが可能になる事、

多少のお金が入ってくる事、

戦績というポイントが入ってくる事。

戦績はワープの代金に使われたり、装備アイテム交換、

一回しか使えないが帰還スクロール交換に使われる。

NPC商店で売られているものよりは性能の良いものと交換できる。

また使える回数が限定され、リキャストタイムも長いが

ワープアイテムとも交換できる。

エリアによっては復活地点としても使えるようになる。

このエリアに関してはその機能は無いのだが。


補給物資を拠点歩哨中にNPCに話し掛け渡す。

特にモーションなどは無く、単純な会話だけ。


目的地にに進路を変える。

この先そのまま向かうと聴覚アクティブのモンスターの小拠点がある。

実際には焚き火と2・3体のモンスターが居るだけ。

遠巻きに迂回する。


途中、巡回中の視覚アクティブモンスターと

エンカウントするが問題なく対処。

レベル1の人には被害が無く、蘇生魔法も使う必要が無かった。

回復魔法をかけ、旅を再開する。


この事があってから、先頭と後方がちょっと気を配るようになった。

それは今後にとても良い事。


そしてゴールのNPCにたどり着く。

大瀑布を脇に佇む長命種族のNPCである彼と話をして街に帰り、

依頼者と話をしてクエストは終了する。


ここで、帰る人と冒険に出る人と分かれる。

パーティを再編して冒険に出る人には再度ダメージ軽減魔法をかける。

帰る組で帰還スクロールを持ってきている人が居なかったのは

みなさんが駆け出しであることの証明だったりする。


帰路は安心したかのようにゆっくりだ。

行きで少し自信がついたのもあったのかなとも思う。


問題なく、街の入り口に到着する。


解散し、ナビゲート希望だった方と少しお話する。

「どうでしたか?」

「ちゃちゃっとクリアすればいいかなと思ってたんですけど

 こういうのもいいですね。

 手間の掛かる事を提案するなって思ったけど、

 意図も説明してくれたし納得できました。

 護衛役の人とパーティチャットで話してなかったのは

 情報共有の意図があったからですよね?」

「それは良かったです。

 そうですね。後はこの旅への納得がありますね。」

「サーチコメントを活用する事、シャウトして希望者を募る事、

 楽チンにできるクエストでも意図がある事

 そんな事が知れてよかったです

 あとは、意外に親切な人も居る事も。

 時間が有ったという事もあったんでしょうけどね

 ちょっとパーティチャットで確認したんですけど

 クエストクリア希望者の知り合いではなかったんですよ」

「では、その人に倣うという事も出来そうですか?」

「今は無理だと思うし、やりたいジョブ的には露払いになりそうだけど

 コミュニケーション的には有りだと思います、互助ですよね

 「情けは人の為ならず」でもありますよね、

 巡り巡って自分のためになる

 いい機会でした」

「それは良かったです」

「じゃ、報告してきます

 また機会があればお願いします。」

走って去っていった。


有意義に過ごせたようだ。

私も楽しかった。

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