表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/218

怪我⑤

雄ちゃんは車を走らせ、


あたしが行ったことのない店の前で止まった。


「ちょっと寄ってくぞ。」


車から松葉杖を降ろしてくれて


助手席のドアを開け降りるのに手を貸してくれる。


昨日の山本先生との違いはこんな所にも。


ちょっとしたことだけど、とっても嬉しい。


だから、とびっきりの笑顔で


「ありがと」


雄ちゃんもニコッとほほえんで


「どういたしまして。」





ここは、和食のお店だった。


で、雄ちゃんが頼んだのはお刺身定食。


「雄ちゃん、お刺身食べたかったの?」


「いいや。」


「じゃ、なんでお刺身定食なの?しかもあたしまで。」


あたしは???で、雄ちゃんに尋ねた。


「ほんとか嘘かはしらねーけど・・・」


と、前置きして


「怪我人や病人は、刺身食べると早く治るって


昔からうちのばーちゃんがいっつも言ってたからな。」


・・・・・・・・


じーーっと雄ちゃんの顔を見てるあたしの視線に気付いた雄ちゃん。


「なんだよ・・・もしかして、刺身苦手?」


「ううん・・・」


「どうしたんだ?」


「なんでもない。・・・ありがとう。」


なんて人だろう・・・


「あたしお刺身は大好きだけど・・・」


「だけど、なんだよ。」


「もっと好きなもんがあるんだけどな。」


あたしが言うと、雄ちゃんは


「なんだ?もしかして俺とか言う気?」


って、にって笑う。


す・するどい・・・


当たりです。





そんなこと言ってる間に店員さんがやってきた。


「わーすごいおいしそう!」


いきのいいお刺身がたくさん。


もりつけなんかもすごくきれい。


「雄ちゃん、いいお店いろいろ知ってるね。」


「ここな、知り合いがやってる店なんだ。うまいぞ、食べてみな。」


一口食べると、こりこり!


「こんな美味しいお刺身、食べたこと無い。」


「だろ?」


雄ちゃんは満足そうに言う。


何だかほんとに早く治りそうな気がした。





「治ったら、スケート行こうぜ。」


雄ちゃんが言った。何でスケート?って顔してたら


「お前知らねーの?うちの学校、2月にスケート教室あるんだぞ。」


「そうなの?あたし、やったこと無いんだけど・・・」


「行事予定、見てないな~。」


雄ちゃんは真面目な顔して


「スケート教室は毎年必ず怪我人が出るから、


滑れるようになっといたほうがいいぞ。


こけた子ども助けに行って、先生がこけてたら


しゃれになんないからな。」


そんなの聞いてないよーーー


「だからぁ、早く治して練習しに行こうな。


俺うめーからコーチしてやるよ。」


心配だな・・・治ってすぐまた骨折したりして・・・


不安そうな顔してるあたしに雄ちゃんは


「大丈夫だって。俺に任せとけ。」


って言った。


何度この言葉に助けられただろう。


雄ちゃんが言うと、今までほんとにどうにかなってきた。


早く治してスケートの練習頑張らなきゃ。


ちょっと楽しみ。


「行くときはお弁当よろしくな。楽しみにしってっから。」


おまかせください!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ