表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/218

音楽会の季節③

江藤先生と対決してたときは


必死だったけど


今、心配そうにあたしを見てる雄ちゃんの隣にいると


ふっと緊張の糸が切れた。


そして・・・


あれ?、


つーーーーっと頬を伝う涙。


あれれ?


自分では分からなかったけど


ああいう場面ってすごく緊張するらしい。


こんな後になってびっくりしたことに気付いたか?


何で涙が出るか自分じゃよく分からないまま


何だかほんとに泣き出してしまった。


何が悲しいか、それでも自分で分からない。






しばらく車を走らせてから、雄ちゃんは


いつかの綺麗な夜景の見えるところに


連れて行ってくれた。


「落ち着いたか?」


「うん。ごめん。びっくりしたでしょ?」


あたしは雄ちゃん見上げて笑った。


大丈夫。もう笑える。





「で、何があったんだ?いってみな。」


雄ちゃんに言うのもなぁ。


で、言わないことにした。


「言わない。でも大丈夫だから。」


「なんだよー、みずくせーな。言ってみろって。」


「あのね雄ちゃん・・・」


あたしは深呼吸して


「もしね、他の人につきあってって言われたらどうする?」


雄ちゃんは、はぁ?って顔して


「つき合うわけないじゃん。なんで?」


「言われたことある?」


一瞬間が空いて・・・


「ある・・・」


ドキッッッッ。聞くんじゃなかった。


「そんなのよくあるけど、気にするな。」


声にならないあたしの胸の叫び・・・


気にしないわけないでしょーーーーーーー


よくあるのかよ!!!


「なんか俺、よく好きって言われるんだけど


だからって、俺が好きになるわけないでしょ。」


そりゃそうだけど。


「お前はもし誰かに好きって今言われたら


そいつを好きになるか?」


「絶対にない。」


「だろ?そういうこと。だから気にするな。」


雄ちゃんは、ポンポンってあたしの頭に手を置くと


「今日の話はそういうことか・・・」


と、つぶやいた。


えっ?


あたし何も言ってないよ・・・


「もてる彼氏がいるとお前も大変だな。」


って、雄ちゃんはニコッ。


えっ?


「お前、分かり易いな。」


そうなの?


「いっそ、つき合ってます宣言するか?」


雄ちゃんは真面目な顔して言う。


それは・・・


イヤです。


だって・・・


このままならもうしばらく雄ちゃんと一緒に


同じ学校で働けるけど


もし、つき合ってることがばれたら


多分雄ちゃんは来年


違う学校にかえられるだろう。


あたしは今年来たところだから。


イヤです。そんなの・・・





綺麗な夜景に酔ったのか


やけに今日は涙が出る。


いろいろ考えてるとまたウルウル・・・


雄ちゃんはそっとあたしの肩を抱き寄せて


「俺が守ってやるから、心配すんな。」


って、優しく言ってくれた。


その優しさが胸に染みて


また涙が止まらなくなった。


雄ちゃんは、あたしの涙が止まるまで


ずっと、そのままでいてくれた。





きっと明日も何かあるだろう。


あんな中途半端な幕切れなんて


女のもめ事にあるわけないし。


だけど、あたしの心に雄ちゃんがいる限り


きっと大丈夫。


あたし頑張るから。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ