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遥か未来の果ての果て 〜神無月 叶多は長生きがしたい〜  作者: 嘘吹八百太郎


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3/3

神無月 叶多は長生きを試みる

中学校を卒業してすぐの事。

ふんだんにある自由な時間で、高校の入学式に向けて準備したり、友達と遊んだりしていたが、ふと時間を持て余した。

僕は居間に掛かったカレンダーを見ながら、お気に入りの漫画が次はいつ発売されるのだろう、なんてつまらないことを思っていた。

暇を持て余した人間は、大抵余人にはどうでもいい事に手間暇を惜しまず突っ込んだりする。

僕もその例に漏れず、お気に入りの漫画が何時から連載を始めて、どんなペースで単行本を発売しているかなんて下らないことを調べ始めた。

この漫画は面白いので、人気作家の漫画と同じくらいの巻数は出るだろう、今のペースだとその巻数に達するのは何時頃で……みたいなことだ。

それなら、この漫画を全て読む頃には自分は何歳だろう、なんてどうでもいい事の極致に辿り着いたところでふと思った。

果たして「僕はいつまで生きるのだろう?」と。

カレンダーを見ながら、自分が平均寿命まで生きられたら2100年を迎えられるだろうか?それともその頃には100歳も珍しくないかもしれないなんて想像してみた。

その頃になれば今読んでいる漫画なんて、とうに完結しているだろうし、そこまで気にすることはないのかもしれない。

しかし、自分がこれまで生きてきた十数年程度の間に周りのものは目まぐるしく発展し、変わっていっている。

病気が流行った時には学校に行かずともリモートで授業を受けられるようになったし、歴史を見るとほんの50年前なんかはスマホすら無く、まともにネットすら使えなかったらしい。

僕なんかはスマホやネットのない世界なんて想像もつかないし、一体どうやって生活していたんだろうと思うが、親や先生に聞くとそれが当たり前だったと言われた。

なので、今から50年後にはまた信じられない技術があるだろうし、その先にも信じられない体験が待っているだろう。

でも僕は全てを観れずにこの世界から脱落するのだ。

寿命というどれだけ偉い人間でも回避できなかった運命のままに。

それにたどり着いたときに思った。

僕はこれからたった100年未満の短い未来しか観ることができないのかと。

そして強く思った、せっかく生まれたのなら最も遠くが観たいな……と。


それがすべての始まりで、僕の思いのすべてだった。


しかし、長生きはどれだけできれば僕は満足するのだろう?

100年?200年?

100年だったらなんとかなるかもしれない。

適切な運動と食事に気をつけて、安全に注意していけば今の平均寿命から見ればたどり着けなくもないように思える。

しかし、200年なんて言い出すと途端に暗雲が立ち込める。

確かに今見えている現実ではそんなところが限界で、でも僕が見たいのはもっと先のような感じがする。

自分のことなのに確かではないのだが、ただそんな感触がある。

だから僕は普通の方法では望みを叶えられない。

では、普通の方法以外ではどうだろうか?

僕が今まで見た漫画なんかでは、寿命を伸ばすために、機械の体になったり、情報生命体になったり、はたまた長命種と呼ばれる人外の存在になってたりする。

しかしそんな夢物語が本当に可能だろうか?

正直そんなことを真剣に信じるのはおかしな事だし、ましてや実践するとなるとどう考えても正気ではない。

しかし、だからといって諦められるだろうか?

僕がなんとか今の現実的な方法で生き延びれるのは100年がいいところだろう。

そして、その間になんとか【正気でない方法の中でもなんとかなりそうな手段】を見つけ出さなければならない。

そのために必要なものは何だろうか?

健康とお金だろう。

健康は猶予期間を伸ばすため、お金は手段を見つけ出すため。

僕はまずそれを手に入れるために考え始めた。


ふと、死ぬことが怖くなって眠れなくなったのは、いつ頃だろうと、その時の気持ちをにわかに思い出した。

その時すら考えなかった【長生き】を目指す。

願うだけならタダなのだ、どうせやることが同じなら僕は人類の果てまで観る気で頑張るとしよう。

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