致死量の甘味とともに
「おっとまりおっとまり〜〜」
ダリアさんは鼻歌交じりに、両手いっぱいに抱えたものをテーブルへと並べ始めた。
様々な形のクッキー、クリームが乗っているパウンドケーキに、スコーン、ビスケット、パイのようなものまで出てくる。
この見たことのないお菓子はこの世界のものだろうか?
「そんなにお菓子とか、食べます……?」
「えぇ……?食べないの?」
ダリアさんは、お菓子を両手にいっぱい抱えたまま持ったままピタリと動きを止め、心底驚いたようにその大きな瞳を見開いた。
まるで信じられない!とでも言いたげな、純粋極まりない疑問の眼差しが私に突き刺さる。
「いや食べますけれども、あればある分だけ食べられるタイプの人間ですけど……!!」
「じゃあもっといるわねぇ」
私の言葉を聞いた瞬間、ダリアさんの顔がパッと明るくなり、周りにはお花舞っているのが見える気がする。
彼女は「待っててね!」と言い残し、嬉しそうにステップを踏みながら再びキッチンの奥へと追加のお菓子を取りに行ってしまう。
「あはは………どんだけストックしてるんだ……?」
流石にどれだけ私が甘いものが好きだろうが流石に……流石に限度というものがあるのではなかろうか……
やっぱり……シエさん?と似ている気がする……
キッチンの奥からさらに追加のお菓子を抱えて戻ってきたダリアさんは、それらを器用にテーブルへ滑り込ませると、私の目の前に座った。
そして、お皿の上のケーキにフォークを指し口に放り込み、悪戯っぽく微笑む。
「お名前考えてないなら一緒に考えましょ」
「本名はだめなんですよね……?」
「絶対だめ!」
ダリアさんは持っていたフォークをケーキに突き刺し言い切った。
真剣な顔をしているはずなのにモグモグしているせいかあまり緊張感がないのは気のせいだろうか。
「そうですねぇ……どうしましょ……私命名センスが皆無で……」
緊張感が綺麗に霧散してしまった私は、苦笑いしながら自分のネーミングセンスのなさを嘆いた。
少しトーンの落ちた声で、彼女の様子を伺うように尋ねてみる。
「ちなみに、参考にお聞きしたいんですけどダリアさんのお名前は ダリア ですよね?」
「ええ」
ダリアさんは頷きながら、今度はクッキーの袋を器用に破って口に放り込んだ。どうやらケーキだけでは足りなかったらしい。
「先程私の師匠になるとおっしゃっていたあの男性はシエさんですよね?」
「ええ。他にはリー先生……リィト先生とか、フェシアちゃん、アトルがいるわよ」
どれも私が逆立ちしても思いつかないようなおしゃれな名前で、更に自分の命名センスのなさに落胆する。
「へぇ!そうなんですね!どうしましょ……」
うぅぅぅ……前世に合わせるべきなのか……それともこっちに合わせるべきなのか……悩ましい………
すみませんデータが消えていました……
本当に遅筆で申し訳ない限りです……
話は変わりますがダリアさんに触発されて大量のクッキーを作りました。美味しかったです。




