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プロローグ

 ふわりと嫌な空気が流れていくのを感じるのと同時に、横からパリンと魔石が割れる冷たい音が響き、ししょーのピアスが割れた。

 すると糸が切れたようにその体が崩れ落ちる。


「ししょー!?大丈夫ですか!?どうしたんですか!?」


 急いで駆け寄るが、ししょーは目を閉じたまま答えてくれない。こんなことを普段したなら顔をしかめながらうるさいって言ってくるのに。


「…ししょーの魔力…そっか…そのせいでっ…」



 ふと、前に交わした会話を思い出した。




 『 ししょーのピアス素敵ですね。ずっと思ってたんですけどリィトさんとおそろいですか?』


『 ああ、俺が一人前になったときに師匠から頂いた。一度だけ致命傷を負ったときに死なずにすむものだ』


 『 一度だけなんですか?』


 『 そりゃぁ、死にかけの肉体を健康な肉体に無理やり上書きするなんて、どれだけ高度な魔道具だと思っている。一回でもできるだけ奇跡だ』


 『 なるほど…? 』


 『 絶対わかってないだろ』




 なんて軽口を叩いてたのはもう過去。今目の前には青ざめた顔のししょーがいる。


「えっとこういうときどうするんだっけ…死んではないんだよね…えっと、えっと、そうだ呼吸は…してる。じゃあ横向きに…するんだっけ?…慌てるな慌てるな」


 どうやら人はパニックになると頭が真っ白になるらしい。適切な対処ができてるかの確証はないが、これが私ができうる最善策。


 あとはししょーをどうするか…連れてけないし…そうだ!結界を張っておけばいい。ここに結界を解除できる人間はいない。

 腰につけていたポーチから私が持っている中で一番強力な魔法陣を取り出し魔力を込めると、魔法陣が青白い炎に包まれて消え、代わりにししょーの周りを覆う半透明の結界ができた。



 これは絶対王家のせい。王家がこんなことをしたから私達が後始末をしなくてはいけなくなってしまったんだ…!




 これは後に世界の裏側で、誰にも知られず、世界のすべてを救うことになる少女のお話。

2話目とは温度差あるかもです…!

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