最終話「さよならラフマニノフ」
ピンクの正装スーツのラフマニノフと紫のハッピーウェディングドレスを着たバイオレットが「結婚式会場」にいた。
ショパンはもちろん、、たくさんの客たちが集まっていた。
ラフマニノフとバイオレットがお互い、向かい合う。
「お二人は永遠の愛を誓いますか??」
ショパンが二人の間に入り、、そう聞いた。
「はい。誓います」
「では、、愛を確かめるための口づけを……」
ラフマニノフはバイオレットの顔を両手で引き寄せ、、熱い口づけを交わした。
口づけは、、10秒くらいで終わると思っていたショパンだが……1分、2分、3分、、、全然終わる気配がない。
しびれを切らしたショパンは
「その辺で、、口づけは終わりましょう。これから、、私とゲンが制作したビデオがあるので、、それを鑑賞していただきます」
と言った。
ラフマニノフはバイオレットと常に手を繋いでいた。
そして、、ショパンとゲンが制作した映像が会場の大きなスクリーンに流れ始めた。
そこには、、オガサイ音楽学校コンテストランキングで初めて、、1位を取った時に、、ラフマニノフとバイオレットが熱いキスをした映像が流れたりもしていた。
「この映像は、、映画監督であるユウジロウの手で撮影されました。、、このお二人のキスは、、今から1年前のものですが、、更に今日のキスは熱かったですね。相棒である私はお二人のキスを常に見てきました。ラフマニノフは言いました。バイオレットに対する異性愛と私、ショパンに対する相棒愛は違う種類の愛だと。では、、今、この場で聞きます。バイオレットと私、どちらの愛がより強いですか??」
「もちろん、バイオレットだ!! 当たり前だろ!!」
ラフマニノフが当たり前のように言う。
「ラフマニノフ様!! 嬉しいわ。以前は、、ショパンのほうが大事だって言っていたから、、聞くのが怖かったのよ。私は貴方の一番になれたのね」
「バイオレット様。おめでとうございます。私、フレデリック・ショパンは今日をもって、、ラフマニノフの相棒を辞めます。そして、、ラフマニノフはバイオレットだけに尽くすということを決めたようです」
「えっ?? ラフマニノフ様。そんな……そこまでしなくても……」
「バイオレット。俺とショパンはこの結婚式を機にバディを終了することにした。これからは俺はお前を幸せにすることだけを考えていきたいんだ!!」
「ありがとう。本当にありがとう」
バイオレットは涙を流し、ラフマニノフを抱きしめた。
こうして、、結婚式は終わった。
ラフマニノフとバイオレットは新婚旅行に行くという。
「ラフマ。バイオレットを幸せに!! 僕にかまう暇があったら、彼女に時間を使ってくれよ」
「ショパン。お前とバディが組んで、、15年か。永遠に一緒にいる、少なくても1000年は一緒にいると言ったことがあったな。こんなに早くお前とバディを解消する日が来るとは思わなかった。お前かバディを辞めたいというとはな。でも、、何を言っても意見は変えてくれなかった……」
「僕はラフマニノフから卒業するよ。これからはバイオレットと家庭を築き、、幸せになってくれ。本当に僕のことを想うなら、、僕のことは忘れてくれ。そして、、バイオレットと二人で幸せになってくれ!!」
ショパンとラフマニノフはお互い、、腕と腕を合わせ、、生命データ「ショパン&ラフマニノフ」というバディ契約を解除した。
「ショパン。お前、、なんか冷たくなったな。俺、、なんかしたか??」
「なにもしてないよ。やけくそだよ」
「やけくそだと?? 本当にそんなことで俺と離れたのか??」
「そうだよ。もう、、ラフマは嫌いだ!!」
「なんで嫌うんだ!! 嫌われることなんてなにもしてないじゃないか!!」
「バイオレットがいるのに、、僕にかまってばかりで、、彼女が可哀そうじゃないか!!」
「バイオレットを想って、、バディを解消したのか!!」
「僕は、、もう一人じゃない。たくさんの仲間がいる。ラフマがいなくてもちゃんとやっていけるから!!」
「お前との15年間は忘れない。永遠に。宝物だ。素晴らしい思い出をくれてありがとな。じゃあ、、バイオレットが待っているから。行くよ!!」
「ラフマ!! バイオレットと幸せにな!!」
「お前も幸せになれよ!! ショパン!!」
ラフマニノフは超光速宇宙船「バイオレット&ラフマニノフ」に乗り込み、新婚旅行へと出発した。
こうして、、ショパンはラフマニノフとバディを解消した。
「大きな決断だったな!!」
「ゲン!! ああ。不思議と泣かなかったさ。涙も出なかった。僕は、、ラフマニノフと15年間一緒に生きてこれた。それだけで十分、、幸せをもらった」
「なんで、、あれだけ大好きだったラフマニノフと別れることにしたの??」
「ラフマがバイオレットと一緒に家庭を築く邪魔にならないように、、僕は、、ラフマと距離を置いたんだ!!」
「そうか。あくまで、、ラフマのためか。僕と似ているね!! それで、、ショパンはこれからは一人で生きていくのか??」
「一人じゃないよ。僕にはたくさんの仲間ができた」
「俺もショパンの仲間の一人だって言っていい??」
「もちろんだよ」
「バイオレットがより幸せになるには、、僕がいないほうがいいんだ。自己犠牲。君から学んだよ」
「大丈夫だよ。神様はきっと見てくれているから。必ず!!」
「ゲン……僕がラフマから離れることで、、救われる人たちがいるんだ。僕は、、等価交換取引をしたんだ。最も弱い者のために生きたい……放っておけなかった。その恵まれない人たちが……もし、、自分がその人たちだったらって考えたら……黙っていられなかった。バカだよね。そこまでして、、ラフマと離れるなんて……だから僕は、、ラフマと……ウウウ……アアアアアアアア……」
「そこまでして……なんて美しい姿なんだ!! あのラフマニノフの元相棒だけあるね。宇宙一、、尊い!! 大丈夫!! 君の行いは必ず報われる!! 俺が保証する!! これからまた新たな物語が始まるんだよ。これは終わりじゃない。新たな『始まり』なんだ!!」
ショパンは涙を拭いて、、立ち直った。
「僕は恵まれない人たち、弱い者たちを全力で救うことにするって決めたんだ!! 本当に可哀想な人たちを助けたい。そのためには資金がいる。資金を稼ぐために最も才能が発揮できるピアノに全振りしてきた。それが僕がピアノ音楽を広めてきた理由だ。この世界で最も弱い者のために生きる。長年の僕の夢だったんだ」
「ショパンはそのために今までピアノを頑張ってきたのか」
「この世界で大変な想いをしている人たち。他人事だとは思えないんだ。僕は弱い者を無視できない。必ず助ける!!」
「今までショパンに協力してきてよかったよ。俺は最高の選択ができたみたいだな。角田エリスとか、、全宇宙の神様と……」
「ゲン!! どういうこと?? 包み隠さず、、全て話してくれ!!」
「うん!! 実はね……」




