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第四十話 来る前にこちらから仕掛けます

「明日の晩? 何故、明日の晩だと分かる?」

「それはアイツらのアジトがここから遠いからだ」

「アジトが遠い? どうして、そう思う?」

「アイツらは馬に乗って偵察に来ていた」

「それだけか?」

「ああ。それにアイツらが隠れそうな場所は多分だが、あそこに見える山の麓だろう。他は平野だから隠れることは難しいと思う」

「それで明日の晩だと思った訳か」

「そうだ」

「それで、この村には、その賊が欲しがる何かがあるのか?」

「……」

 ガインが賊の襲撃予定を明日の晩だと言うので、なぜ、そう思うのかと確認すると確かに賊が隠れる為のアジトが作れそうな場所は周辺にはない。だから、ガインが作るのなら山の麓と言うのにも納得は出来る。でも、ここに賊が執着するような物があるようには思えず、ガインに聞いてみるが、ガインは答えない。

「ないよな? なら、ここには来ないかもしれないんじゃないか?」

「……いや、ある。アイツらは『奴隷として売れば』と話していた」

「そうか。なら、賊の目的は村人という訳か」

「ああ、そうだ」

「分かった。じゃあ、こっちから出向いて始末するのが一番か。なあ、捕まえた後ってどっかに引き取ってもらえるのか?」

「出向く? 始末する? お前は何を言っているんだ?」

 俺が言ったことが理解出来ないのか、ガインが俺を小馬鹿にしたような目で見る。

「まあ、いいから。俺に任せろって。それで、もし捕まえて来たとして、誰に、どこに引き取ってもらえる?」

「ない」

「え?」

「そんなものはない」

「何? どういうこと?」

「ここでは賊を捕まえても、それを取り締まる役人もいなけりゃ、捕まえて入れておける場所もない。それに首だけを持って行こうにも、ここから隣の街まで持って行かないと換金も出来ない。ただし、それは賞金が掛かっている場合だけだ」

「ってことは、その賞金首かどうかを確認もせずに始末すれば単なる殺人者となってしまうって訳か」

「そういうことだな。それでどうする? 金にならないなら、止めるか?」

 ガインの説明を聞いて、例え賊を捕まえても金にはならないし、裁くことも出来ないと言われる。それに下手したら殺人者として、こっちが犯罪者扱いされるかもしれないと言う。なら、証拠を隠滅するしかないよね。

「心配するな。乗りかかった船って奴だ。心配しなくてもちゃんと討伐してくるさ。心配なら、一緒に来るか?」

「いいのか?」

「ああ、俺は構わないけど、吐くなよ」

「な、俺をバカにするのか?」

「いや、バカにする訳じゃないけど、いっぱい死ぬぞ。そういうのを見ても平気かという意味だ」

「そんな心配はいらない。だから、一緒に連れていけ」

「分かった。じゃあ、日が暮れてから討伐に出るから、そのつもりで」

「分かったよ。だが、置いていくなよ」

「ああ、お前こそ。直前で止めたとか言うなよ」

「「チッ」」

 俺とガインは互いに舌打ちをして、その場で分かれる。そして、俺はフクに夜にお出掛けすることを伝えようとフクを探すと、村の子供達とフクが面倒を見ている子供達との魔法合戦を楽しそうに指揮していた。

「器用な奴だな」


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