予期せぬ知らせの数日前・続(13)
「ティアナと親しいの?」
「ん〜?」
シリルがオッドに話しかけるのを、
ティアナは驚きながら見ていた。
「お嬢ちゃんとは
一番古い仲だからね〜」
オッドはそう言うと、
ティアナの頭に肘を置いた。
「ちょっ!オッド!」
その様子をじっと見つめるシリルは、
「君はティアナの味方?」
オッドの瞳を探るように尋ねていた。
「!」
シリルの言葉に、ティアナは喉をごくっと鳴らしてしまった。
「ん〜?
質問の意図が不明なんだけど〜」
ティアナは、アリスとの会話を頭の中で回想した。
・・もしこの世界が、アリスの言う通りベイリー様のシリーズであるならば。
『 世界で唯一オッドアイが産まれるドラゴンの国
アビス・ド・アポストル
そこは世界最小国にして世界一の脅威を持つが
その存在は謎に包まれている 』
そう、教科書には載っている謎の国。
情報は地図を含めて公にされていない禁忌の国。
「君は脅威なんだろ」
シリルの言葉に、ティアナはハッと顔を上げた。
「この国を壊すの?」
シリルは探るようにオッドの瞳を見つめたまま。
謎に包まれた国の、オッドは王族であり王子であった。
それは、オッドアイを持つということが示す事実。
オッドが話してくれるまで、
オッドが話す言葉だけを信じて待つとは決めていたが・・
アリスとシリルの言葉が重なり、
真実味を持ちつつある情報にどうしても耳が傾いてしまった。
ドキドキしながらオッドの返事を待ったが、
「なにそれ〜?
なんで俺がそんなめんどうことを〜?」
オッドは緊張案のない声で返事を返した。
・・そこにいるのは、
まぎれもなく自分が知るオッドの姿だった。
(そっか・・)
私が言ったんじゃない。
例え、この世界がゲームや本の中の世界だとしても。
そこに住む人達は感情を持ち意思がある。
だから、例え置かれた環境で決められていたとしても
人は人との関りで変わることができるから。
自分で見たことを自分で判断しようと。
気だるい感じで頭を掻く、
いつも通りなオッドに、
ティアナはくすりと笑みをこぼした。
「そ。ティアナに害をなさないなら良いよ」
シリルの言葉に目を向けると、
シリルは綺麗な顔でにこりと微笑んできた。
「!」
ティアナはなぜか、
シリルが自分の代わりに言葉を代弁してくれたように感じた。
(まさか、ね。)
「じゃ、またね」
「え?」
「これ、ありがとう」
そう言って、シリルはお菓子にキスを落とした。
「!」
ティアナが瞳を見開いている間に、
シリルは颯爽とその場を後にした。
(※)ムーンライトノベルズに載せている作品のR15指定バージョンです。
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