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ダンジョンもの  作者: 豚肉100g
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第34話

今回も中段からの謁見ではなく、上段に上がることになったが、流石に叩きつけられたりせずに所定の位置に到着した。

相変わらずこちらの作法はわからないので、土下座スタイルでの謁見だ。


「改めましてご挨拶させていただきます、ダンジョンマスターのあああです。先程は過分な報奨を頂きましてありがとうございました。こちらは我々のダンジョン近くで手に入ります、デスウルフの毛皮でございます。創造神様に置かれましてはさして珍しくはないと存じますが、なにぶんこちらの作法に不慣れなため、ご笑納いただければ幸いです」


慣れない言葉を使い、なんとかこちらの敬意が伝わればと頑張って話し、後ろの弁天さんに合図を送ると、二人の弁天さんが毛皮を大きく広げて、見えるようにしてくれる。

右の方からは『おおー』とか『あれが噂の』とか聞こえるが、左側から『本物なわけ有るか』『それっぽいのをどこかで拾ってきたのだろう』と言った言葉が聞こえる。失敗続きの上、創造神様から端っこで控えていろとまで言われているため、流石に直接は言ってこない。いやみを言う程度しかもう出来ないのだろう。


「ふむ、なかなかの物だな。ダンジョンの神よ大広間にでも飾っておくとよいだろう」

「はっは。承知いたしました」


右側から執事服を着たカンガルーが現れ返事をすると、神兵が現れて毛皮を持っていっていた。おそらくカンガルーがダンジョンの神様なんだろう。


「ふむ。さて色々なことがあったが、後程詳しい事は魔獣の森の守護神より話させるとして、いくつか確認しておくことが有る。その答えがそのまま適用されるかはわからんが、希望は聞いておこうと思ってな。

ふむ、なに大したことではない。お前たちが受けた仕打ちに関して、望む対応があれば聞いておこうかのと思ってな。聞いておくのはそうじゃな、直接関わったマスターと神の処遇についてだな」


そうか、この後処遇を決めるとしても処遇の内容によっては、こちらに影響があるかも知れないから、ある程度方向性を決めようってことかな?


「突然のことで私としてもなんとも言い難いのですが、私といたしましては両名に関しまして、私の方からなにか処罰を求めるようなことはいたしません」


おそらく私の言葉が意外だったのだろう。周囲がかなりざわついている。


「ふむ、お主の方からはなにも求めないと?本当にそう言うのだな?」

「はい。私の方からなにかを求めることは有りません」

「ふむ、例えばマスターの方はお前たちから奪ったエネルギーの返却を求めたり、神の方にも何かしらの賠償を要求できるが?」

「正直言いますと、私どもから奪ったエネルギーを今更返してもらっても、なんの意味もありませんし、神様からの賠償など私から見れば恐れ多いだけです」


困難地ボーナス分のエネルギーを返してもらった所で、多分雀の涙程度でしか無いだろうし、神様から賠償を貰ったら、そこにどんな悪意が有るかわかったものじゃない。なので、


「私は特になんの処罰も求めません、神々のルールに従って厳正な処罰を下していただければ幸いです。コアちゃんは何かある?」

「わわわたしもマスターに従いまっす!」


勝手に決めるのもどうかなと思い、コアちゃんにも聞いてみたが、油断していたのかかなり焦っていた。


「ふむ、なるほどの。そういった考えもあるのだな。ちなみにこの世界ではそちらの世界で言う、目には目を歯には歯をが普通じゃな。この場合マスターの方にはエネルギーの変換で、ダンジョン全て消滅の上、派閥ダンジョンの数十個が消えるところだ。神の方は権能を奪う事が普通かの?」


創造神様が言ったことで周囲はさらに騒然とし、とても謁見の雰囲気ではなくなってしまったが、なるほど目には目を理論と、砂漠の水理論が適用されるのか。ちなみに『目には目を』は昔の法律で、目を潰されたら相手の目を潰すのような、失ったもの相当の代価を得る法律。『砂漠の水』は、砂漠で一杯の水を恵んでもらったら、その後に得た全てでも代償は支払えないっていう、砂漠の民の考え方だ。この場合その美味しい話に乗せられると、後でとんでもないことに巻き込まれそうだから、周囲が今謁見が行われているのを思い出し、若干静かになったタイミングで、


「こちらの事情を教えていただきましてありがとうございます。ですが私のような小心者は身の丈に合った服装を好みます、身の丈に合った生活を営んでいこうと思いますので」

「ふむ、過剰な装飾は害にしかならんかの。なるほど。だが身の丈に合ったとは言えんと思うが?まぁ良い。こちらで相応の罰則を与えることとしよう」


その後はいくつか雑談をして、謁見の場から下がる事ができた。

中段の席につくまでにまたかなりの視線が集まったりしたが、何故か一人の視線が印象に残った。それは神様方でもダンジョン関係者でもない、この世界の人間だった。


私の後に創造神様の謁見を行った者なのだが、かなり太っている上に身にまとっている豪華な白いローブは、正義と支配を司る神様の着ていたものに似ていて、その視線は刺すようでも呪うようでもなく、神様以外では殆ど見られない見下すような視線だった。

念の為弁天さんにお願いして、胞子をその白ローブに付けてもらったが、創造神様への謁見の言葉そのままなら、正義と支配を司る神様を祀る『正統神教』という、宗教団体のトップだそうだ。


なぜ創造神様を崇める国のダンジョンの集会に、来ているのかはわからないが、謁見の言葉は創造神様にと言うより、正義と支配を司る神様への言葉と言ってよい、かなり失礼なものだったが、創造神様はさして気にした様子もなく、たんたんと対応しているように見えた。


その後私には特に気になることもなかったが、相変わらず向こうは何やら画策していたものの、その都度秘密裏に失敗していくといった攻防が行われて集会は終了した。


細かくは後ほど話すとして、今回のダンジョン集会の成果と見れば、かなり良かった、いやもはや最善の結果だっとといって良いだろう。


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